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労働組合権侵害に関する年次調査発表

報告によると、2011年にはアラブの春の抗議行動に対する弾圧で亡くなった人たちに加えて、少なくとも76人の労働者が労働組合活動で命を落とした。

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全世界: 2011年は世界中の労働者にとって厳しく危険な年となり、思い切って労働組合権を擁護した人々が解雇や逮捕、投獄に直面し、死者まで出た。

そのような基本的状況が、6月6日に国際労働組合総連合(ITUC)が発表した年次労働組合権侵害調査から浮かび上がってくる。今年の調査では143カ国を調べている。

今回もまた、コロンビアが労働組合員にとって世界一危険な国である。アラブの春で殺害された労働者を除いて、労働組合活動が原因で命を落とした76人のうち29人がコロンビアで亡くなった。そしてグアテマラでも労働組合員が重い代償を払わされ、10人が暗殺されながら犯人は処罰されていない。アジアでも8人の労働組合員が殺害された。

この調査で浮き彫りにされた世界的傾向は、各国政府が労働法を尊重していないこと、労働監督と労働者保護の資金が不足していること、湾岸諸国を中心に世界中で移民労働者が権利を与えられず、虐待されていること、全世界の輸出加工区で特に女性労働者が搾取されていることなどだ。1億人の家事労働者も、とりわけ弱い立場に置かれている。

「ITUCの年次調査が毎年ILO総会の時期に発表されるのは偶然の一致ではない。この報告書は、基準適用委員会でいつも行われる全世界の労働組合権に関する議論を補足する」とユルキ・ライナIMF書記長は述べた。

「残念ながら今年は、これらの重大な事例に関する議論が行われない。使用者グループが同委員会における条約監督プロセスの放棄を決定したからだ。この危険な展開の影響はILOの枠をはるかに超えて広がるだろう」

報告書全文を読むには下記サイトを参照:http://survey.ituc-csi.org/

[2012年6月6日 クリスティン・ピーター]