リチウムのもう1つの側面――バッテリーサプライチェーンにおける組合の強化
2025-10-09

リチウムが世界的なエネルギー問題で中心的役割を果たしていることを踏まえて、チリのアントファガスタでリチウム部門の組合を強化する方法に関するセミナーが開催された。9月30日と10月1日に実施され、チリとアルゼンチンの鉱山労組指導者が出席。この行事は、リチウム部門で絶えず労働権が侵害されていることを考慮して、バッテリーサプライチェーンで加盟組織を支援するためのインダストリオールの戦略の一環として行われた。
このセミナーは、フリードリヒ・エーベルト財団(FES)チリの支援を受けてインダストリオール・グローバルユニオンが企画し、アルゼンチンAOMA、Industrial Chile Constramet、チリのその他4組合の代表が参加した。
リチウムは電気自動車や電子装置、エネルギー貯蔵システムに利用される充電式バッテリーの製造に不可欠な鉱物で、ラテンアメリカはグローバル・サプライチェーンの主要な一部となっている。
しかし、労働権、規制、社会的公正に関して言えば、この部門の成長は緊急の課題をもたらしている。
セミナーで、FESチリのプロジェクト・マネージャーを務めるアルレット・ゲイは次のように述べた。
「FESは、グローバル・サプライチェーンにおける労働権と環境基準の促進に重要な役割を果たしている。デュー・ディリジェンス基準は、世界中の組合が権利の尊重を要求できるようにするのに役立つ。私たちは喜んで、これらの新しい手段の可能性を活用する鉱山労組の能力構築に貢献する」
アルゼンチンとチリのリチウム部門現地調査の結果も発表された。この調査はFESの支援を受けて実施され、この部門の権力動態のいくつかを確認した。調査の狙いは、部門横断的な組合協力を強化し、組合に権利を与え、人権デュー・ディリジェンス手段を利用して多国籍企業に責任を負わせることだった。
2日間の議論の結果、チリの組合は、この部門における分裂と組合の力不足をどう克服するかのビジョンを構築するために、一丸となって取り組むことに合意した。アルゼンチンの組合指導者は、労働権・組合権を強化するとともに、付加価値増大と多様化の促進戦略を策定するために、取ることができそうな行動を概説した。参加者は、両国が一致協力して連携強化を確保することの重要性も強調した。
インダストリオールのラテンアメリカ・カリブ海地域事務所のローラ・カーター副所長が、次のように議論をまとめた。
「リチウム部門では非常に多くの労働権侵害が発生している。サプライチェーン戦略は、この重要鉱物を採掘する労働者の権利尊重を改善する大きな機会を提供する」
【原文記事URL】
The other side of lithium: strengthening unions in the battery supply chain | IndustriALL
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