第8回戦術委員会確認事項
2004年4月2日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)
金属労協は、本日10:00より第8回戦術委員会を開催し、現時点までに引き出した回答のとりまとめを行い、JC共闘の今後の進め方を次のとおり確認した。

1.集計対象A組合(65組合)は、すべての組合で回答を引き出し、集約方向に向かっている。

賃金については、すべての組合が定昇の実施等によって賃金構造維持分を確保し、現行賃金水準を維持している。さらに、自動車総連傘下の1組合では、粘り強い交渉の結果、ベアを含む満額回答を引き出すことができた。また、基幹労連・鉄鋼部門の中期賃金改善の取り組みでは、今後の労働条件向上に向けた経営側の意思が表明され、労使検討の場を設置することができた。

一時金は、交渉で決定する45組合すべてが回答を引き出した。このうち、月数または金額で昨年実績を上回った組合が31組合、横ばいが7組合、下回った組合が7組合となった。一部で昨年水準を下回る組合が出たものの、業績回復傾向を反映して、多くの組合で水準の回復・引き上げを果たすことができた。他に業績連動によって決定する組合が19組合となっている。

60歳以降の就労確保については、基幹労連が今次闘争において精力的に取り組んだ結果、実質的に年金満額支給開始年齢と接続した制度を導入することができた。
次世代育成支援対策推進法への対応については、電機連合、JAMの傘下組合で労使協議の場を設置することができた。また、電機連合では、配偶者出産休暇5日の実現、キャリア開発支援のための労使協議の場を設置することができた。

年間総実労働時間短縮や働き方の改善に向けた取り組みについては、自動車総連、JAMの傘下組合を中心に、労働時間の現状と課題について労使の共通認識を得るとともに、長時間労働の是正や年休取得増などについて、産別・単組の実態を踏まえた前進が図られた。

「JCミニマム(35歳)」と企業内最低賃金協定については現在集約中であるが、JCミニマム運動の考え方を徹底し、金属産業で働く勤労者全体の賃金の下支えを図るべく取り組んでいく。

2.集計対象B組合(組合員300〜999人)は、68組合中58組合(昨年同時期:85組合中62組合)が回答を引き出しており、昨年より若干早いペースで解決している。回答引き出し組合のうち、現時点で賃金構造維持分を確保していると判断できる組合は49組合(昨年同時期:54組合)、賃金構造維持分が確保できなかった組合が4組合(昨年同時期:6組合)、未確認の組合が5組合となっており、賃金構造維持分を確保している組合の比率が高まっている。

3.集計対象C組合(同299人以下)は、59組合中41組合(昨年同時期:68組合中44組合)が回答を引き出している。回答引き出し組合のうち、現時点で賃金構造維持分を確保していると判断できる組合は29組合(昨年同時期:35組合)、賃金構造維持分の確保ができなかった組合は5組合(昨年同時期:6組合)、未確認の組合が7組合となっている。

4.一方、全体集計における賃金の要求、回答、集約組合をみると、
構成組合数 3,560組合
要求組合 2,917組合
回答・集約組合 1,223組合
集約組合 955組合
となっている。要求組合数に対する回答・集約組合の比率は41.9%(昨年同時期:39.4%)、同様に集約組合数の比率は32.7%(昨年同時期:30.3%)となり、昨年と同程度のペースで解決が図られている。なお、要求断念組合数は156組合(昨年同時期:170組合)、今後要求提出予定組合146組合(昨年同時期:147組合)、要求提出の実施が未決定であるなど把握ができない組合は341組合となっている。

回答・集約組合1,223組合のうち、現時点で賃金構造維持分確保を判断できる873組合の状況は、純ベア確保と判断できる組合が51組合(昨年同時期:34組合)、賃金構造維持分・定期昇給を確保した組合が725組合(昨年同時期:589組合)、賃金構造維持分・定期昇給を確保できていない組合が97組合(昨年同時期:121組合)となっている。純ベア確保組合、賃金構造維持分・定期昇給確保組合は、いずれも大幅に増加している。
とりわけ定昇込み平均賃上げ額で見ると、全体として昨年を上回っているが、なかでも300人未満の組合でプラス幅が大きくなっている。
なお、「賃金構造維持分・定昇制度」についての調査では、「賃金構造維持分・定昇制度」が労使確認されている組合が550組合、労使確認されていないが組合にて把握・推計できている組合が1,137組合となっており、5割程度の組合で労使または労働組合で確認されている。

全体集計における一時金の状況をみると、要求提出組合2,335組合のうち回答・集約組合は932組合、集約組合は779組合となっており、要求断念組合は78組合、業績連動方式による決定は98組合となっている。回答・集約の状況は、
年間5カ月以上または半期2.5カ月以上 217組合 (昨年同時期:166組合)
年間4.5カ月以上5カ月未満、
または半期2.25カ月以上2.5カ月未満
147組合 (昨年同時期 :303組合)
年間4カ月以上4.5カ月未満、
または半期2カ月以上2.25カ月未満
187組合
年間4カ月未満または半期2カ月未満 361組合 (昨年同時期:422組合)
となっており、昨年と比較して、年間5カ月以上または半期2.5カ月以上が51組合増加し、年間4カ月未満または半期2カ月未満が61組合減少している。また、昨年実績を月数または金額で上回った組合は574組合、横ばいの組合が149組合、下回った組合が199組合となった。業績のバラツキを反映して2割程度の組合が昨年実績を下回ることとなったが、6割以上の組合が昨年実績を上回っており、JC全体として水準の改善・回復を果たすことができた。

60歳以降の就労確保は、JC全体で1,738組合が産別方針に沿った成果を獲得しており、制度導入に向けた流れを着実に拡大することができた。

5.これらの回答は、金属労協傘下の各組合が「ものづくり産業」「金属産業」という共通の基盤に立ち、産業・企業の実態を踏まえつつ、各産別の主体的な取り組みの下で粘り強く取り組んだ結果引き出したものである。金属労協全体として、組合員の生活安定と総合労働条件の改善につながる一定の成果を引き出すことができたものと受け止める。
われわれは、これまでに引き出した成果を、より厳しい収益状況の下で回答引き出しに取り組む中小労組に波及すべく、引き続き共闘体制を維持しつつ、産別指導のもと4月月内の解決をめざして粘り強く団体交渉を展開していく。
また、われわれは要求や回答に対する評価、今後のJC共闘の課題等を整理し、6月7日(月) 10時より開催する第10回戦術委員会において、2004年闘争の中間まとめを行う。

6.次回第9回戦術委員会は、4月26日(月)午前10時より開催する。

以 上