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第203号インダストリオール・ウェブサイトニュース

NUMSAが賃金協定を締結し、自動車部門を保護するための政策対応を要求

2025-11-21

南アフリカ共和国最大の製造労組であるインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は11月14日、自動車製造業使用者組織(AMEO)と3カ年の賃金協定を結び、数カ月に及ぶ膠着状態後に迫っていたストを回避した。


協定期間は2028年までで、2025年7月から7%の賃上げが実施され、その後2年間の各年に5.5%と消費者物価指数(CPI)の高いほうの増額がある。労働者は、1万2500ランド(720米ドル)の免税給与金、これまでどおりの医療扶助拠出、通勤手当増額も受ける。

南アフリカで活動している相手先商標製造会社(OEM)7社――BMW、フォード、いすゞ、メルセデス・ベンツ、日産、トヨタ、フォルクスワーゲン――のNUMSA組合員は、この協定を支持した。

「NUMSAは、特に使用者との交渉が行き詰まってスト寸前だったため、この協定の締結を歓迎する。幸いなことに、今回の賃金交渉をまとめることができた。この協定を確保するために休むことなく働いてくれた交渉チームの努力に感謝している」とイルヴィン・ジムNUMSA書記長は述べた。

NUMSAは、この妥結を歓迎すると同時に、産業政策に関する関与を求めている。例えば、新車販売に占める輸入車の割合が近年急増し、現在63%に達しており、その多くが中国とインド、それに投入コスト補助金と大量生産によって得られる経済的有利から輸出面で優遇されている他のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)加盟国の低コストメーカーから流入している。NUMSAは、南アフリカは価格だけで競争することができないと主張し、政府に包括的な産業政策対応を強く要求している。

組合の要求は3つある――BRICsのパートナーによるダンピングを抑制するためのローカルコンテンツ要件の強化と貿易救済措置、中国とインドのブランドが現地組立・部品製造工場を設立するための政策要件、鉄鋼、エネルギーおよび下流の選鉱を網羅する幅広い再工業化パッケージである。2035年に向けた業界独自の基本計画は、すでに60%の現地付加価値を目標に掲げている。政府は今それを実施しなければならない、とNUMSAは主張する。

NUMSAは、さらなる工場閉鎖やシフト削減が起こる前に拘束力のある措置を練り上げるために、政府と労働組合、OEMによる緊急3者サミットを呼びかけている。無策が続けば、今も11万人以上の労働者を直接雇用し、はるかに大きな部品メーカーのエコシステムを支えている産業で、大量失業が発生する恐れがある。

「自動車産業の生活賃金と条件改善のために、この賃金協定を首尾よく取り決めるために、NUMSAが闘い続けていることを称賛する。バリューチェーンの製造と選鉱は、南アフリカの工業化イニシアティブを支えているので重要だ」とインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所所長のポール・フランス・ヌデソミンは述べた。

【原文記事URL】
NUMSA signs wage deal, calls for policy response to protect auto sector | IndustriALL

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