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第210号インダストリオール・ウェブサイトニュース

職場におけるジェンダートランスフォーメーションを実現する5つの方法

2026-03-12

世界の女性労働者たちのコラージュ

働く女性なら、この気持ちが分かっているだろう。隣の男性と同じくらい懸命に働いているのに、収入が少ない。家事の負担が男性より重く、そのために職場で不利になる。会合で率直に発言すると、話を遮られてしまう。


職場のジェンダー不平等は、偶然に起こるものではない。組織構造や、誰がルールを作るか、誰のためにルールが立案されたか、誰が取り残されているかに組み込まれている。それを変えることが、ジェンダートランスフォーメーションの意味するところである。以下、それを実現するための5つの方法を示す。

1.「すべての人を等しく扱う」ことが平等と同じではないことを認識する

多くの職場が、男女を平等に扱っていると言うだろう。だが、特に1つのグループを念頭に置いてルールが作られた場合は、平等な待遇は平等な結果と同じではない。

安全装置を例に取ろう。何十年もの間、安全装備は平均的な男性の体格に合わせて設計されていた。女性は体に合わない装備で間に合わせるしかなく、その結果、負傷率が高くなった。ルールは誰にとっても「同じ」だったが、結果はそうではなかった。

ジェンダートランスフォーメーションとは、この問題を認識するだけでなく、さらに踏み込んだ行動を起こすことを意味する。つまり、ルールそのものを変え、その作成に女性を関与させ、誰がその仕事をするかについての前提を疑い、安全・賃金・昇進制度がすべての人にとって有効となるようにすることである。

あらゆる職場方針を判断する優れた基準――誰のために立案されたか、誰を除外しているか?

2.誰も評価しない仕事を評価する

ほとんどの女性が、有給の勤務時間の前後に家事をこなしている。料理や掃除、子育て、高齢の親の介護は、家族や地域社会を支える仕事だが、給与明細やGDPの数字には表れない。

国際労働機関(ILO)によると、世界全体で無償のケア労働の76.2%を女性が担っており、この割合は男性の3倍を超えている。ケアの責任があるために賃金労働にまったく就いていない女性が推定7億800万人いるのに対し、男性は4000万人である。ILOの計算によると、現在の変化のペースでは、この格差を埋めるのに210年かかる。

ケアの責任は女性の後について職場にまで入り込み、女性がどの仕事を引き受けることができるか、どの時間帯に働けるか、どこまで昇進できるかを左右するため、これは労働者にとって重要である。真のジェンダー平等とは、この労働を認識し、より公平に再分配するとともに、父親が実際に取得できる育児休暇、手頃な価格の保育サービス、キャリアを破綻させない柔軟な労働によって、それに配慮する職場を作ることを意味する。

3.賃金格差を埋め、使用者に格差解消を証明させる

世界的に、女性の収入は男性より約20%少ない。国連が簡潔に述べている――同じ価値の仕事で男性が1ドル稼ぐのに対し、女性の収入は77セントである。母親が最も大きな打撃を受けており、子どもが1人増えるごとに賃金が下がるが、父親の賃金は上昇することが多い。

格差の一部は、あからさまな差別が原因である。しかし格差の多くは、より根深い問題を反映している――主に女性が行う仕事は、主に男性が行う同等の仕事よりも低く評価されているのである。ケアワーカーの収入は、技能と責任は同等であるにもかかわらず、警備員の収入のごく一部である。

格差の解消は、その可視化から始まる。使用者に対し、性別や役割別に分類した給料データの公表を義務付け、格差を隠蔽できないようにすべきである。そうすれば労働者や組合は、そのデータを使って交渉や法廷、公の場で不公正な賃金に異議を唱えることができる。インダストリオールの賃金平等ツールキットは、労働組合によるジェンダー賃金格差への取り組み(意識向上から、賃金の透明性をめぐる使用者との交渉まで)の一助とするために、特別に開発された無料の実用的なガイドである。

4.ルールだけでなく制度を変更する

政策には限界がある。持続的な変化をもたらすには、労働組合自身を含む組織の文化を変える必要がある。アフリカ有数のフェミニスト学者であるアクア・オポクア・ブリットゥム教授は、2023年6月にケープタウンのインダストリオール女性委員会で次のように主張した。

「組織の構造や文化が変わらなければ、組合指導部を全員女性にしても、女性労働者の役に立たない組合になってしまう恐れがある」

スウェーデンの金属労組IFメタルは設立規約にフェミニストの原則を盛り込み、フランスの組合CGTは1999年、指導部委員会に男女平等参画を導入した。スペインのELAは2017年に全組合員を対象に無記名アンケートを実施、組合内部の差別や偏見について率直に尋ね、組合員の95%から回答を得た。結果は耳に痛いものだったが、とにかく同労組はそれに従って行動した。

この取り組みには男性も関与している。女性が家庭ですべてのケアを担当し、職場で平等を支持するすべての活動を行うことを期待する職場は、フェミニスト的な職場ではなく、疲弊した職場である。訓練を通じて、また、ジェンダー規範が男性にも損害を与えることに関する率直な対話を通じて、男性を直接関与させている組合や使用者は、より持続的な進展を遂げている。

5.自分の権利を知り、その行使を要求する

労働者には多くの人が認識しているよりも多くの権利があり、それらの権利は前の世代がそのために闘ったから存在する。職場のジェンダー平等に関しては、最も重要な保護措置のいくつかはILOが定めた国際基準に由来する。

暴力およびハラスメント条約(第190号)は、すべての労働者が、ジェンダーに基づく暴力を含めて、暴力やハラスメントのない職場で働く権利を有する旨規定している。同一報酬条約(第100号)」は、同一価値労働同一賃金の原則を定めている。これらは野心的な目標ではなく、批准国で拘束力のある基準となっている。

問題は多くの場合、行使である。書面上の権利は、その実施を求める圧力がなければ、ほとんど意味がない。その圧力をかけるのは、組合やキャンペーン、職場の組織労働者である。インダストリオールは、第190号条約に関するトレーナー訓練ツールキットを開発して十数カ国語で提供し、加盟組織が条約を実行できるよう支援している。

インダストリオール加盟組織が採択した2025年フェミニスト決議は、同一賃金や安全な職場から、ケア労働、気候の公平性、権威主義の高まりとの闘いまで、あらゆる課題を詳述している。この決議は、ジェンダー公正が労働運動にとって枝葉の問題ではないことを明確にしている。それこそ労働運動なのである。

「ジェンダートランスフォーメーションは闘わなければ実現しない。手段と枠組み、連帯はすでにある。問題は、私たちが決意と共通の目的を持ってそれらを利用するかどうかだ」とクリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長は述べた。

2025年11月にシドニーのインダストリオール女性大会に世界中から集まった女性労働組合指導者たち@IndustriALL

【原文記事URL】
5 ways to make gender transformation at work a reality – industriall-union

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