政治的混乱が続く中で労働者の権利を擁護
2025-09-26
アジア太平洋地域の労働組合は、政治的混乱が深まり、地政学的紛争が拡大し、右派政治が台頭する中で、人権および労働者の権利を擁護するために統一行動を呼びかけている。
金子晃浩インダストリオール・グローバルユニオン副会長は、9月22日にジャカルタで開かれたインダストリオール・アジア太平洋執行委員会で開会の辞を述べ、この地域で人権侵害と民主主義の原則の浸食が広く見られることを強調した。
金子副会長は、ミャンマーで軍事独裁政権が続き、バングラデシュとフィリピン、韓国で労働者・民主主義が攻撃され、日本では最近の選挙で右派勢力が勝利を収めたことを指摘した。
「右派ポピュリストが勢いづいており、労働者・組合にとって今後の深刻な懸念事項となっている。私たちは労働組合として、社会の安定と労働者の生活を守るために重要な役割を果たさなければならない。国境を越えて組合の力の構築と労働者の組織化を続け、人工知能、グローバル・サプライチェーンの人権侵害、気候変動、公正な移行といった新たな問題に取り組まなければならない」と金子副会長は述べた。
ここ数カ月の間に、地域の組合は先例のない規模で結集している。インドでは、2億5000万人の労働者が退行的な労働法と契約労働化に反対するゼネストに参加した。バングラデシュでは、インダストリオールとグローバル・ユニオン・フェデレーションが、労働者の権利を向上させるためにILOロードマップの下に結集した。
韓国では、組合が反組合的な政策に抗議し続けた結果、労働組合・労使関係調整法(TULRAA)が修正された。この改革は、下請労働者が元請使用者と交団体交渉を行えるようにし、ストに起因する損害の賠償を請求する使用者の能力を制限している。
労働安全衛生は依然として緊急の懸案事項である。パキスタンでは2025年前半に、およそ100人の労働者が炭鉱事故で死亡した。インダストリオールとオーストラリア鉱業・エネルギー労組(MEU)は、鉱山の安全向上への要求を支援し、パキスタンによるILO第176号条約批准を求めて運動している。
2025年6月の香港条約発効後、南アジアで政労使円卓会合が何度か開催されている。バングラデシュでは、いくつかの解撤場が技術的改良を加えているが、多くの現場はまだ紙の上でしか遵守していない。パキスタンでは、相変わらず条約の範囲外で船舶解撤が行われており、労働者が無防備な状態に置かれている。東南アジアの組合も2025〜2026年安全衛生ロードマップを作成、熱ストレスに焦点を合わせ、化学物質に関するILO第170号条約の批准を求めて働きかけ、労働安全衛生委員会のマッピングを実施した。
ジャカルタ会合の参加者は、シドニーでの来るインダストリオール大会に向けて変革的アジェンダも取り上げた。女性参画目標が達成される予定であり、グローバル青年委員会――および任意の地域青年委員会――の設置決議に検討を加える。
第4回大会まであと6週間となり、地域執行委員会は、大会の成功を確保するためにオーストラリアの組合への支援を誓約した。主要なテーマは、世界的不平等、不安定雇用、労働安全衛生、グローバルな労使関係、人権デュー・ディリジェンス、資本の説明責任、公正な移行、持続可能な産業政策などである。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。
「あとわずか1カ月余りで開かれるシドニー大会は、インダストリオールにとって決定的な瞬間だ。成功させるためにオーストラリアの加盟組織と熱心に協力しよう。一緒に大会を盛り上げてほしい。大会で団結して明確なードマップを策定し、公正な未来を求めてともに闘わなければならない」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/defending-workers-rights-in-a-time-of-political-turmoil