広報ニュース

第198号インダストリオール・ウェブサイトニュース

バングラデシュの船舶解撤場は今なお危険地帯

2025-09-15

今年これまでに香港条約が発効したにもかかわらず、バングラデシュの船舶解撤場では重大事故が続いており、現場で真の変化が見られないという緊急性の高い課題をもたらしている。


9月第1週だけで、チッタゴンから2件の大事故が報告された。9月3日にチッタゴン・スチールの解撤場で、1人の労働者が頭部に重傷を負い、チッタゴン医科大学病院で3日間にわたって集中治療を受けた。数日後の9月7日には、ジャムナ解撤場で別の労働者が金属切断中に重傷を負った。8月初めにも、キング・スチールの解撤場で大爆発が起き、2人の労働者が重度の火傷を負っている。

これらの度重なる事故は、香港条約の約束が現場で果たされるようにする差し迫った必要性を強調している。香港条約は2023年にバングラデシュによって批准され、2025年6月に発効した。この条約は解撤場の安全向上に向けた重要な第一歩を示しているが、バングラデシュの船舶解撤は、怠慢や低い規則実施率、使用者責任の欠如が原因で労働者の生活に害をもたらし続けている。

インダストリオール南アジア地域事務所のアシュトシュ・バッタチャリア所長はこう述べた。

「この産業は形式的な遵守にとどまらず、船舶解撤場が本当に安全な作業場になるようにしなければならない。使用者の真摯な取り組み、効果的な政府の検査、強力な労働者の参加なしでは、歴史的な香港条約批准にもかかわらず、バングラデシュの船舶解撤産業は今後も世界有数の死亡事故多発産業のままだ」

インダストリオールは9月10日にチッタゴンで加盟組合、政府代表、使用者団体との円卓会議を開催し、船舶解撤産業の統治、特にバングラデシュ・シップリサイクル委員会の機能に、労働組合を参加させるべき差し迫った必要があると繰り返した。この会合は、包括的な労働者データベースの作成、情報にアクセスする権利、労働組合権の承認を要求した。加盟組織は、チッタゴンに労働組合登録事務所を開設するために、設立グループへの組合登録とプロセス合理化を支持し続けている。

ウォルトン・パントランド・インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は次のように述べた。

「船舶解撤の安全上の危機に早急に取り組む必要がある。使用済み船舶の安全な送り先としてのバングラデシュの評判は危険にさらされており、状況が改善しなければ、この産業は競争相手国に負けることになる。状況を改善する最善の方法は、合同安全衛生委員会を通して労働者を関わらせることだ」

インダストリオールは、既製服部門と同様に、バングラデシュの船舶解撤労働者の社会保障と業務災害給付に関するパイロットプログラム開始に向けて、ILOおよびGIZとの協議を進めている。使用者団体もこの取り組みへの支持を表明し、政府に本格展開の促進を強く促した。

【原文記事URL】
Bangladesh’s shipbreaking yards remain danger zones | IndustriALL

« 前のニュース