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エクセロン・リソーシズをOECDに提訴

メキシコの労働者と土地所有者が、カナダの鉱山会社エクセロン・リソーシズをOECDに提訴した。

メキシコ/カナダ: ドゥランゴ州トラワリロ市エヒード・ラ・シエリッタの共同土地所有者と同州ラ・プラトサ鉱山の労働者は5月29日、経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業ガイドラインに基づいて、オタワとメキシコシティーの行政府にエクセロン・リソーシズに対する苦情を共同で申し立てた。

申立人によると、同社は労働権を侵害しており、同社が操業しているエヒード・ラ・シエリッタの土地所有者との土地利用契約に従っていない。訴状には、カナダ労働会議、マイニングウォッチ・カナダ、IMF加盟組織の全米鉄鋼労組(USW)とメキシコ鉱山労組(SNTMMSRM)、メキシコ経済的・社会的・文化的権利プロジェクト(ProDESC)が共同で署名した。

エヒード共同土地所有者グループのデービット・エスピノーサ会長の説明によると、同社は2008年に同グループと契約を締結してから、水処理プラント建設や給食契約、エヒード組合員の優先的雇用など、同契約に基づく義務の多くを果たしていない。それだけでなく、契約対象外の土地を開発して深刻な環境損害を引き起こしている。

SNTMMSRM代表のフアン・ロドリゲスはエクセロンに対する土地所有者の不満に同意し、「エクセロンが労働者の安全衛生問題や給付の不足に取り組まなかったため、鉱山労働者は2010年に同社で地方組合組織を結成した」と説明した。これを受けて会社側は威嚇や組合幹部の解雇で対抗し、ラ・プラトサで独立組合の結成を未然に防ぐために、使用者の支配下にある組合と保護協約を結んだ。

2011年にもカナダ抽出部門企業の社会的責任(CSR)相談官に労働者の権利侵害に関する苦情が提出されたが、会社側が交渉を拒否したため、何の成果もなかった。現在、労働者と土地所有者はカナダに戻っており、OECDガイドラインに基づくナショナル・コンタクト・ポイントが同社を交渉のテーブルに着かせるために本格的な措置を講じてくれることを願っている。

訴状などの詳細については下記サイトを参照:
http://www.miningwatch.ca/news/mexican-workers-landowners-file-second-complaint-against-canadian-mining-company-excellon

[2012年5月30日 アレックス・イワーノウ]