広報ニュース

第203号インダストリオール・ウェブサイトニュース

若手労働組合員がグローバルな青年の力を構築するために団結

2025-11-04

11月3日のインダストリオール・グローバルユニオン青年大会に世界中から代議員が参加し、団結して青年の力を要求した。60人を超える若い労働組合員が集まり、仕事の世界で直面している課題について討議、グローバルな労働運動における若者参画拡大を強く要求した。


青年大会は、若い労働組合員が直面しているさまざまな障害を強調した。彼らの生活は多くの場合、仕事と家族的責任、金銭的な苦労に支配されている。若い女性労働組合員は、特に男性優位の産業で、若者参画をはっきりと主張すると汚名を着せられたり、不安にさらされたりすることが多い。

グローバル青年委員会と任意の地域青年委員会を設置するための規約修正案は構造変化をもたらし、若手組合員が悪循環を断ち切って自分たちが求める変革を達成できるようにする、と若い代議員たちは述べた。

グローバル特別青年作業部会メンバーでSEA2PAC共同議長のジョナサン・クックが次のように述べた。

「世界は30年前とは異なる。労働組合は、私たちが生きている新しい世界の構造を理解しなければならない。より多くの若年労働者を組織化し、組合が生み出したものを守らなければならない。この規約修正を通して、青年は自分たちが求める変化をもたらし、自分たちが求める変化を支持することもできるようになる――私たちは闘わなければならず、勝利を収める!」

参加者は、より多くの若年労働者を組合に組織化するための戦略について議論し、優良事例を共有した。例えば、学生への接触、博物館見学や植樹活動の企画、モバイルアプリの利用による若年労働者への経済的インセンティブ提供、青年と関係を持つための研究グループ設置などである。

ほとんどの代議員が、若年労働者の組織化に関する体系的教育を極めて重要と考えていた。

代議員たちは、各地域のニーズに応じたモジュールに基づく組織化アカデミーの創設を求めた。何人かの代議員が、地域社会を構築して組織化努力への地域社会の支持を得るうえで、労働組合は極めて重要な役割を果たすと強調した。

クリスティアーネ・ベナーIGメタル会長/インダストリオール副会長が、自身もドイツの青年機構と若者の権利拡大の産物だと述べた。IGメタルは国家・地域・企業レベルで青年機構の強化に専心している。

「青年活動と、青年機構や青年組織化の十分な財源に対して、組合役員に責任を負わせなければならない」

クリスティアーネ・ベナーは、元IGメタル全国青年委員会議長としての経験に基づき、青年機構が効果的に機能するには十分な財源と青年活動専門の組合役員が必要だと付け加えた。

マリー・ニルソン・インダストリオール/IFメタル会長が次のように述べた。

「若い方々、皆さんは未来ではなく現在だ。皆さんは変化する仕事の世界の影響を受けており、持続可能な職場とはどのようなものかについての対応を形作らなければならない。国境を越えた労働者の組織化は労働組合の世界的な闘いだ。労働運動に新たなエネルギーを与えるので、若年労働者も組織化しなければならない。国際連帯は絶対に重要だ。変化を信じてほしい――世界は若い労働組合員を必要としている。組合運動に参加し、それを中心に未来の構築に着手してほしい」

【原文記事URL】
Young unionists unite to build global youth power | IndustriALL

 

力強い開幕――文化と連帯、希望の中、シドニーで第4回インダストリオール大会がスタート

2025-11-05

インダストリオールは、オーストラリアとニュージーランドの偉大な加盟組織の主催により、団結と強さ、深い文化的な結び付きの精神を尊重して、シドニーで4年ぶりに第4回大会を開いた。


世界中から集まった代議員が期待と誇りに包まれて会場を埋める中、大会の冒頭にウェルカム・トゥー・カントリーが行われ、昔から大会開催地を所有してきたエオラ・ネーションのガディガル族を称えた。開会式では、過去と現在の長老たちに敬意を表したあと、アボリジニによる素晴らしい伝統的な歌と踊り、ディジェリドゥーが披露された。

ディジェリドゥーの深い響きとダンサーの力強い動きで、会場に感動が広がった。演技者たちは、この楽器の仕組みと、それが生み出すさまざまな音色、この土地の鼓動のようにホールに響き渡る音について語った。

歓迎に続いて、アオテアロア/ニュージーランドのマオリ文化が紹介され、敬意と勇気、連帯の価値観を体現する感動的なカイガランガ、ミヒ、ワイアタ、ハカが次々に演じられた。これらの演技は一体となって、私たちの運動が歴史と闘争、人間性の共通の基盤に立っていることを参加者全員に思い出させた。

大会Tシャツで物語を表現

すべての大会代議員が大会Tシャツを着用し、まさしく文字どおり、その結びつき(connection)を広げた。

クイーンズランドの炭鉱労働者でアーティストのクリス・ドッドが「Connection」という作品を制作し、その絵を描いたシャツが代議員全員に配られた。クリスはWulli Wulli Wakka Wakka族の出身で、彼のアートワークは父親と祖父母から引き継がれた内容豊かな物語を伝えている。重要なことには、この作品は彼と制作を手伝った娘との絆も表している

すべての大会参加者への贈り物である「Connection」は、世代間、地域社会間、文化間の関連を象徴している。クリスは、そのアートワークを身につけたり見たりする人たちが、「ストーリーラインを目にし、シンボルや場所の意味を理解し、誇りとアボリジニ文化へのより深い理解を持って会場をあとにすることができる」ことを願っている。

行動を喚起する言葉

マリー・ニルソン・インダストリオール/IFメタル会長が大会の開会を宣言し、今後数日間の基調を打ち出した。

「私たちは急激な変化の時代に生きている。新たな技術が登場し、民主的権利が疑問視され、独裁的勢力が自由に対して異議を唱え、気候変動が脅威をもたらしている。だが、大会ホールを見渡すと希望を感じる。これらの課題に立ち向かう共同の力があり、パワーと連帯がある。世界の労働組合運動が不公正の容認を拒否していることが分かる。私たちは、より持続可能な未来を構築する決意を固めており、それは大会スローガン『組織化で公正な未来を』に反映されている。

この大会を連帯と平等、勇気を祝福する場にしよう!」

オーストラリア労働組合協議会のミシェル・オニール会長が登壇すると、会場の一体感が高まった。

「組織化された資本への対応は1つしかなく、それは組織労働者であるということが分かっている。今までにもまして、国際連帯が不可欠になっている。団結して決然と行動すれば、誰も置き去りにしなければ、組織労働者の力が示される」

