広報ニュース

第148号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年7月12日)

メキシコで民主的労働組合が実現可能

2022-05-25

【JCM記事要約】

  • メキシコ全国独立自動車労組(SINTTIA)は、50日に及ぶ交渉を経て、ゼネラル・モーターズと労働協約を締結した。協約には5%の賃上げの他、最初の協約及び2年ごとの団体交渉の両方で労働者との協議が必要と定められており、これは同国の旧労働法で問題となっていた「使用者保護協約」の根絶に役立つ。
  • インダストリオール・アトレ書記長は、2023年5月までに合法化する必要のある現行労働協約がまだ8万本以上もあり、他の組合がSINTTIAの闘いから学び活動を進めることを期待する、と述べた。

 

2022年5月26日:メキシコの2019年労働法改革は、真の労使関係、新しい民主的組合を設立する機会への道を開き、したがって結社の自由の基礎を改善する。メキシコ全国独立自動車労組(SINTTIA)と米自動車大手ゼネラル・モーターズが5月10日に締結した新しい労働協約は、その証拠である――しかし、先は長い。
                                                      

50日に及ぶ交渉を経て、インダストリオール加盟組織SINTTIAは5月10日にGMと労働協約を締結した。

新協約はGMシラオ工場の全労働者を対象とし、より良い労働条件と賃金・経済的利益の大幅な改善を定めている。

主な業績は以下のとおり。

  • 8.5%の直接賃上げ
  • 年4回の生産性ボーナス増額
  • 労働条件のさまざまな側面(昇進、処罰、安全衛生など)への組合の関与
  • 労働時間、交替制、班、生産性を見直すための場
  • 暴力とセクシャル・ハラスメントに対処する手順を実施するための場

マリア・アレハンドラ・モラレス・レイノソSINTTIA書記長は言う。

「私たちは団結して労働条件の変更を達成した。この協定を支持して断固とした態度を取り続けなければならない。生活の質を改善するには結社の自由と民主主義が必要だ」

メキシコの新しい労働法は、労働者は無記名の直接投票によって、どの組合に加入するか、どの指導者が自分たちを代表するかを自由に決定する、と定めている。法改革前、労働者は事実上、自由な選択を認められていなかった。というのも、労働者側ではなく会社側に立つ従業員組合の前で、挙手により投票が行われていたからである。

さらに、労働協約については、最初の協約と2年ごとに開催される団体交渉の両方で、労働者と協議しなければならないことが確認された。それも自由な個別の無記名投票によって行われ、いわゆる「使用者保護協約」の根絶に役立つ。

シラオのGM工場労働者は2021年4月、メキシコ労働組合連盟(CTM)傘下の組合が締結した団体保護協約を合法化する投票の不正行為を立証し、労働社会保障省に訴えた。苦情処理制度が有効に機能した結果、2021年8月に労働者は新たな投票を実施し、CTM傘下組合が締結した旧労働協約を拒否した。協約の拒否は、新組合を選ぶために選挙を行わなければならないことを意味した。

今年2月、SINTTIAは無記名投票で圧勝し、それ以来このGM工場で組合代表資格を得ている。

当時、アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、これはとてつもなく重要な勝利であり、2019年にメキシコ政府が実施した労働改革は、労働者に自由で公正な選挙で投票する本当の機会を提供しているため、実際に労働者にプラスの効果をもたらし得ることを証明している、と述べた。

そして今月の組合の勝利について、アトレ・ホイエは次のように言う。

「他の組合にもSINTTIAの闘いの成功から学んでほしい。インダストリオールと地域の加盟組織は、同様のイニシアティブを支援する準備ができている。2023年5月までに合法化する必要のある現行労働協約が、まだ8万本以上ある」

« 前のニュース  次のニュース »