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エターニット所有者に16年の実刑判決

トリノでの裁判で、エターニット所有者のステファン・シュミットハイニーとルイ・ド・カルティエ・ド・マルシェンヌ男爵は、数千人を死亡させたかどで有罪となり、16年間の実刑判決を受けた。このような判決は前代未聞であり、世界中で致命的なアスベストを製造・販売する他の業者に警告を与える可能性がある。

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イタリア: イタリア・トリノの裁判所は2月13日、エターニット・グループの裁判に終止符を打った。同グループを所有・経営するスイスの億万長者ステファン・シュミットハイニー(65歳)とベルギーのルイ・ド・カルティエ・ド・マルシェンヌ男爵(91歳)は、グループ傘下の大企業が立地していたイタリア・ピエモンテ州のカザレモンフェラート地域で数千人の労働者と住民を死に至らしめた生態学的災害で、有罪判決を受けた。被告らには数百万ドルの罰金が科せられる。

裁判所は、アスベスト業界の有力者2人が故意かつ意図的に、致命的な繊維であるアスベストによる汚染・飛散で環境災害をもたらし、職場での対策実施を怠ったとする検察側の主張を受け入れた。その他の詳細については過去のIMF報道を参照。

検察官のラファエレ・グアリニエッロとジャンフランコ・コラーチェ、サラ・パネッリは、2009年以降62回にわたって開かれた審理で、被告らが人と自然に対するアスベストの致命的な影響を明確に理解していながら、利益のためにエターニット工場の操業維持を選んだことを示した。ほぼ3,000人の死亡者の遺族と、エターニット・グループ企業で1952年から1986年までアスベストにさらされて病気になった犠牲者は、この有罪判決を涙と拍手喝采で歓迎した。

国際建設・林業労組連盟(http://www.bwint.org/default.asp?Index=3926&Language=EN)をはじめとするグローバルな労働組合運動と協力しながら、長年にわたってアスベスト全面禁止を追求してきたIMFとICEMは、トリノの裁判所による判決を歓迎し、この判決がアスベストの製造業者や輸出業者、輸入業者すべてに明確な警告を与え、この致命的な物質の生産・使用を全世界で直ちに全面中止させる効果をもたらすよう願っている。

[2012年2月14日 アレックス・イワーノウ]