トニー・マーハー鉱業・エネルギー労組会長がホスト組合を代表して、オーストラリアの労働運動から歓迎と誇りを伝えた。

「鉱業・エネルギー労組ならびにオーストラリアとニュージーランドのすべてのホスト組合を代表して、第4回インダストリオール世界大会にご挨拶と歓迎の意をお伝えする。当組合は、創設以降インダストリオールに、それ以前は鉱山労組の世界的総連合ICEMに積極的に関わってきた。大手グローバル企業はオーストラリアの鉱業で采配を振るっており、世界中の労働者と協力し合い抵抗することが、何であれ企業が私たちに投げつける課題に立ち向かう最善の方法であることは以前から分かっていた」

彼は代議員に、オーストラリアの繁栄と民主主義が孤立ではなく連帯の上に成り立っていることを思い出させた。

「組合員は国際的に貢献することを誇りとしており、厳しい状況下で働いている鉱山労働者の安全性を向上させるために、グローバルサウスの鉱山労組を支援している。基準を上げて命を救う活動は国境で止まるものではない」

メイハーは最後に、代議員をシドニーに温かく歓迎し、この都市の美しさを楽しむとともに、強力で活動的なオーストラリアの組合運動、誇りを持ってすべての場所の労働者を支持している運動からインスピレーションを受けるよう勧めた。

首相が労働者を擁護

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が到着し、よそよそしい高官としてではなく仲間の1人として、温かく熱烈に迎えられた。首相は誠意と信念を持って、労働運動の友人として代議員に語りかけた。

「前進する中で誰も置き去りにしないことが極めて重要だ。公正と良好な労働条件、適正な賃金は、労働市場を弱体化させるものではないということが分かっている。成長と公正が一緒になればさらに強くなる。私たちの目的は不変であり、したがって連帯は本当に永遠に続く」

過去から続く力を未来に

金子晃浩副会長・地域共同議長が、アジア太平洋地域における労働者の歩みを振り返った。

「この地域の労働者は、自分たちの意見を主張するために団結しなければならなかった。そして、肩を並べて立ち続けている。この大会が私たちを結び付ける壊せない絆になることを願っている」

開会式では、「足かせを外されて」展示会を通して労働運動のルーツを回顧する感動的な催しもあった。トニー・ムーア教授が代議員に、オーストラリア初の炭鉱労働者である囚人たちが、困難にもかかわらず、ストや就労拒否、抵抗活動によって反撃した物語を聞かせた。

この展示会は、自由のない労働者としてオーストラリアに連れてこられたこれらの囚人労働者16万人が、集団行動と連帯の基礎を築いた経緯をたどっている。彼らの闘いは労働運動の物語であり、すべての場所の労働者が尊厳と公正を求めて闘っている中で、会場に力強く響き渡った。

帰属意識と連帯に包まれて大会が開幕

第4回インダストリオール大会の開会式は単なる式典ではなく、私たちを結びつけているものを生き生きと表現する行事でもあった。ディジェリドゥーからハカまで、組合指導者の声から先達である労働者の歴史まで、私たちの本質、私たちが支持するものを祝福する活動だった。

これから3日間、この勇気と文化、集団の力を基礎に、代議員たちはインダストリオールの未来を方向付け、誰も置き去りにされない公正な未来を目指して組織化していく。

【原文記事URL】
A powerful opening: culture, solidarity and hope mark the start of IndustriALL’s 4th Congress in Sydney | IndustriALL

 

第4回インダストリオール大会――組織化で公正な未来を

2025-11-12

民主主義、平和、ディーセント・ワークが世界中で脅威にさらされている今、シドニーの第4回インダストリオール大会に世界の労働組合運動が結集し、その使命を再確認した――すべての場所で労働者を組織化し、権利を擁護し、万人のために持続可能で公正な未来を築くことである。


100カ国近い国々から集まった1000人を超える代議員が3日間にわたり、組合を強化し、不平等と闘い、グローバル資本に責任を負わせ、未来の産業移行が1人の労働者も置き去りにしないようにするための戦略をめぐって討議した。インダストリオール加盟組織は大会テーマ「組織化で公正な未来を」を指針として、連帯を力に、力を変化に変えようという集団的決意を新たにした。

マリー・ニルソン・インダストリオール/IFメタル会長が大会の開会を宣言し、技術変化、独裁政治、気候非常事態によって仕事の世界の形が変わりつつあることを認めた。けれども答えは連帯にある、と彼女は述べた。

「私たちは急激な変化の時代に生きている……だが、大会ホールを見渡すと希望を感じる。これらの課題に立ち向かう共同の力がある。私たちは、より持続可能な未来を構築する決意を固めており、それは私たちのスローガン『組織化で公正な未来を』に反映されている」

オーストラリアの組合指導者たちも、そのメッセージを繰り返した。オーストラリア労働組合協議会のミシェル・オニール議長が代議員に「組織化された資本への対応は1つしかなく、それは組織労働者」であることを思い出させた。鉱業・エネルギー労組のトニー・マーハー会長が、ホスト組合を代表して参加者を歓迎し、オーストラリアの民主主義と繁栄は「孤立ではなく連帯の上に成り立っている」と強調した。

労働運動の生涯の同盟者であるアンソニー・アルバニージー・オーストラリア首相が、オーストラリアの価値観を公正のための世界的な闘いに関連付けた。

「前進していく中で、誰も置き去りにしないことが極めて重要だ」とアルバニージーは述べた。「公正と良好な労働条件、適正な賃金は、労働市場を弱体化させるものではないということが分かっている――成長と公正が一緒になればさらに強くなる。私たちの目的は不変であり、したがって連帯は本当に永遠に続く」

組合の力の構築

全体会議とアクション・プランをめぐる討議で、代議員は何度も1つの中心原則に立ち戻った。すなわち、強力かつ民主的・包括的な組合だけが労働者のために公正を勝ち取ることができる、ということである。

アトレ・ホイエ書記長が、大会への書記局報告を発表した。

「2021年に採択されたアクション・プランと4つの戦略目標に導かれて、書記局は、その活動を実施しながら、民主主義と基本的権利に対する攻撃の強まりと、平和と社会的公正の擁護における組合の極めて重要な役割に、ますます注意するようになっている。」

「私たちの焦点は、労働組合を強化すること、労働協約を取り決め、基本組合権の侵害を是正し、労働者のためにより良く、より持続可能な生活を確保する組合の能力を強化することにある」

