第7回戦術委員会確認事項
2008年3月12日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)

金属労協は、本日午前11時より第7回戦術委員会を開催し、集計登録組合を中心とする回答の受け止め、ならびに後に続く中堅・中小労組におけるJC共闘の進め方を以下のとおり確認した。

金属労協は、2008年闘争を、日本の基幹産業である金属産業にふさわしい賃金水準と、ワーク・ライフ・バランスの実現等を含めた総合労働条件の改善、非正規労働者の労働条件底上げの取り組みと位置づけ、金属産業の魅力を高めるとともに内需拡大にも寄与する成果に結び付けるべく積極的な取り組みを展開してきた。
賃金改善については、金属産業の復権を支えてきた勤労者の生産性向上に対する適正な配分を求めるとともに、金属産業が日本経済を支え続けるために、賃金改善という「人」への投資によって労働条件を魅力あるものにし、優秀な人材の確保を図ることが重要であることを訴えてきた。
一方、ワーク・ライフ・バランスの実現が求められる中で、金属産業は長時間労働が常態化し、心身の健康にも悪影響を及ぼすことが懸念される状況にあることから、長時間労働是正のための有効な施策のひとつとして、時間外労働割増率の引き上げを求めてきた。
さらに、現場を支える重要な存在である非正規労働者の労働条件改善に向けて、企業内最低賃金協定の締結拡大と協定水準の引き上げなども求めてきた。

 

われわれは、取りまく環境が昨年を下回る状況にないことを踏まえ、賃金改善を強く求めてきたが、経営側は、「人への投資」の重要性については理解を示しながらも、世界経済の先行き不透明、原材料価格の高騰、厳しいグローバル競争など、企業を取りまく環境の厳しさを強調し、慎重な姿勢に終始した。
一方、時間外労働割増率の引き上げについては、「コスト増につながる割増率の引き上げには到底応じられない。」「長時間労働の抑制にはつながらない」「割増率引き上げと長時間労働の是正は全く別の視点で議論されるべきである。」などと、終始一貫して具体的な割増率引き上げによる長時間労働是正には応じられないという頑なな姿勢を崩さず、交渉は難航を極めた。

 

集中回答日である本日12時現在、集計登録組合を中心に43組合が回答を引き出し、このうち41組合が賃金改善を実現した。
本日示された回答は、各産別の指導の下、企業連・単組の懸命な努力によって引き出したものであり、JC共闘全体としては、金属労協の闘争方針で求めた「人への投資」「家計への配分による内需拡大への波及」に一定の役割を果たしたものと判断する。

 
○賃金改善については、「2006年、2007年闘争における賃金改善の流れを確かなものとし、それを上回る引き上げを実現する」との方針を全体として満たし、JC共闘の役割を果たすことができた。3年連続で賃金改善を実現することによって、賃金改善の流れを確かなものとすることができたものと評価する。
これから回答を引き出す中堅・中小労組においても、本日の成果へ上積みをめざすこととする。
○一時金は、企業業績の回復を背景に積極的な交渉を展開し、全体として昨年を上回る水準へと引き上げることができたものと受け止める。
今後引き続く組合においても、業績改善の適正な配分によって、一時金水準の引き上げを図ることとする。
○時間外労働割増率については、一部の組合で具体的な割増率の引き上げを実現し、その他の組合においても、長時間労働是正の必要性について労使共通の認識に立った上で、割増率の改善について労使協議を継続することが確認されるなど、時間外労働割増率引き上げに向けて、一定の前進を図ることができた。
 今後の交渉、協議において、われわれの主張を強力に展開し、長時間労働是正の実効ある施策を求めるとともに、時間外労働割増率引き上げをめざすこととする。
○非正規労働者に大きな影響を与える企業内最低賃金協定については、電機連合やJAMを中心に、協定水準を引き上げることができた。非正規労働者の労働条件の改善に向けて、労働組合として一定の役割を果たすことができたものと評価する。  闘争後に協議を行う組合を含め、協定締結組合の拡大と水準の引き上げを図り、その成果を法定産業別最低賃金の水準引き上げにつなげることによって、金属産業全体の賃金の引き上げを図ることとする。
○労働災害付加補償の引き上げ、裁判員制度への対応など、諸要求項目については、要求趣旨に沿った回答を引き出し、総合労働条件の改善を図ることができたものと評価する。

 

引き続いて回答を引き出す「中堅・中小登録組合」についても、順次回答状況を公表し、JC共闘として後続組合に対する支援を強化する。3月19日(水)には、回答状況について取りまとめを行い、16:00から記者発表を行う。

 

第8回戦術委員会は、4月3日(木)10時より開催する。

 


以上