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第203号インダストリオール・ウェブサイトニュース

IAM組合員、15週間のストを経てボーイングとの新協約を承認

2025-11-22

米国セントルイスのIAM第837地区の労働者がボーイングとの新しい5カ年協約を承認し、15週間近くに及んだストが終結した。このストは、その期間の長さだけでなく、保守色の強い州では珍しい超党派の支持を得たことでも全国的に注目を集めた。


熟練航空宇宙労働者をめぐる競争が激化している労働市場を反映して、この妥結には協約期間中に合計24%の賃上げが盛り込まれており、この紛争の重要性は具体的な条件をはるかに超えて広がっている。これは幅広い世界的傾向の一部である――航空宇宙部門が厳しい労働者不足、生産圧力の高まり、安全性と品質をめぐる新たな精査に直面している中で、多数の国々の労働者が団結してストを行い、勝利を収めている。

セントルイスのストに先立って、過去2年間にアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、イギリスの航空宇宙産業で大きな紛争が発生している。航空機組立から部品、エンジン、防衛システム、整備・修理・オーバーホール(MRO)に至るサプライチェーン全体で、企業は熟練労働者の採用・保持に苦労している。

特に、この協約はシアトル地域での大規模ストライキのわずか1年後に締結された。シアトルのストでは、ボーイングの商業航空事業の労働者3万3000人が、低賃金成長に抗議して譲歩を求め、ストを実施した。そのストが先例となり、セントルイスの協約はその勢いに乗っている。

業界が直面している人手不足を受けて、特に生産の障害が納品スケジュール、軍事契約、規制の信頼性に即座の影響を与えている高技能環境において、全世界で労働者の交渉力が強まっているようである。

ボーイングはセントルイスで、常用代替労働者を雇うと言って脅迫した。しかし同社は、ストの前からすでに熟練労働者の採用・保持に苦労していた。これは世界の航空産業全体で見られる現実であり、この脅迫の効果をなくして最終的に組合の影響力を強めた。

このストは政治的にも目立った。労働者は民主・共和両党の選出議員から広く支持された。これはアメリカでは珍しい党派を超えた連帯の表明であり、保守色の強い州の1つであるミズーリではさらにいっそう異例のことだった。

グローバルな労働運動にとって、これはより幅広い変化を示している――航空宇宙労働者は、国の工業力と経済安全保障、防衛サプライチェーンにおいて重要な役割を果たしていることを次第に認められるようになっている。

団結に根差した勝利

非常に強い圧力にもかかわらず、IAM第837地区の組合員は15週間近くにわたって並外れた団結を維持した。彼らの決意のおかげで、昇給の改善、ボーイングの当初案よりも高い協約締結ボーナス、強力な退職金制度の維持、それに最大8%の会社拠出金が達成された。

しかし、このストは数字にとどまらず、労働者が団結すれば、世界有数の航空会社との交渉にさえ大きな影響を及ぼせるということを明確にした。

ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール・グローバルユニオン航空宇宙担当部長の発言:

「IAM第837地区が示した強さは、世界の航空宇宙産業に明確なメッセージを送っている――労働者は必要不可欠であるのみならず、影響力がある。私たちは同じパターンを見ている。企業が熟練労働者の採用と保持に苦労している中で、労働者は団結して行動を起こし、勝利を収めている。航空宇宙産業が安全かつ時間どおりに、質の高い業務を遂行することを求める非常に大きな圧力を受けている時期にあって、今回のストは団結の力を証明している。インダストリオールはIAMと、そしてディーセント・ワークと尊重、自分たちが生み出す価値の公平な取り分を求めて闘っている世界中の航空宇宙労働者と、全面的に連帯している」

【原文記事URL】
IAM union members ratify new Boeing contract after 15-week strike | IndustriALL

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