要点は以下のとおり。

  • カンボジアでサプライチェーンに支援された法的拘束力のある労働協約が締結され、これによって全国で数万人の労働者の賃金・労働条件が改善する。
  • 船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港条約が発効し、すでに安全と環境保護に劇的な影響を与えている。
  • インドネシアの組合は、労働者の利益に反するオムニバス法と闘い、勝利を収めた。
  • 能力強化が変化をもたらし、52の青年機構と53の女性機構が新設され、少なくとも37万2383人の新規労働組合員が勧誘され、6万944人の労働組合員が能力強化行事に参加した。
  • インダストリオールの行事で女性参画拡大に成功している。女性代議員の割合は、2016年リオの28%に対して、ここシドニーでは43%である。

その後の討議で、パレスチナ、ミャンマーおよびウクライナの代議員がインダストリオールと加盟組織による連帯支援に感謝した。トルコからタイ、ブラジルから南アフリカに至る労働組合員が大会で演説し、労働者の権利と公正で持続可能な世界を求めて果敢に闘っていることについて語った。

アクション・プランをめぐる討議

不平等は現代を特徴付ける課題である。インダストリオールのアクション・プランは、より強力な労働組合と労働協約だけが、この物語を変えられることを明確にしている。ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が次のように警告した。

パネリストたちは、各自の地域で不平等が――賃金停滞、不安定雇用、差別、危険な条件によって――どのように展開し、組合がどのように抵抗しているか説明した。ケニア、ブラジル、アメリカ、イラク、インドネシア、インドの発言者が、ジェンダーや人種、雇用形態を超えた組織化の例を共有した。

USW北米のマリア・ソンマが次のように述べた。

「研究の結果、企業・サプライチェーン全体で組織化して交渉すれば、最低賃金が上がり、契約労働者が同一賃金を獲得し、安全性が強化されることが分かっている。強力な組合は民主主義の実践だ。しかし、組合は個人を向上させるだけでなく、社会全体を向上させる」

アトレ・ホイエ書記長が、アクション・プランに関する2番目のセッション「組合の力の構築」で発言し、代議員に組織化の重要性を再認識させた。

「労働組合の力の構築は単なる戦略ではなく、私たちが生き残ることそのものだ。すべての職場で、すべての労働者を組織化することによってのみ、労働者が資本家階級よりも強い態度を取る未来を形成することができる」

世界中から集まった代議員が、その力の構築方法を示す経験を共有した――インドネシアにおける組合員・指導者の強化、ペルーにおける若い世代の権利拡大、ガーナにおけるホワイトカラー労働者の関与、インドにおける労働者の尊厳の擁護、モロッコにおける真の利益を提供する新協定の取り決めなどである。彼らの話は全体として、すべての部門に組合加入と団結、連帯を広げるという共通のコミットメントを反映していた。

インドSMEFIのサンジャイ・バダブカールが述べた。

「この部門で組合の力を構築することは簡単ではない――それは勇気と忍耐、洞察力を必要とする闘いだ。組織化は数字だけの話ではなく、労働者を支援し、彼らの尊厳を守り、彼らの権利が産業全体で尊重されるようにすることだ」

アクション・プランの3本目の柱は、増大する多国籍企業の力への対抗である。クリスティン・オリビエ書記次長が、グローバル資本に責任を負わせることの意味を次のように説明した。

「責任を要求し、企業が利益よりも人を優先させるよう主張することだ」

アルゼンチン、イタリア、チュニジア、南アフリカ、アメリカ、カンボジアの組合指導者たちが、グローバル・サプライチェーンで適正賃金や安全、尊重を勝ち取るための闘いと成功例を説明した。米国メルセデス・ベンツの組合つぶし反対キャンペーンから、カンボジアの衣料部門における拘束力のある協定の実施まで、代議員は、資本側と同じ世界規模で力を組織しなければならないということを明確にした。

カンボジアCCAWDUのアシット・コンが次のように述べた。

「私たちにはブランドを交渉のテーブルに着かせる力がある。現場レベルから、サプライチェーンから組織化しているので、グローバル企業や世界的ブランドに圧力をかけることができる。世界的ブランドと拘束力のある協定を締結すれば、それを国家・工場レベルに移すことができる。これは現場の労働者に成果をもたらす。この力を利用して、人々のために利益を広げることができる」

労働者主導の公正な移行

気候変動、オートメーション、再生可能エネルギーへのシフトは、産業を変えている。大会代議員は、労働者はこれらの変化に苦しめられるのではなく、変化を形作っていかなければならないことに合意した。松﨑寛書記次長が、強力な組織化された労働運動だけが、雇用と地域社会、尊厳を守る公正な移行を確保できると述べた。

オーストラリア、ドイツ、南アフリカ、シンガポール、モロッコ、コロンビアから参加したパネリストが、進行中の真の移行から学んだ教訓を共有した。すなわち、早く始めること、労働者と地域社会を守ること、新しい技能に備えて訓練すること、エネルギーの公的支配を維持することである。

続いて、4つのアクション・プラン関連セッションのそれぞれで活発な討議が行われ、代議員は平等、民主主義および平和に対するインダストリオールのコミットメントを再確認し、各自の国や産業部門の問題について議論するとともに、勝利と闘争を共有し、グローバルな連帯を紹介した。

大会は、いくつかの決議を採択した。

  • 貿易に関する決議――国際貿易は労働者の役に立たなければならない。私たちは組合によって保護された持続可能かつ公正な雇用を擁護する。
  • フェミニスト決議――フェミニズムは、あらゆる形態の抑圧や差別を撤廃し、民主的組合を構築するための手段である。
  • 世界平和保護決議――すべての国家、機関、NGOおよび人民が一致協力し、万人のために公正と人権が達成される恒久平和の世界を構築することを要求。
  • スト中の警備員が貧困賃金と社会的保護の欠如に抗議していた際に暴行・逮捕された、リベリアのSEGAL労働者に対する残忍な攻撃を非難する緊急決議。

大会は、クリスティアーネ・ベナーIGメタル会長をインダストリオールの新会長に選出した。アトレ・ホイエが書記長に再選され、3人の書記次長、クリスティーナ・オリビエとケマル・ウズカン、松﨑寛も再選された。大会は、副会長――金子晃浩(アジア太平洋)、ミシェル・マイコン・バスコンセロス・ダ・シルバ(ラテンアメリカ・カリブ海)、ハビブ・ハザミ(中東・北部アフリカ)、ロクサーヌ・ブラウン(北米)、ローズ・オマモ(サハラ以南アフリカ)、マリー・ニルソン(ヨーロッパ)――ならびに次期大会期間の執行委員会メンバーも選出した。

