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ロシアの裁判所がベンテラーのストを合法と判断

ロシア・カルガの地方裁判所は4月11日、ベンテラーのストの合法性をめぐる事件に決着をつけた。このフォルクスワーゲンのサプライヤー企業でストが成功した結果、団体交渉が始まった。しかし交渉は行き詰まり、ベンテラー経営陣は組合に秘密保持契約への署名を強要しようとしている。

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ロシア: ロシア・カルガの地方裁判所は4月11日、IMF加盟組織の地域間自動車労組(ITUA)がベンテラーで組織したストの合法性をめぐる事件に決着をつけた。このフォルクスワーゲンのサプライヤー企業でストが成功した結果、団体交渉が始まった。しかし交渉は行き詰まり、ベンテラー経営陣は組合に秘密保持契約への署名を強要しようとしている。労働者は組合を脱退するよう圧力をかけられている。

ベンテラーでのストは4日間続き、成功裏に終了した。経営側との最初の交渉は4月4日、2回目の交渉は4月12日に行われた。今日(4月19日)、組合代表が会社側と3回目の会合を開く。しかし、労働協約をめぐる交渉は予定どおりに始まらなかった。経営側が組合活動家に秘密保持契約への署名を強要し、組合が労働者と連絡を取ったり、交渉プロセスについて情報を提供したりできないようにしようとしているからだ。組合はこの動きに対抗する構えだ、とベンテラー組合委員会のアレクセイ・ナスティン委員長は言う。

2011年にも、フォルクスワーゲン経営陣がITUA活動家に同様の秘密保持契約に署名させようとしたが、組合は労働者に現状を知らせて経営側に圧力をかけることによって、署名を回避することができた。2011年のフォルクスワーゲンでの交渉は成功し、ITUAは大幅な賃上げを達成した。

4月16日、ベンテラー取締役のヒューバート・クープマンは、特に工場で組合に事務所スペースを提供しなかったことを理由に、ロシア労働法違反で罰金を科せられた。

しかし、経営側は相変わらず組合員を差別している。その結果、ベンテラー労働者全員が3月に規定の割増賃金を支払われなかった。それにもかかわらず、ストに参加しなかった労働者は多額の一時金を受け取った。スト参加者にはボーナスがまったく支給されなかったので、3月の賃金はいつもより約20%少なかった。

「賃上げと組合活動の保証、賃金補償を求めて交渉する予定であり、これらの要求に関する立場を固守するつもりだ。協議を通して、あるいは裁判によって、スト参加者の3月ボーナス問題を解決することも計画している」とアレクセイ・ナスティンは言う。

「労働者は経営側の行動に非常に驚いている。同社はストに対する報復は一切しないと約束したが、現在、労働者との会合を開いて、組合脱退を拒否すれば懲戒処分や昇進停止で対抗すると言って脅している。また、労働者に誤った情報も伝えている。これが現状だ」とナスティンは付け加えた。

IMFはベンテラーにおける事態の展開を見守り、必要があれば連帯行動を起こすことにしている。

[2012年4月19日 イリヤ・マトベーエフ]