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インドにおける金属労働者の組織化と変化を求める闘い

インドの組合幹部は、国内で最も脆弱な社会のいくつかで変化を求める力を強化しており、その過程で組合運動を統合している。

インド: インドの最貧困州の一部で組合運動を構築することは、簡単な課題ではない。しかし、IMF加盟組織のインド全国金属労連(INMF)とインド鉄鋼・機械労連(SMEFI)は、その課題を引き受けた。現在までのところ、両組織は2009年以降チャッティースガル、ジャールカンド、オリッサ各州で2万8,000人の労働者を組織化した。この活動は、連帯支援組織であるSASK(フィンランド)およびLO-TCO(スウェーデン)との共同プロジェクトの一環である。

このプロジェクトは新規労働者を組織化するだけでなく、IMF加盟組織間の協力レベルを深めてもいる。加盟組織は州・全国レベルの全国労働組合機構を統合し、2つの州(チャティスガールとオリッサ)では統一組織の枠内で一致協力することを決定した。加盟組織は組合員の勧誘にあたって競争せず、共同で活動を評価している。プロジェクト開始時には、地方レベルにおける両組織間の関係は難しい状況にあり、暴力沙汰になるときもあった。

全国レベルで協力することによって、労働組合は多くの新しい団体交渉協約を締結することができた。全国合同鉄鋼委員会では、不安定労働者の全国最低賃金引き上げを目指し、その目的を達した。石炭産業の合同交渉委員会では、29%の賃上げと82%の付加給付増額を達成した。このプロジェクトの結果、加盟組織が競い合わずに協力し合えば、必ず成果につながることが分かった。

女性のエンパワーメントもプロジェクトの重要な側面であり、プロジェクト活動への参加率は2010年以降10%前後に上昇しているが、さらに措置を講じる必要がある。そのような措置の1つが全国女性委員会の設置であり、同委員会は女性の参加を促し、職場で女性の活動を妨げている障害を確認する方法を見つけようと取り組む。女性が直面している障害の一例は、製造業の生産分野における女性の夜勤を禁じている国内法だ。委員長は、ジャールカンド州ジャムシェドプールのタタ・ロビンズ・フレイザー労働組合出身のデビカ・シンである。

立ち上がって地方委員会を求めて闘うことは、労働組合にとって目新しい行動ではないが、インドの部族民の90%が上記3州に居住しているという事実は独自の様相を付け加えている。インドの部族民は貧しい農業労働者が中心で、教育機会の面で問題を抱えており、生活水準は貧困線をはるかに下回っている。部族民の間で信頼・信用を確立するために、組合は食料配給や非公式教育、訓練セミナーを実施している。その結果、部族民は組合と合同委員会設置を支持するようになった。

2012年3月5〜7日のインド鉄鋼プロジェクト会合でこれらの結果を見直した結論として、この活動を継続・拡大し、今後数年間にさらに2つの州に広げていくという強い希望が確認された。

[2012年3月7日 ロブ・ジョンストン]