大会の閉幕にあたり、新たに選出されたクリスティアーネ・ベナー会長が、この行事を実行した代議員のエネルギーと勇気に感謝した。

「私たちの中には、自分の自由を、場合によっては命さえ危険にさらしながら、労働者を組織化している人もいる。私たちは肩を並べて闘うことを約束する。私たちの共通のビジョンは、すべての人に雇用保障、所得保障、社会保障、結社と言論の自由がある世界だ」

【原文記事URL】
IndustriALL 4th Congress: Organizing for a Just Future | IndustriALL

 

労働者が先頭に立って公正な移行を推進

2025-11-13

第4回インダストリオール大会の公正な移行サイドイベントで、産業が大きな転換に見舞われている中、組合はどうすれば労働者のために公正で持続可能な未来を形成できるかをめぐる議論が始まった。


ロクサーヌ・ブラウン・インダストリオール副会長/全米鉄鋼労組(USW)国際副会長がセッションの口火を切り、移行の形成において積極的な役割を担うよう労働者に呼びかけた。

彼女は代議員に、公正な移行は失業にではなく、仕事の未来の確保に関係があることを再認識させた。

「公正な移行は、雇用の『派手な葬儀』ではない――すべての労働者のために確実で持続可能な未来を構築することだ」

ダイアナ・ジュンケラ・キュリエル・エネルギー/公正な移行担当部長が、「公正な移行構築の4年間」というテーマで前回の大会以降のインダストリオールの業績を見直した。

彼女はグローバル枠組み協定とジェンダーに対応した移行戦略に関する進展を強調し、次の段階のために結束・団結を保つよう組合に促した。

松﨑寛インダストリオール書記次長が、新技術、気候変動、産業の境界の変化を受けて連帯と対話の強化が必要だと述べた。

「よく組織された断固たる大規模な労働組合運動だけが、誰も置き去りにしない公正な移行を確保することができる」と書記次長は述べた。

地域の視点

各地域事務所の所長が世界中から最新情報を発表し、地域で組合が移行の課題と機会にどのように取り組んでいるか紹介した。

ラテンアメリカ地域事務所のマリノ・バニ所長は、ディーセント・ワークと持続可能な産業に関する提案を策定するために、鉱業、エネルギー、モビリティー、繊維および食品部門の組合を団結させようと努力していることを説明した。

サハラ以南アフリカのポール・ヌデソミンは、労働者はすでに深刻な影響に直面していると警告し、雇用を創出して社会的対話を支援する産業転換の必要性を強調した。

世界中から集まった代議員たちが次のような見識や要求を示した。

  • フィリピンの代表は、労働省とエネルギー省、環境省の協力強化を要求した。
  • ブラジルとメキシコからの参加者は、技能開発と研究、産業政策の重要性を強調した。
  • 南アフリカの発言者は、発展途上国の公正な移行プロジェクトの資金供給について懸念を提起した。
  • コロンビアSINTRAELECOLのウィルソン・ロペスは、労働者の訓練への大規模な投資とエネルギーシステムの公的支配への復帰を求めた。

「エネルギーは再び人の役に立たなければならない。公正な移行はクリーンエネルギーを意味するが、公的・民主的管理をも意味しなければならない」と彼は述べた。

上記の介入に加えて、多くの組合員――特にエネルギー・鉱業部門――が、失業と不平等拡大についての懸念を深めていることは明白だった。公正な移行を有意義なものとするには、青年機構の設置、平等な教育の機会、包括的な再訓練機会など、具体的な措置によって対応しなければならない、と彼らは力説した。代議員たちは、STEMに重点を置いた女性のアップスキリング、グローバルサウスにおける訓練・教育支援の拡大、労働者の意見が移行を方向付けるようにする政府・多国籍企業の関与も要求した。

将来を見据える

ロクサーヌ・ブラウンが締めくくりの言葉で、移行が労働者に利益をもたらすようにするために、政労使間の戦略および協力が必要だと強調した。

「私たちは派手な葬儀の準備をしているのではなく、未来を巧妙に作り上げているところだ」と彼女は述べた。

「目的は、私たちが求める未来を形作り、誰も置き去りにされないようにすることだ」

セッションの最後に、すべての部門の公正かつ包括的な移行に向けて、引き続き組合主導の戦略を構築していくという共通のコミットメントを確認した。

【原文記事URL】
Workers lead the charge for a Just Transition | IndustriALL

 

マレーシアの組合、広がる組合つぶしに対する行政措置を要求

2025-11-17

11月13日、マレーシアのインダストリオール加盟組織の組合員約100人が議会前で行進し、幅広い組合つぶしへの関与で非難されている使用者に対して断固たる措置を取るよう政府に強く促した。


NUTEAIWとPPPMEU、EIEU連合、NUTGFLPから集まったデモ参加者は、人的資源大臣秘書のケビン・イーならびに2人の議員に覚書を提出した。この覚書は、XSDインターナショナル・ペーパー、フレクストロニクス・マレーシア、ハイコム、テキサス・インスツルメンツ・マレーシア、ネクスペリア、ゼネラル・アルミニウムで申し立てられた組合つぶし行為を詳述していた。

組合側は、多数の苦情にもかかわらず、労使関係局が長期にわたって対応していない状況を説明し、これを批判した。ハイコムとゼネラル・アルミニウムに関わる事件など、10年経っても是正されていない事例もあるという。

有力な証拠が提供されたと組合が主張しているにもかかわらず、フレクストロニクスとXSDで申し立てられた威嚇と使用者による干渉の申し立ても、不起訴処分になった。

インダストリオール加盟組織は4つの重要な要求を概説した。

  • すべての組合つぶし事件を調査するためにハイレベルタスクフォースを設置する
  • 労使関係法を実施し、組合つぶしに関与する使用者を起訴する
  • 使用者による組合つぶしへの関与を制限するために法律・規則を改正する。
  • 無記名投票での勝利から60日以内に団体交渉が始まるようにする

インダストリオール・マレーシア協議会のゴパール・キシュナム・ナデサン書記が次のように述べた。

「上述の組合つぶし事例が過去12年間、当局によって公正かつ専門的に処理されていないことに大変失望している。政府に対し、労働者の結社の自由と団体交渉権を尊重するよう要請する。使用者に味方して労働組合を弾圧するのをやめろ!」

