インダストリオール執行委員会、グローバルな課題に向けての戦略を策定
2022-11-17
【JCM記事要約】
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インダストリオールは11月15-16日にジュネーブで、COVID発生後初の対面による執行委員会を開催した。サプライチェーン、デュー・ディリジェンス、グローバルな連帯における組合の重要な役割が、興味をそそる議論の主題だった。
イェルク・ホフマン・インダストリオール/IGメタル会長が開会の挨拶に立ち、ブラジルのルーラの勝利はすべての人の勝利だと述べた。
「世界中でいくつかの危機に直面しており、組合としての私たちの強さは、国際レベルでどうやって力を強化できるかにかかっている。もっと多くの労働者を組織化する必要がある。その強さによって、私たちは労働者の利益を攻撃している資本への対抗勢力になる」
エジプトのCOP27は2週目に入っており、インダストリオールは現地で、全レベルの交渉において公正な移行基準を確保すべく尽力している。
「エジプトでは、国際労働機関パビリオンは公正な移行パビリオンと呼ばれており、私たちが注いだ労力、それを議題に盛り込むうえで収めた成功の証拠となっている」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。
「損失と損害に関する明確なロードマップと、富裕国・貧困国間でより公正なコスト配分を生み出す制度的な財政枠組みが必要だ」
イラクのハシュメヤ・アルサーダウィが今月開かれた女性委員会から報告し、ジェンダー・タスクフォースの設置、ジェンダー平等の促進、グローバル・サプライチェーンのデュー・ディリジェンスに重点を置いた。
グローバル枠組み協定(GFA)に関して、クリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長が作業部会での議論を発表した。インダストリオールは過去10年間に多数のGFAを締結し、GFA実施を監視・評価するための手段を開発してきた。
「GFA実施における最大の課題はサプライチェーンにある。私たちはGFAを理解し、使用者からの反発に対抗するために組合の力を構築するうえで、認識を高める必要がある」とクリスティン・オリビエは述べた。
戦争が続いているため、ウクライナでは約1800万人が人道援助を必要としている、とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が執行委員に語った
9カ月に及ぶ戦争でウクライナの人々が略奪や暴力、強姦の犠牲になり、ミサイルが再びキーウに降り注いでいることを受けて、ワレリー・マトフ・ウクライナ原子力・産業労組会長が、ロシア軍がウクライナ最大の原子力発電所に到達していることについて懸念を表明した。
ウクライナ自由労働組合総連盟のミハイロ・ボリネッツ議長が、同国のエネルギー・インフラが破壊されている状況を緊急事態と表現した。
イェルク・ホフマン・インダストリオール会長が全加盟組織に対し、戦争開始から9カ月、依然としてニーズが大きいため、ウクライナへの具体的な支援を続けるよう促した。
ベラルーシのインダストリオール加盟組織は最高裁判所によって解散させられた。執行委員会は、独立労働組合の解散を非難し、ベラルーシで投獄されている労働組合員全員の即時釈放を要求する決議を採択した。
韓国の組合は労働組合法を改正しようとしている。11月12日、ソウルの街頭に9万人の労働者が集まり、労働法を要求した。インダストリオール執行委員会は、韓国の国会にILO第87号条約および第98号条約実施法案の可決を求める決議を採択した。
労働権の侵害を含む人権侵害が増えており、強力な規制によってサプライチェーンにおける侵害に対処し、これを防止する必要がある。任意の行動規範やその他の一方的なアプローチはまったく信用できない。
執行委員会はサプライチェーンとデュー・ディリジェンスに関する労働組合戦略に検討を加え、ケマル・ウズカンが透明なサプライチェーンと労働組合の関与の必要を強調した。
「結社の自由、団体交渉、安全衛生を守るために、労働者・組合が全面的に関与する必要がある。デュー・ディリジェンスは、組合が主な目標、すなわち労働者の権利・利益の擁護と促進を達成するための重要な手段だ」
インダストリオールは来年6月、南アフリカで中間政策会議を開催する。この会議では2021年9月の第3回インダストリオール大会以降の達成状況と、労働者の権利を求める闘いを促進するための主要問題を調べる。執行委参加者はプログラム案をめぐって活発に議論した。
松﨑寛インダストリオール書記次長が、不平等と生活費危機との闘いに関するインダストリオールとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合の共同作業の一部として、加盟組織が9月と10月に実施した行動を発表した。フィリピン、バングラデシュからタンザニア、ペルーに至る国々の組合が、より良い未来を要求するために行動を起こした。
「すべての場所の労働者が生活費危機に直面しており、急激なインフレとエネルギー費の上昇に賃上げが追いついていないうえに、組合と労働者の権利が攻撃されている」と松﨑寛は述べた。
「1年を通して行動を拡大し、追加払いの時であることを主張し続けている」