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第153号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年12月26日)

OECD鉄鋼委員会――労働者は公正な移行を要求!

2022-09-22

【JCM記事要約】

  • 9月19日-20日にパリで開催された第92回OECD鉄鋼委員会に、政府・使用者・労働組合と、その他ステークホルダーが対面で参加した。会合では、労働組合がエネルギー危機とウクライナの戦争が鉄鋼労働者に及ぼす影響を検討するよう要求、OECD加盟国はこの部門の脱炭素化にさらなる努力を払う必要があると合意した。
  • インダストリオールのマティアス素材金属・機械エンジニアリング担当部長は、インダストリオールはグリーンでデジタルな移行が使用者と労働組合の間にて責任を持って管理されることを要求しており、さらにTUACとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合と共に、社会的責任を持って脱炭素を管理しなければならない、と強調した

 

2022年9月22日:インダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合ならびにTUACはOECD鉄鋼委員会に対し、1人の鉄鋼労働者も置き去りにしないようにするために今すぐ行動を起こすよう求めた。
                                                      

第92回OECD鉄鋼委員会が9月19-20日にパリで開かれ、政府、使用者、労働組合その他のステークホルダーがほぼ3年ぶりに再び顔を合わせた。

エネルギー危機とウクライナの戦争が2日間の行事の暗く厳しい背景となり、組合は委員会に、これらの課題が産業の中心にいる人々、すなわち鉄鋼労働者に及ぼす影響を検討するよう求めた。鉄鋼委員会の議題は初めて、労働組合代表が公正な移行のための労働者の優先課題を発表する十分な余地を与えた。TUACとそのパートナーである世界および欧州の労働組合は、デジタルでグリーンな移行が鉄鋼労働者に突きつける課題と、このプロセスを進めやすくするために労働組合とOECDが取り得る行動について説明し、鉄鋼委員会に対し、その任務の一環としてこの部門の労働動態に細心の注意を払うよう促した。

このメッセージは議長声明に反映され、初めて「この鉄鋼業調整プロセスで労働者の公正な移行を促進することの重要性」を認めた。

ベロニカ・ニルソンTUAC書記長代理が次のようにコメントした。

「鉄鋼業の脱炭素化は世界的な優先課題であり、OECD諸国はこの分野で真のリーダーシップを発揮しつつ、移行が責任を持って管理されるよう確保しなければならない。TUACはすべての関連OECD機関で労働組合の懸念を表明し、加盟国に鉄鋼部門ならびに他の部門の公正な移行のために具体的行動を起こすよう求めていく」

さまざまな専門家が発言し、鉄鋼部門に対するエネルギー危機の影響(このエネルギー集約型部門の脱炭素化という課題に対する影響など)を発表した。ウクライナの戦争とロシアに対するその後の制裁は、エネルギーと原料へのアクセスと価格に関して鉄鋼部門に圧力をかけ続けている。世界的不況が迫っている中で、このような困難な時期に部門の脱炭素化にさらなる努力を払う必要があることについて、OECD加盟国の意見が一致した。

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属担当部長

 

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属・機械エンジニアリング担当部長が次のように述べた。

「私たちは鉄鋼メーカーについて話すとき、要するに鉄鋼労働者、つまり自分たちの手と頭で鉄鋼を生産する男女労働者の話をしている。彼らはグリーンでデジタルな移行の中心におり、インダストリオール・グローバルユニオンは、これらの移行が使用者と労働組合の間で責任を持って管理されることを要求している」

「労働協約と公正な賃金に支えられた真の契約により、これを公正な移行にするための措置(新しいグリーンまたはデジタルな雇用が良質な雇用になるようにする措置など)に関する議論を歓迎する」

TUACとインダストリオール・グローバル・ユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、社会的責任を持って脱炭素を管理しなければならないと強調した。労働組合は、グリーンであれデジタルであれ、あらゆる移行と並行して質の高い社会的対話を行うだけでなく、どの労働者や地域も置き去りにしないようにするための措置を導入しなければならないと主張している。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のジュディス・カートン=ダーリング書記次長が述べた。

「労働組合は、グリーンでデジタルな移行の議論にあたって組合を参加させることを要求する。私たちの公正な移行宣言に述べられているように、『私たち抜きに私たちのことを決めるな!』ということだ。質の高い社会的対話は、移行を社会的に公正な方法で管理するよう確保するうえで不可欠な手段だ。1人の労働者も置き去りにしてはならない」

TUACは鉄鋼業の脱炭素化を世界的な優先課題と考えており、OECD諸国は、この分野で真のリーダーシップを発揮しつつ、移行が責任を持って管理されるようにしなければならない。TUACは、すべての関連OECD委員会で労働組合の懸念を提起し続け、鉄鋼部門はじめ各部門の公正な移行を強く要求していく。

                 

 

 

 

 

 

 

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