ラモン・セルテーザ・インダストリオール東南アジア地域事務所所長が付け加えた。

「団結権・団体交渉権に関するILO第98号条約の締約国として、マレーシア政府には、組合に対する差別で苦しんでいる労働者を適切に保護する義務がある。政府に対し、加盟組織に関与して紛争を友好的に解決するよう強く促す」

【原文記事URL】
Malaysia unions demand government action over widespread union-busting | IndustriALL

 

NUMSAが賃金協定を締結し、自動車部門を保護するための政策対応を要求

2025-11-21

南アフリカ共和国最大の製造労組であるインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は11月14日、自動車製造業使用者組織(AMEO)と3カ年の賃金協定を結び、数カ月に及ぶ膠着状態後に迫っていたストを回避した。


協定期間は2028年までで、2025年7月から7%の賃上げが実施され、その後2年間の各年に5.5%と消費者物価指数(CPI)の高いほうの増額がある。労働者は、1万2500ランド(720米ドル)の免税給与金、これまでどおりの医療扶助拠出、通勤手当増額も受ける。

南アフリカで活動している相手先商標製造会社(OEM)7社――BMW、フォード、いすゞ、メルセデス・ベンツ、日産、トヨタ、フォルクスワーゲン――のNUMSA組合員は、この協定を支持した。

「NUMSAは、特に使用者との交渉が行き詰まってスト寸前だったため、この協定の締結を歓迎する。幸いなことに、今回の賃金交渉をまとめることができた。この協定を確保するために休むことなく働いてくれた交渉チームの努力に感謝している」とイルヴィン・ジムNUMSA書記長は述べた。

NUMSAは、この妥結を歓迎すると同時に、産業政策に関する関与を求めている。例えば、新車販売に占める輸入車の割合が近年急増し、現在63%に達しており、その多くが中国とインド、それに投入コスト補助金と大量生産によって得られる経済的有利から輸出面で優遇されている他のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)加盟国の低コストメーカーから流入している。NUMSAは、南アフリカは価格だけで競争することができないと主張し、政府に包括的な産業政策対応を強く要求している。

組合の要求は3つある――BRICsのパートナーによるダンピングを抑制するためのローカルコンテンツ要件の強化と貿易救済措置、中国とインドのブランドが現地組立・部品製造工場を設立するための政策要件、鉄鋼、エネルギーおよび下流の選鉱を網羅する幅広い再工業化パッケージである。2035年に向けた業界独自の基本計画は、すでに60%の現地付加価値を目標に掲げている。政府は今それを実施しなければならない、とNUMSAは主張する。

NUMSAは、さらなる工場閉鎖やシフト削減が起こる前に拘束力のある措置を練り上げるために、政府と労働組合、OEMによる緊急3者サミットを呼びかけている。無策が続けば、今も11万人以上の労働者を直接雇用し、はるかに大きな部品メーカーのエコシステムを支えている産業で、大量失業が発生する恐れがある。

「自動車産業の生活賃金と条件改善のために、この賃金協定を首尾よく取り決めるために、NUMSAが闘い続けていることを称賛する。バリューチェーンの製造と選鉱は、南アフリカの工業化イニシアティブを支えているので重要だ」とインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所所長のポール・フランス・ヌデソミンは述べた。

【原文記事URL】
NUMSA signs wage deal, calls for policy response to protect auto sector | IndustriALL

 

IAM組合員、15週間のストを経てボーイングとの新協約を承認

2025-11-22

米国セントルイスのIAM第837地区の労働者がボーイングとの新しい5カ年協約を承認し、15週間近くに及んだストが終結した。このストは、その期間の長さだけでなく、保守色の強い州では珍しい超党派の支持を得たことでも全国的に注目を集めた。


熟練航空宇宙労働者をめぐる競争が激化している労働市場を反映して、この妥結には協約期間中に合計24%の賃上げが盛り込まれており、この紛争の重要性は具体的な条件をはるかに超えて広がっている。これは幅広い世界的傾向の一部である――航空宇宙部門が厳しい労働者不足、生産圧力の高まり、安全性と品質をめぐる新たな精査に直面している中で、多数の国々の労働者が団結してストを行い、勝利を収めている。

セントルイスのストに先立って、過去2年間にアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、イギリスの航空宇宙産業で大きな紛争が発生している。航空機組立から部品、エンジン、防衛システム、整備・修理・オーバーホール(MRO)に至るサプライチェーン全体で、企業は熟練労働者の採用・保持に苦労している。

特に、この協約はシアトル地域での大規模ストライキのわずか1年後に締結された。シアトルのストでは、ボーイングの商業航空事業の労働者3万3000人が、低賃金成長に抗議して譲歩を求め、ストを実施した。そのストが先例となり、セントルイスの協約はその勢いに乗っている。

業界が直面している人手不足を受けて、特に生産の障害が納品スケジュール、軍事契約、規制の信頼性に即座の影響を与えている高技能環境において、全世界で労働者の交渉力が強まっているようである。

ボーイングはセントルイスで、常用代替労働者を雇うと言って脅迫した。しかし同社は、ストの前からすでに熟練労働者の採用・保持に苦労していた。これは世界の航空産業全体で見られる現実であり、この脅迫の効果をなくして最終的に組合の影響力を強めた。

このストは政治的にも目立った。労働者は民主・共和両党の選出議員から広く支持された。これはアメリカでは珍しい党派を超えた連帯の表明であり、保守色の強い州の1つであるミズーリではさらにいっそう異例のことだった。

グローバルな労働運動にとって、これはより幅広い変化を示している――航空宇宙労働者は、国の工業力と経済安全保障、防衛サプライチェーンにおいて重要な役割を果たしていることを次第に認められるようになっている。

団結に根差した勝利

非常に強い圧力にもかかわらず、IAM第837地区の組合員は15週間近くにわたって並外れた団結を維持した。彼らの決意のおかげで、昇給の改善、ボーイングの当初案よりも高い協約締結ボーナス、強力な退職金制度の維持、それに最大8%の会社拠出金が達成された。

しかし、このストは数字にとどまらず、労働者が団結すれば、世界有数の航空会社との交渉にさえ大きな影響を及ぼせるということを明確にした。

ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール・グローバルユニオン航空宇宙担当部長の発言:

