力強い開幕――文化と連帯、希望の中、シドニーで第4回インダストリオール大会がスタート
2025-11-05

インダストリオールは、オーストラリアとニュージーランドの偉大な加盟組織の主催により、団結と強さ、深い文化的な結び付きの精神を尊重して、シドニーで4年ぶりに第4回大会を開いた。
世界中から集まった代議員が期待と誇りに包まれて会場を埋める中、大会の冒頭にウェルカム・トゥー・カントリーが行われ、昔から大会開催地を所有してきたエオラ・ネーションのガディガル族を称えた。開会式では、過去と現在の長老たちに敬意を表したあと、アボリジニによる素晴らしい伝統的な歌と踊り、ディジェリドゥーが披露された。
ディジェリドゥーの深い響きとダンサーの力強い動きで、会場に感動が広がった。演技者たちは、この楽器の仕組みと、それが生み出すさまざまな音色、この土地の鼓動のようにホールに響き渡る音について語った。
歓迎に続いて、アオテアロア/ニュージーランドのマオリ文化が紹介され、敬意と勇気、連帯の価値観を体現する感動的なカイガランガ、ミヒ、ワイアタ、ハカが次々に演じられた。これらの演技は一体となって、私たちの運動が歴史と闘争、人間性の共通の基盤に立っていることを参加者全員に思い出させた。
大会Tシャツで物語を表現
すべての大会代議員が大会Tシャツを着用し、まさしく文字どおり、その結びつき(connection)を広げた。
クイーンズランドの炭鉱労働者でアーティストのクリス・ドッドが「Connection」という作品を制作し、その絵を描いたシャツが代議員全員に配られた。クリスはWulli Wulli Wakka Wakka族の出身で、彼のアートワークは父親と祖父母から引き継がれた内容豊かな物語を伝えている。重要なことには、この作品は彼と制作を手伝った娘との絆も表している
すべての大会参加者への贈り物である「Connection」は、世代間、地域社会間、文化間の関連を象徴している。クリスは、そのアートワークを身につけたり見たりする人たちが、「ストーリーラインを目にし、シンボルや場所の意味を理解し、誇りとアボリジニ文化へのより深い理解を持って会場をあとにすることができる」ことを願っている。
行動を喚起する言葉
マリー・ニルソン・インダストリオール/IFメタル会長が大会の開会を宣言し、今後数日間の基調を打ち出した。
「私たちは急激な変化の時代に生きている。新たな技術が登場し、民主的権利が疑問視され、独裁的勢力が自由に対して異議を唱え、気候変動が脅威をもたらしている。だが、大会ホールを見渡すと希望を感じる。これらの課題に立ち向かう共同の力があり、パワーと連帯がある。世界の労働組合運動が不公正の容認を拒否していることが分かる。私たちは、より持続可能な未来を構築する決意を固めており、それは大会スローガン『組織化で公正な未来を』に反映されている。
この大会を連帯と平等、勇気を祝福する場にしよう!」
オーストラリア労働組合協議会のミシェル・オニール会長が登壇すると、会場の一体感が高まった。
「組織化された資本への対応は1つしかなく、それは組織労働者であるということが分かっている。今までにもまして、国際連帯が不可欠になっている。団結して決然と行動すれば、誰も置き去りにしなければ、組織労働者の力が示される」
トニー・マーハー鉱業・エネルギー労組会長がホスト組合を代表して、オーストラリアの労働運動から歓迎と誇りを伝えた。
「鉱業・エネルギー労組ならびにオーストラリアとニュージーランドのすべてのホスト組合を代表して、第4回インダストリオール世界大会にご挨拶と歓迎の意をお伝えする。当組合は、創設以降インダストリオールに、それ以前は鉱山労組の世界的総連合ICEMに積極的に関わってきた。大手グローバル企業はオーストラリアの鉱業で采配を振るっており、世界中の労働者と協力し合い抵抗することが、何であれ企業が私たちに投げつける課題に立ち向かう最善の方法であることは以前から分かっていた」
彼は代議員に、オーストラリアの繁栄と民主主義が孤立ではなく連帯の上に成り立っていることを思い出させた。
「組合員は国際的に貢献することを誇りとしており、厳しい状況下で働いている鉱山労働者の安全性を向上させるために、グローバルサウスの鉱山労組を支援している。基準を上げて命を救う活動は国境で止まるものではない」
メイハーは最後に、代議員をシドニーに温かく歓迎し、この都市の美しさを楽しむとともに、強力で活動的なオーストラリアの組合運動、誇りを持ってすべての場所の労働者を支持している運動からインスピレーションを受けるよう勧めた。
首相が労働者を擁護
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が到着し、よそよそしい高官としてではなく仲間の1人として、温かく熱烈に迎えられた。首相は誠意と信念を持って、労働運動の友人として代議員に語りかけた。
「前進する中で誰も置き去りにしないことが極めて重要だ。公正と良好な労働条件、適正な賃金は、労働市場を弱体化させるものではないということが分かっている。成長と公正が一緒になればさらに強くなる。私たちの目的は不変であり、したがって連帯は本当に永遠に続く」
過去から続く力を未来に
金子晃浩副会長・地域共同議長が、アジア太平洋地域における労働者の歩みを振り返った。
「この地域の労働者は、自分たちの意見を主張するために団結しなければならなかった。そして、肩を並べて立ち続けている。この大会が私たちを結び付ける壊せない絆になることを願っている」
開会式では、「足かせを外されて」展示会を通して労働運動のルーツを回顧する感動的な催しもあった。トニー・ムーア教授が代議員に、オーストラリア初の炭鉱労働者である囚人たちが、困難にもかかわらず、ストや就労拒否、抵抗活動によって反撃した物語を聞かせた。
この展示会は、自由のない労働者としてオーストラリアに連れてこられたこれらの囚人労働者16万人が、集団行動と連帯の基礎を築いた経緯をたどっている。彼らの闘いは労働運動の物語であり、すべての場所の労働者が尊厳と公正を求めて闘っている中で、会場に力強く響き渡った。
帰属意識と連帯に包まれて大会が開幕
第4回インダストリオール大会の開会式は単なる式典ではなく、私たちを結びつけているものを生き生きと表現する行事でもあった。ディジェリドゥーからハカまで、組合指導者の声から先達である労働者の歴史まで、私たちの本質、私たちが支持するものを祝福する活動だった。
これから3日間、この勇気と文化、集団の力を基礎に、代議員たちはインダストリオールの未来を方向付け、誰も置き去りにされない公正な未来を目指して組織化していく。
