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プエブラでCATメンバーの誘拐・暴行・脅迫事件が発生

メキシコで労働権を擁護しているNGOの労働者支援センター(CAT)が、2008年から嫌がらせに遭っている。IMFと人権機関は当局に対し、CATメンバーの生命を保証するよう求めている。

メキシコ:  5月15日、労働者支援センター(CAT)に所属する労働権・人権擁護活動家のホセ・エンリケ・モラレス・モンタノが、バンに乗った覆面姿の4人組に誘拐された。

モラレスは、CATが繊維産業労働者のグループを擁護している事件に関連して、プエブラ市の地方調停・仲裁委員会で開かれる聴聞会に出席するために午後1時ごろ出かけ、午後5時ごろに誘拐されて拷問された。誘拐犯は繰り返しモラレスの頭に銃を突きつけ、殺すと言って脅した。翌朝5時ごろ、モラレスはプエブラとベラクルスを結ぶ幹線道路に置き去りにされた。誘拐犯は携帯電話とリュックサックを盗んだ。殺害の脅迫はその後も続いた。その日の午前中、CATディレクターのブランカ・ベラスケスがホセ・エンリケに代わって電話に出たところ、「お前はもうすぐ死ぬ、犬め」と言われた。

この誘拐事件は、CATに対して組織的な嫌がらせや深刻な脅迫が加えられている状況の中で発生した。CATチームの他のメンバーも明らかに差し迫った危険にさらされている。残念なことに、CATのメンバーや事務所が攻撃されたり、メンバーが脅迫されたりしたのは今回が初めてではない。CATは2008年以降、主に多国籍企業から嫌がらせを受けている。CATは労働権を促進・擁護する非政府組織で、その活動によって、労働者が日常的にさらされている不安定な労働条件が浮き彫りになった。

労働権・人権擁護活動家が嫌がらせに遭いながら活動せざるを得ない状況にあり、人権を守るために権利を行使しているというだけの理由でたびたび身の安全を脅かされていることに、IMFは懸念と憤りを表明している。

そこでIMFは以下の要求を支持し、加盟組織に対し、連帯行動を起こして当局に要請するよう呼びかけている。

●ホセ・エンリケ・モラレス・モンタノをはじめとするCATメンバーの生命と身の安全を保証すること。 ●今回の攻撃と再三にわたる脅迫について、最も高い国際基準を満たす効果的かつ積極的な調査を行う義務を果たすとともに、エンリケ・モラレス・モンタノ誘拐・暴行・強盗事件と同人および他のCATメンバーに対する脅迫の犯人を明らかにし、法に従って起訴・処罰すること。 ●人権擁護活動家に関する国連宣言の規定の適用を確保すること。特に重要なのは、「すべての人は、個別に、また他者との協力によって、国内・国際レベルで人権および基本的自由の保護・実現を促進し、それを得ようと努力する権利を有する」と定める第1条と、「国家は、本宣言に記載される権利の合法的な行使の結果、暴力、脅迫、報復、事実上・法律上の不利な差別、圧力またはその他の独断的な措置にさらされることのないよう、管轄当局が個別に、また他者との協力によって、すべての人の保護を確保するために必要なすべての措置を講じるものとする」と定める第12.2条である。

レイバースタートはCATメンバーを支持して特別キャンペーンを開始した。レイバースタートを通してメールを送るには下記サイトを参照:
http://www.labourstart.org/cgi-bin/solidarityforever/show_campaign.cgi?c=1393

関連リンク:
IMF - Letter of solidarity CAT (pdf)


[2012年5月17日 バレスカ・ソリス]