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第190号インダストリオール・ウェブサイトニュース

いまなお、あまりにも多くの人々が危険な労働を拒否する権利を否定されている

2025-04-28

報復を恐れずに危険な労働を拒否する権利は、ILO 第 155 号条約に謳われている。しかし、鉱業や船舶解撤など、世界で最も危険な産業の一部では、この権利はまだ現実にはほど遠い。今年4月28日の「労働における安全と健康のための世界デー」に際して、インダストリオールは、労働者の安全と健康を使用者の手に委ねてはならないことを再確認する。労働者は、合同安全衛生委員会を通じて安全を確保し、危険な労働を拒否する権利を行使できるようにしなければならない。


インダストリオールの安全衛生グループは、重要な原材料や船舶解撤のように、 利益のために安全が犠牲にされることがあまりにも多い部門に焦点を当ててい る。これらの産業では、 労働者は毎日命を危険にさらしているが、安全について発言することは生計を 失うことになりかねない。

船舶解撤はしばしば世界で最も危険な仕事と呼ばれる。リスクは極めて高く、訓練が不足しているため、労働者は有毒物質にさらされ、鋼板の落下や死亡事故があまりにも頻繁に起きている。インダストリオールとその加盟組合による長期にわたるキャンペーンを経て、「船舶の安全かつ環境的に健全なリサイクルのための香港条約」が批准され、今年6月に発効する。

同条約の発効により、安全性の向上が期待される。しかし、深刻なギャップが残っている。インドは条約を国内法に移行するための国内法を提案している。同条約は労働者を保護することを意図しているにもかかわらず、危険な労働を拒否する権利に関する言及は法案に含まれていない。

「正しく実施されれば、香港条約は船舶解撤をより 安全な産業に変える力を持つ。しかし、私たちは、船舶解撤を行う国々の当局が使用者の権力に対抗する政治的意志と能力があるか懸念を持っている。組合は重要なパートナーとして認識される必要がある。条約はトップダウンのアプローチである。現場レベルで安全を確保するために、ボトムアップの労働者主導のアプローチと結合させる必要がある」

と、インダストリオールのウォルトン・パントランド造船解撤部門担当部長は言う。

鉱業、特にグリーン転換の原動力となる重要な原料鉱物の採掘でも同じことが当てはまる。コバルト、リチウム、ニッケルなどの需要は急増しているが事故や落盤事故、粉塵や化学物質への慢性的 な曝露も報告されている。公正な移行には、危険な労働を拒否する労働者の権利が含まれる。強力な保護がなければ、その人的損失は壊滅的なものになる危険がある。

インダストリオールの鉱山・労働安全衛生担当部長のグレン・ムプファネは言う:

「危険な労働を拒否する権利は特権ではなく、ILOが認め、国際法に裏付けされた中核的な権利である。インダストリオールとして、私たちはリスク評価と労働安全衛生に対する権利に基づく人間中心のアプローチに焦点を当て、より良い明日のために闘い続ける。」

4月28日は国際労働者追悼日としても知られている。私たちは死者を偲び、生者のために闘い、より安全な職場を求めて闘うことを決意する。今年はまた、新たな脅威に立ち向かうことを意味する。インダストリオールは、デジタル化と人工知能(AI)の時代における労働者の生活と権利を守るための緊急行動を求めるITUCの呼びかけを支持している。

人工知能(AI)の職場への導入が進む中、AIは必ずしも労働者を支援するためではなく、労働者を監視・管理し、搾取するためにさえ使用されている。AIはデータによって作動するかもしれないが、その影響は人間的なものであり、既存の権力不均衡を深める危険性がある。AIの時代に労働者の権利を守ることは、透明性と説明責任を確保し、効率の名の下に安全と尊厳が犠牲にならないようにすることである。

ITUCは以下を求めている

  • 職場AIの設計・導入に組合が全面的に関与すること。
  • 権利と安全を守る透明で人間中心のテクノロジー
  • デジタル経済におけるすべての労働者を保護するための、拘束力のあるプラットフォーム労働に関するILO条約

「人工知能は遠い未来の話ではなく、すでに現在を形成している。問題は、人工知能が自分たちの未来をどのように形成するかについて、労働者が発言権を持つかどうかである。

と、インダストリオール・グローバルユニオンの松﨑寛書記次長は言う。

【原文記事URL】
The right to refuse unsafe work is still denied to too many | IndustriALL

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