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第154号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2023年1月13日)

労働組合、COP27の2週目の戦略を策定

2022-11-14

【JCM記事要約】

  • COP27の1週目の土曜日、労働組合は市民社会組織と共にデモに加わり、「労働組合は公正な移行を支持」等のスローガンのもと、気候の公平性のための世界行動デーを支持した。その翌日には労働組合戦略デーを開催し、気候交渉へ対しての戦略的アプローチを議論した。
  • また、参加者はグループセッションにて、『各国の公正な移行に関する協定・法律』『労働組合の気候行動および動員』『団体交渉における公正な移行』の3つのテーマについて議論を行った。インダストリオールからは、公正な移行へ向けた社会対話を利用し結社の自由を要求できる、団体交渉で公正な移行が取り上げられるべきだ、等と発言した。

 

2022年11月14日:COP27会場は今度の日曜日に閉鎖されるかもしれないが、シャルム・エル・シェイクに集まった組合は土曜日に会場内でデモをしたあと、「私たちの声を聞かせ」、公正な移行が交渉で希薄化されないようにするために戦略を練る。
                                                      

パリ協定の実施をめぐる交渉にあたって、公正な移行は重要である。この言葉を乗っ取られてはならず、公正な移行の目的は労働者の権利、良質な雇用、社会的対話でなければならない。

COP27の労働組合代表団は土曜日、市民社会組織とともに大規模なデモに加わり、「気候の公平性のための世界行動デー」を支持した。

この行進は、組合が公正な移行についての自分たちの見方を伝える機会だった。労働組合員は次のようなスローガンを掲げた。

「労働組合は公正な移行を支持」

「死んだ惑星に雇用はない」

「労働権なくして気候の公平性なし」

街頭での自由な抗議は許可されていないため、行進は会議場内で行われた。

日曜日には、ITUCとフリードリヒ・エーベルト財団が労働組合戦略デーを開催、世界中から約80人の労働組合COP代表が集まり、気候交渉、対政府ロビー活動、企業との労働協約への公正な移行の包含に対する戦略的アプローチを練り上げた。

代表たちはCOP27の折り返し地点で、交渉の現状についての最新情報を与えられた。昨年COP26でパリルールブックが仕上げられた。今年は実施に焦点を当てており、損失と損害、気候資金、国家計画における公正な移行の実施をめぐる重要な交渉がある。

参加者はグループに分かれてセッションを行い、公正な移行の3つの重要な要素に取り組んだ。

1. 各国の公正な移行に関する協定・法律:ボイトゥメロ・モレテ(COSATU)、アン=ベス・スクレード(LOノルウェー)

「公正な移行をめぐる政治的な勢いがある。ますます多くの国々が、公正な移行をUNFCCCの「国が決定する貢献(NDC)」に盛り込むようになっている。社会的対話と民主主義は公正な移行の必要条件であるため、これを利用して結社の自由を要求し、組合が組織化して国内レベルで自分たちの地位や交渉力を高める余地を設けることができる」とインダストリオール・グローバルユニオンのウォルトン・パントランドが述べた。

2. 労働組合の気候行動および動員:ババカール・シラ(CNT)、サッシャ・ディエルクス(ABVV)、アレックス・キャラハン(CLC)

「労働組合運動内部に多様な意見があるため、市民社会組織との協力は簡単ではない。協力分野を探さなければならない。あらゆる点で意見が一致することはないが、市民団体とやりとりする場を設ける必要がある。労働組合が、万人のための気候の公平性に向けた労働運動の強化を目指して基盤を築いたり、同盟を結成したりするために、どのように機能しているかについて教育しなければならない」とカナダ労働会議のアレックス・キャラハンが述べた。

3. 団体交渉における公正な移行:ジョン・マーク・ムワニカ(ITF)、ダイアナ・ジュンケラ(インダストリオール・グローバルユニオン)

「公正な移行と気候政策が地方・全国・世界・企業レベルの団体交渉で取り上げられるようにする必要がある。組合は、気候変動やエネルギー転換が原因で労働者が直面しているさまざまな課題で労働者を守るために、具体的な文言を盛り込まなければならない」とインダストリオール・グローバルユニオンのダイアナ・ジュンケラ・キュリエルが述べた。

公正な移行センターのサマンサ・スミスが、同センターの活動と新たに開始されたエネルギー部門に関する公正な移行イニシアティブを発表した。

「私たちは公正な移行に関して加盟組織と懸命に協力している。組合員は移行がすでに起こっていることを知っており、準備したいと考えている。私たちは、このプロセスを支援するためにここにいる。議論に加わるために闘っており、組合員のために公正な移行を勝ち取るつもりだ!」

戦略デーの最後に、ITUCアフリカのエリック・マンジが締めくくりの言葉を述べた。

「この交渉で引き続き努力しよう。来週は重要だ。良い結果を期待している」

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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