「IAM第837地区が示した強さは、世界の航空宇宙産業に明確なメッセージを送っている――労働者は必要不可欠であるのみならず、影響力がある。私たちは同じパターンを見ている。企業が熟練労働者の採用と保持に苦労している中で、労働者は団結して行動を起こし、勝利を収めている。航空宇宙産業が安全かつ時間どおりに、質の高い業務を遂行することを求める非常に大きな圧力を受けている時期にあって、今回のストは団結の力を証明している。インダストリオールはIAMと、そしてディーセント・ワークと尊重、自分たちが生み出す価値の公平な取り分を求めて闘っている世界中の航空宇宙労働者と、全面的に連帯している」

【原文記事URL】
IAM union members ratify new Boeing contract after 15-week strike | IndustriALL

 

インド政府、船舶リサイクルに関する社会的対話の支援を約束

2025-11-25

11月25日にデリーで開催された円卓会議で、インドの労働雇用大臣マンスク・マンダビヤ博士は船舶リサイクル産業の状況改善を約束した。


この円卓会議には、ILO、インダストリオール、海運総局、SMEFI、船舶リサイクル組合ASSRGWAおよび上部団体であるインド労働者連盟(HMS)の代表が出席した。アシュトシュ・バッタチャリア・インダストリオール地域事務所所長が開会の辞を述べ、組合と使用者、連邦・地方政府の協力と社会的対話によって、船舶リサイクルの改善に進展があったことについて話した。

佐々木聡ILO国別事務所副代表が、香港条約の発効をディーセント・ワーク・アジェンダにとっての転換点と表現した。香港条約は孤立して存在しているのではなく、この産業をうまく転換するには、国際文書のエコシステム(バーゼル条約、ILO中核条約、船舶解撤に関するILO指針、新たに作成されたリサイクル指針など)と併せて考慮する必要がある、と同氏は述べた。

ハーブハジャン・シンHMS書記長が、船舶リサイクル労働者が今なお直面している進行中の問題について力強く語った。安全性は向上しているが、健康診断を実施している解撤場は極めて少なく、職業病は依然として大きな問題である。もう1つの深刻な問題はこの仕事の不安定性で、これは労働者の住居にも影響を及ぼしている。使用者が宿泊設備を提供しているので、多くの労働者は仕事がなければ家がない。

組合代表たちは、労働省、環境省、海運総局など、インド政府のさまざまな部門がよりよく連携し、この業界に関する意思決定に組合を参加させる構造を作る必要があると語った。

組合と使用者連盟SRIA、地方当局GMBの間で合意に基づく社会的対話が十分に行われているが、賃金、休暇、その他の条件を対象とする産業全体の協約によって、これを正式のものにする必要がある。

川下産業のインフォーマル労働者およそ50万人に保護を広げることも重要である。

組合側は、この産業を改善するための政策提案を提出した。

  1. ILO第155号条約および第187号条約の批准。これは労働者に危険な作業を拒否する権利を与え、合同安全衛生委員会の枠組みを作る。
  2. 船舶リサイクルの国家労働安全衛生(OSH)プログラムの策定。香港条約と環境基準に基づく標準化されたOSHプログラムは、解撤場レベルの合同安全衛生委員会を強化する。
  3. デジタルOSH・労働者福祉プラットフォームの創出。これは事故やニアミスに関するデータを捕捉するとともに、労働者の健康の記録を保存し、労働者の福祉を管理するために必要なデータを提供する。
  4. インフォーマル労働者の社会的保護。川下産業の労働者は香港条約によって保護されておらず、雇用保護を受けていない。フォーマル化への経路を設けるべきであり、社会保障制度の立案が重要な第一歩となる。

アランの船舶リサイクル港に近いバウナガールで生まれ、現在この地域選出の議員であるマンダビヤ大臣は、労働者の条件改善に深く関与していると答えた。

大臣は、労働者が直面している問題に取り組むために、アランを訪問して利害関係者全員と会談すると約束した。

ウォルトン・パントランド・インダストリオール船舶解撤・造船担当部長は言う。

「インドは船舶の安全かつ環境上適正な再生利用の導き手になる可能性がある。だが、やらなければならないことがまだある――香港条約を完全に実施しなければならず、あらゆるレベルの意思決定に労働者を関与させなければならない。産業全体に及ぶ労働協約はディーセント・ワークの創出に変革を起こすだろう」

カバー写真:川下の鉄鋼業、アラン、2022年。

【原文記事URL】
Indian government commits to support social dialogue in ship recycling | IndustriALL

 

団結しよう――インダストリオール、16日運動にあたり加盟組織に行動を呼びかけ

2025-11-25

インダストリオールは11月25日から12月10日まで、16日運動を呼びかける国際連合のUNiTEキャンペーンに加わる。今年のテーマは「団結しよう! 女性と少女に対するデジタル暴力撤廃のために」である。関連産業、傘下組合およびすべての社会のあらゆる女性と少女には、オフラインまたはオンラインで暴力を受けることなく生活し、団結し、働く権利がある。これについて交渉の余地はない。デジタル空間は工場の現場と同じくらい仕事の中心となっているが、女性の労働組合員や活動家、指導者に対する女性蔑視やハラスメント、攻撃の最前線にもなっている。


脅威の高まり――オンラインの女性蔑視は現実の世界で暴力を形成

デジタル暴力、個人情報の共有、サイバーストーキング、ヘイトスピーチ、画像ベースの虐待、ジェンダー化された偽情報の爆発的増加は、二次的な問題ではない。これは構造的な問題であり、職場や社会で暴力を駆り立てているものと同じ不平等な力関係や家父長制的な規範、女性蔑視に根差している。

ある世界的な研究によると、少女と若い女性の58%がオンラインハラスメントを経験しており、世界の女性と少女の44%が法的保護のない、不処罰の文化を強化している国で暮らしている。

大会のほんの数日前にシドニーで開催されたインダストリオール女性大会で、女性代議員たちは警報を発した――オンラインヘイトの急速な常態化は、女性労働者の安全に直接害を及ぼし、女性労働者の声を封じ、組合や公的生活に完全に参加する能力を弱めている。証言は、オンライン暴力は職場での暴力であるという1つの事実を強調していた。

インダストリオール大会で歴史的な約束

シドニーの第4回大会で加盟組織は、新しいアクション・プランを通して、あらゆる形態の差別や暴力、ハラスメント(GBVH、女性蔑視および性差別を含む)との闘いは、グローバル・ユニオンとしての私たちの使命の中核を成すということを明確にした。

