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第148号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年7月12日)

アルセロール・ミッタル南アフリカで労働裁判所の判決を受けてスト継続

2022-05-25

【JCM記事要約】

  • 事業の継続が必要なサービスだとしてスト禁止命令を発令したアルセロール・ミッタル南アフリカについて、労働裁判所がスト禁止令を却下し、アフリカ全国金属労組(NUMSA)は賃上げと現金給付を求めてストを再開した。法律上、必要不可欠なサービスの一部とみなされる場合はストの中止を認めているが、組合側は同社の行動を労働者分断策ではないかと主張する。
  • インダストリオール・サハラ以南地域事務所のポール所長は、利益を上げている多国籍企業は、労働者への還元が必要であるとし、賃上げを求めるNUMSAとの連帯を改めて強調した。

 

2022年5月25日:労働裁判所がアルセロール・ミッタル南アフリカでスト禁止命令を却下したあと、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は7%の賃上げと現金給付を求めてストを再開した。
                                                      

それ以前にアルセロール・ミッタル南アフリカは、コークスバッテリー、溶鉱炉など、いくつかの鉄鋼生産部門を運転している労働者に、それらが必要不可欠なサービスの一部であると主張して、スト参加を禁止しようとする緊急臨時命令を勝ち取った。

労働者側の主張は、必要不可欠なサービスかどうかの決定を求めてエッセンシャル・サービス委員会で審理されている。ストライキをすることは憲法上の権利だが、労使関係法は、一部のストについて、必要不可欠なサービスの一部とみなされる場合は中止を認めている。

NUMSAセディベング地域担当書記のカベロ・ラモクハタリは言う。

「私たちは法廷で、この問題に関する調査が終わっていないこと、裁判所はエッセンシャル・サービス委員会の未完了の調査に基づいてストを禁止しないことが確立されていることを主張した。アルセロール・ミッタルは日和見主義であり、目標はただスト権を弱めることだった。私たちは、これを労働者分断策と見ている。スト権は神聖な憲法上の権利であり、この権利に干渉してはならない」

3月24日、労働者はバンダービールパークのアルセロール・ミッタル工場に向かって行進し、経営陣に要求書を提出した。この要求書でNUMSAは、同社が国内で68億6000万ランド(4億3600万米ドル)の利益を上げ、全世界で好調な業績を上げていることに言及している。これは、同社が労働者一人一人に一律7%の賃上げと5000ランド(318米ドル)の現金を支払う余裕があることを意味する。同労組によると、労働者の賃金は2020年に5%、2021年にはわずか2%しか上がっていない。

同社の利益について、インダストリオール・グローバルユニオンに加盟しているNUMSAは、要求書で次のように述べている。

「この素晴らしい業績を達成できたのは、アルセロール・ミッタルの労働者が、同社が多額の利益を上げるように特別に努力したからにほかならない。労働者は生産を増やした。この会社がCOVID-19パンデミック下で生き残るだけでなく、成功を収めることもできたのは、彼らの血と汗のおかげだ!」

「私たちは、アルセロール・ミッタルでの賃上げ要求にあたってNUMSAと連帯している。多国籍企業が利益を上げているなら、労働者も利益を得なければならない。労働者がストで要求している賃上げは、高インフレに対抗し、最近輸送費と食品価格の引き上げに見られる生活費上昇の影響を和らげるのに役立つ」とインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所所長のポール・フランス・ヌデソミンは言う。

          

 

 

 

 

 

 

 

 

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