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ICEM/IMFとユミコアGFA監視委員会が北米を視察

IMFおよび国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)とユミコアが2011年9月にグローバル枠組み協約(GFA)を更新したことを受けて、2012年3月6〜7日に監視委員会が米国オクラホマ州タルサの同社事業を視察した。

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アメリカ/全世界: ユミコア・オートキャットUSA社のタルサ工場は2007年にデルファイから買収され、IMFに加盟する全米自動車・航空宇宙・農業機械労組(UAW)の第286支部によって組織化されている。この工場は地理的に主要自動車メーカーに近く、小型車・大型車両方の排出ガス削減システムに利用される触媒を生産している。

ユミコア監視委員会メンバー、すなわちイグナス・デ・ロイトル人事担当上級副社長、ガイ・イーシアー環境安全衛生担当上級副社長、マーク・ドルフィン人的資源担当取締役、IMFも代表するケマル・オズカンICEM産業・企業問題局長、ユミコア欧州従業員代表委員会メンバーでドイツのICEM加盟組織IGBCE組合員のピーター・カムとともに、現地の企業管理者とUAW代表も参加した。

監視委員会は、中国、ブラジル、南アフリカに派遣された過去3回のミッションと同じ作業パターンに従った。雇用、訓練・教育、安全衛生、環境問題、社会政策と労働条件、社会的対話、地域社会との関係について、視察時に多様な情報が提供され、それについて議論した。この工場は主要自動車メーカーに供給しているので、2008年の危機発生時に多大な損害を被り、雇用水準が大幅に低下した。しかし、2009年にアメリカの自動車産業が回復すると、ユミコアのタルサ工場は業績が好転し始め、雇用も増えているが、まだ危機前の水準には遠く及ばない。現地経営陣と組合代表は監視委員会に、この工場で労使関係制度を通して危機に対処している状況を説明した。さらに、2009年の団体交渉で、このような危機に対応するための制度化された手続きを規定し、それについて合意したことも報告された。

オズカンとカムは、UAW現地職場委員のジェームズ・シール交渉委員会議長、ウォレン・マッキンリー共同議長、ランス・ボイド代表、カーティス・ストーリー代表とともに個別の組合会合を開き、情報を交換するとともに工場の労働状況について議論した。この組合会合では、現在の労働条件、労働協約、工場における社会的対話を検証したあと、グローバル枠組み協約の性質と内容に関するブリーフィングが行われた。UAW地方組合と欧州従業員代表委員会とのコミュニケーション継続について合意した。

この視察の評価にあたって、労使双方が工場における質の高い労使関係と社会的対話に共同で取り組んだ。職場の労使合同安全衛生委員会が質の高い安全衛生慣行を実施していることに特に注意が払われ、高い評価が示された。監視委員会は5月末に予定されている会合で報告書を仕上げる。

ユミコアはグローバルな材料技術グループで、4つの事業分野、すなわち触媒、エネルギー材料、高性能材料、リサイクルに焦点を当てている。ユミコア・グループは、すべての大陸で事業を展開しており、世界中に顧客がいる。2011年の総売上高は145億ユーロ(金属を除けば23億ユーロ)で、現在の従業員数は約1万4,600人である。

[2012年3月10日 ICEM]