大会は、以下を要求する力強いフェミニスト決議を採択した。

  • 労働協約、職場方針および全国労働枠組みにおけるGBVH防止・対応制度
  • 組合や産業の枠を超えた意思決定への女性参画拡大
  • 安全と尊厳、説明責任に基づく生存者中心のジェンダーに配慮した報告制度
  • 世界的なアンチフェミニストの反発(ジェンダー平等と苦労して得た権利を脅かす独裁主義的な弾圧や右派による攻撃の高まりなど)への強い抵抗
  • 女性労働者の実生活に根差した交差的なジェンダー・トランスフォーマティブ・アプローチ

この政治的コミットメントは、インダストリオールと加盟組織の女性による長年の活動と、「デジタル形式も含めたジェンダーに基づく暴力とハラスメントは、組合の闘いの目的すべて、すなわち自由、平等、民主主義および公正を損なう」という認識の高まりを反映している。

加盟組織はすでに先導――世界中から寄せられた優良事例

インダストリオール加盟組織は地域の垣根を越えて、団体交渉や教育、組織化、権利擁護を通してGBVHに取り組むことにより、職場を変革し続けている。

インダストリオール女性報告

2019〜2025年女性報告からの抜粋:

インドネシア:シェルターとゼロ・トレランス方針

インダストリオールのインドネシア女性委員会による長年の連携やロビー活動の結果、管轄省は工業地帯にシェルター政策を導入し、女性が安全に事例を報告したり訓練を受けたりする場を提供した。組合はゼロ容認GBVH条項を取り決め、この条項は90カ所を超える工場で実施されている。

チュニジア:女性の安全と権利拡大のための新しいセンター

現在、インダストリオールとFGTHCC-UGTTが共同で運営するセンターが、女性労働者に訓練と支援、それに暴力やハラスメントを報告するための安全な環境を提供している。

全世界でILO190号条約を批准

50カ国以上がILO第190号条約を批准している。インダストリオールと加盟組織は、ウルグアイ、ナイジェリア、ペルー、アルゼンチンをはじめとする国々でILO第190号条約批准に至ったキャンペーンにおいて、大きな役割を果たした。これはあらゆる形態の仕事の世界における暴力とハラスメント(デジタル虐待を含む)に取り組む基礎となる。

これらの実績は、組合が結集すれば何を達成できるか、この16日間はなぜこの活動を促進する正念場なのかを示している。

デジタル暴力は組合問題であり、組合にはそれと闘う手段がある

2023年に採択されたGBVH、女性蔑視および性差別に関するインダストリオールの方針は加盟組織に、暴力の防止と根強い規範の転換についての明確な指針を与えている。デジタル虐待は、交渉勧告やリーダーシップ説明責任メカニズムなど、この方針全体に埋め込まれている。

組合は以下によって行動することができる。

  • オンラインハラスメントやデジタル虐待を禁止する職場方針を取り決める。
  • ILO第190号条約に沿って、OSHシステムやリスク評価にデジタルGBVHを統合する。
  • デジタル暴力の認識、報告および防止に関して、労働者、特に若手組合員の訓練を実施する。
  • 安全な内密の報告メカニズムと生存者中心のサポートを確保する。
  • 強力な国内法と実施を支持する。
  • 市民社会キャンペーンや技術説明責任キャンペーンと協力して、プラットフォームと企業に責任を負わせる。

デジタルツールは危険をもたらすのではなく、権利を与えるものでなければならない。そして組合は、その転換の中心にならなければならない。

シドニーから広がる小さな反響――力、連帯、勢い

女性大会では、すべての地域から集まった女性、若年労働者、指導者、オルグ、初参加の代議員が、オンラインとオフラインでの暴力の経験を共有した。参加者の感情は明白だったが、集団の力も明白だった。

彼女らが大会に届けたメッセージは明確である。

組合は生産現場と同じ決意でデジタル空間のGBVHに適応し、より断固たる態度を取り、より賢明に交渉し、立ち向かわなければならない。

16日運動は、その勢いに乗る機会を加盟組織に提供

「デジタル暴力は現実の暴力だ。家まで女性について行き、職場や電話、あらゆる場所にずうずうしくも入り込んでくる。私たちの運動全体で、沈黙させられることを拒否しなければならない。シドニーでの約束は力強いものだが、組合が行動を起こして初めて生きてくる。すべての加盟組織に対し、この16日間に明確な立場を取るよう呼びかける――保護を取り決め、報告制度を強化し、組合員を教育し、デジタル空間を安全にしなければならない。暴力の根絶は選択ではない。それは公正と平等、民主主義に至る道であり、傘下組合は案内役を務めなければならない」とクリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長は言う。

16日運動に参加――行動を起こし、声を1つにして結集しよう

インダストリオールは全加盟組織に対し、11月25日に始まる16日運動に積極的に参加するよう呼びかけている。

加盟組織にできること:

  • 訓練やワークショップ、コミュニケーション、職場行動を企画する。
  • 優良事例や証言を共有する。
  • ILO第190号条約と各組合の交渉の成果を広める。
  • デジタル暴力を職場・組合問題として強調する。
  • ハッシュタグ#NoExcuseおよび#ALLwomenを使って写真や行動を共有する。

キャンペーン資料・資源:

インダストリオール女性大会概要:ここをクリック

GBVHに関するインダストリオールの訓練および資源(ILO第190号条約ツールキット、ブリーフィング、モジュール):ここをクリック

【原文記事URL】
UNiTE: IndustriALL calls affiliates to action during the 16 days of activism | IndustriALL

 

イタリアの金属労働者にとって歴史的な勝利

2025-11-26

先週、イタリアの金属労働者が大勝利を確保した。いずれもインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織であるFIM、FIOMおよびUILMが、4日間にわたって続いた激しい交渉の末、フェデルメカニカおよびアシスタルと新たな全国労働協約(NCLA)を締結したのである。この協約は全国150万人以上の労働者を対象とし、4年間で協約上の最低給与の205ユーロ(237.17米ドル)増額を保証している。組合側によれば、これは生活費が上昇し、経済の不安定性が高まる中で賃金を保護するために欠かせない。


FIOMとFIM、UILMは2025年6月に8時間ストを実施、同時にイタリア全土で地域デモが行われ、組合側が使用者の無責任な交渉拒否と評する行為を非難した。このストライキ行動には中小企業の労働者も含めて部門全体の労働者が加わり、超過労働や柔軟性の阻止といった追加措置が実施された。デモは明確かつ統一的なメッセージを送った――労働者は停滞や賃金低下、これ以上の遅延を受け入れない。このストライキは組合の決意を強固なものにするとともに、使用者側に対し、購買力を擁護して公正な労働条件を確保する闘いを続けるために、金属労働者が結集・団結して準備を整えていることを示した。

