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第152号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年12月9日)

公正な未来のために団結して行動

2022-10-15

 

【JCM記事要約】

  • インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合による合同ウェビナーを開催し、不平等の拡大および生活費危機と闘うことを誓約した。ウェビナーでは参加者が経験を共有した他、ワーク・ライフ・バランスを促進する新しい労働時間制の重要性も指摘された。
  • インダストリオールは公正な未来に向けキャンペーンを実施しており、部門別団体交渉の実施や適正な賃金を共同要求として推進している。インダストリオール・松崎書記次長は、労働者はインフレ率とコロナ禍で払った犠牲、および価値創造の不可欠な部分を反映する賃金を必要としているとし、不平等と適正な賃金を中心的な話題にしなければならない、と述べた。

 

2022年10月15日:インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合はウェビナーで、労働組合の力の構築と組合組織率・交渉力の向上によって、不平等の拡大および生活費危機と闘うと誓約した。この秋、両組織は結集している。
                                                      

世界中で不平等が拡大しており、社会組織を分断する恐れがある。少数者がますます所得を増やし、世界の富に占める割合を高めている一方で、最貧困層の所得・所有割合はごく一部にすぎない。

多くの政府がこの大きな課題を認識していると述べているにもかかわらず、何とか流れを変えることができた政府は1つもない。不平等は今も至る所で悪化しており、それが理由でインダストリオールはキャンペーン「公正な未来のために団結――追加払いの時!」を開始、公正な未来のために必要な基礎的要素を強調している。

欧州全域の組合がインフレおよび生活費危機の拡大と闘うために賃上げを求めて結集し始めており、ヨーロッパの多くの組合が大幅な賃上げを強く要求している。この秋、多くの交渉が難航しそうな見通しで、国家・欧州・国際レベルの労働組合が行動に備えている。インダストリオール・ヨーロッパ労働組合の加盟組織は、「ともに行動。賃上げのために」というキャンペーンで力を合わせている。

「行動を起こさなければ、私たち組合は過去1世紀間に獲得した利益を失う危険がある。すべての場所の労働者は、インフレ率とCOVIDパンデミック下で払った犠牲を反映する賃上げを必要とし、価値創造の不可欠な部分を反映する賃金を必要としている。不平等と適正な賃金を中心的な話題にしなければならない」と松﨑寛インダストリオール書記次長は述べた。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のイザベル・バルト書記次長が次のように述べた。

「私たちの経済的未来は再び不透明になっているが、大多数の企業がまだ好調であることは間違いない。これは労働者がパンデミック下で懸命に働いた結果であり、労働者に報酬を払う必要がある。これは社会の安定に貢献し、景気回復に備える」

「しかし、賃金手段だけでは十分ではない。インフレの根本的原因であるエネルギー危機に関する行動と併せて、超過利潤に課税するための公的介入と、購買力と雇用を保護するための危機対策を行わなければならない」

ロナルド・ヤンセンTUAC上級政策アドバイザーが、不平等の悪化は民主主義への脅威だと強調した。急激なインフレは最低賃金の実質的な価値を侵食しており、エネルギー・食料価格高騰の影響が強まる中で、低賃金労働者にとって二重の打撃となっている。

ヤンセンによると、その答えは団体交渉・賃金形成システムの改善にある。そして、過去の経験を調べることが打開策である。一緒にこれを解決することができる。組合組織率は不平等との闘いに必要な力を得るための鍵である。

「組合は答えになることができる」とヤンセンは述べた。

「私たちが責任を持って行動するには、回復の公平な取り分を獲得する必要がある。私たちは賃金のバランスを取って低所得層の賃金を守り、団体交渉を促進して、危機が終わったときに交渉でより強い立場に立てるようにすることができる」

続く議論では、世界中の参加者が経験を共有した。適正な労働条件との関連で、ワーク・ライフ・バランスを促進する新しい労働時間制の重要性も指摘された。

キャンペーンを推進する共同要求は以下のとおり。

  • 部門別団体交渉
  • 適正な賃金(すべての労働者の賃上げ)
  • 企業・富裕層に対する公正な課税
  • 生活費危機の影響を受ける労働者への支援
  • 重要な不平等削減メカニズムとしての公正な移行
  • 労働者の基本的権利
  • デュー・ディリジェンス法

                                

 

 

 

 

 

 

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