組合の交渉者は、これは極めて重要な勝利であり、多くの世帯が経済的負担の高まりに直面している時期にあって、長期的な賃金保護を確保するものだと述べた。改定後の賃金構造は、インフレ高進期に購買力を守るために立案された制度を維持している。この協約には、協約期間中にインフレが予想を超えて進んだ場合に備えて、追加給与支給と保護条項も盛り込まれている。

FIM、FIOMおよびUILMのフェルディナンド・ウリアーノ、ミシェル・デパルマ、ロッコ・パロンベラ各書記長は、この協約は交渉の勝利だけでなく、イタリアの全国団体交渉制度自体の擁護も示していると述べた。3人はプロセス全体にわたる組合の団結と決意を強調した。

「非常に厳しい交渉だったが、ギャップを縮めて強固な協約を結んだ。私たちは金属労働者の購買力を守り、権利と保護を強化した。賃上げ、試験的時短の開始、不安定雇用の安定化が柱であり、それらを達成した。今日、絶えず攻撃されてきた全国協約を守ったと言うことができる。この協約は、イタリアの産業の中心を築いている人々の尊厳を確保している。イタリアが安定性と勇気、持続的な解決策を必要としているときに、金属労働者は再びこの国の歴史を書いている」

この協約は、組合のプラットフォームの中核を成す問題である雇用不安および不安定雇用との闘いにおいて、大きな成果をもたらしている。使用者は今後、有期労働者が特定の条件下で臨時契約の延長を希望する場合、12カ月後に有期労働者の一定割合を常用雇用することを義務付けられる。派遣会社を通して雇用される労働者は、48カ月後に受入企業で常用雇用に就く権利を与えられる。これは数千人の金属労働者にとって、より公正でより安定した雇用への重要な移行である。

この協約は、専門委員会の指導の下で労働時間を短縮するための構造的試行など、先見性のある変更も導入している。付加的改善として、安全衛生保護の強化、職場訓練を受ける権利の拡大、重病の労働者や障害のある労働者の保護措置強化、女性に対する暴力の防止を特に目的とする新しい条項が挙げられる。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、この協約とイタリアの組合の決意を称賛した。

「これはイタリアの金属労働者のみならず、不安定や賃金の低下、基本的権利の浸食と闘っているあらゆる場所の労働者にとっても重要な勝利だ。FIM、FIOMならびにUILMは、実質賃金の保護、安定した雇用への経路、労働時間短縮に関する画期的な進展を確保することによって、強力な団結した組合が何を達成できるかを示した。この協約は明確なメッセージを伝えている――団体交渉は依然、労働者にとって、より公正で、より安全で、より尊厳のある職場を築くための最も強力な手段の1つである」

写真:インダストリオール・ヨーロッパ労働組合

【原文記事URL】
Historic win for Italy’s metal workers | IndustriALL

 

インドの組合、一方的な労働法導入を非難し、11月21日を労働者にとって陰鬱な日と宣言

2025-11-27

インド政府が労働者団体と協議せずに4本の労働法を一方的に可決したことを受けて、インドの労働組合(CTUs)と独立部門別連合団体(インダストリオール加盟組織を含む)が全国的抗議を実施した。インドの労働者は2025年11月21日に出された突然の告示を強く非難し、この措置は法の支配に対する攻撃だと述べた。


11月26日、政府後援のインド労働組合を除くインド全国の労働組合が結集して力強い抗議行動を実施、一方的な労働法告示を非難するとともに、即座の真の対話と撤回を要求し、労働者は協議なしで押し付けられた労働法改革を受け入れないと断言した。

これらの労働法は憲法上の基本的権利を侵害し、民主主義と連邦主義の原則を弱体化させるものであるため、共同CTUsはこの政府の行為を非難している。これらの法律は構造的に欠陥があり、法的に誤っており、労働者の保護を弱めることを意図している、と組合側は主張した。

共同CTUsは、政府が確立された政労使メカニズムを迂回したことを批判し、最高レベルの政労使フォーラムであるインド労働会議が2015年以降招集されていないことを指摘した。

インダストリオール加盟組織は、インドの新しい労働法は特に労働時間と契約労働、労働安全衛生(OSH)に関する重要な労働者保護を弱めているという強い懸念を表明している。組合代表は、今回の変更は保護措置の強化が必要とされている時期に不安定雇用を増やし、労働者の権利をさらにむしばむ可能性があると警告した。これを受けて、インダストリオールは政府に書簡を送り、これらの法律を撤回するとともに、労働者の権利と安全基準の支持を確保するために労働組合との有意義な対話を開始するよう強く促した。

組合指導者は政府に対し、当該法律の実施の停止および労働組合との透明かつ包括的な協議の開始を求めた。インダストリオール・グローバルユニオンは、インドの労働者ならびに加盟組織との全面的な連帯を表明し、社会的対話と結社の自由、基本的労働権の保護の要求を支持した。

サンジャイ・バダブカールSMEFI(HMS)書記長は次のように述べた。

「政府による労働法の一方的な告示は、労働者の権利と民主的な労働統治に対する直接攻撃だ。労働者の生活を方向付ける決定から労働者を除外することはできない。政府は協議と長年の政労使慣行を無視することによって、憲法の価値観を損なっている。私たちは、告示の撤回と真の社会的対話の回復を要求している統一労働組合運動を断固支持する」

サンジャイ・シンINEWF(INTUC)書記長はこう述べた。

「これらの労働法は、特に結社の自由、団体交渉権、労働時間の制限、労働安全衛生および社会保障に関する必要不可欠な保護を弱めるものであり、さらに多くの労働者が不安定な状況に追い込まれてしまう。私たちは政府に対し、これらの法律の実施を停止し、あらゆる改革が労働者の権利を侵食するのではなく保護するようにするために労働組合に関与することを要請する」

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は次のように述べた。

「私たちは一貫してインドの労働組合運動と全面的に連帯しており、インド政府に、透明で包括的な協議を通して労働組合に関与するよう求める。どんな労働法改革も、労働者の保護を弱めるのではなく強化しなければならず、国際労働基準に完全に従わなければならないことを、断固として繰り返し主張する」

【原文記事URL】
Indian unions slam unilateral labour code rollout; 21 November declared black day for workers | IndustriALL