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第191号インダストリオール・ウェブサイトニュース

トルコの自動車サプライチェーンで人権デュー・ディリジェンスを実施

2025-05-15

昨年11月に開催されたワークショップの勢いに乗って、トルコとドイツの自動車部門の主要利害関係者が4月28-29日にアンカラに集まり、第2回マルチステークホルダー対話プラットフォーム会合を開いた。目的は、特に仕事の世界で労働組合権に関して、HRDDの原則と手段を促進・実施することである。


昨年11月の前回会合と同様に今回の会合も、ドイツの組合IGメタル、ドイツ政府(ドイツ国際協力公社を通して)およびドイツ自動車部門対話の支援によって、インダストリオールが企画した。

2020年に連邦労働社会省が開始した自動車部門対話には、連邦政府、自動車メーカー、サプライヤー、組合、ビジネス団体、NGO、人権機関が参加し、サプライチェーンの人権デュー・ディリジェンス(HRDD)を促進している。このマルチステークホルダー・フォーラムは、5年にわたって実際的な指針を開発し、部門全体で協力関係を育んできた。政府の資金供給は終わろうとしているが、参加者は、今ではメンバーが自ら資金を供給しているドイツの国連グローバル・コンパクト・ネットワークでの活動継続に同意した。

ワークショップには、労働組合と使用者団体、自動車メーカー、サプライヤー、政府、学界、国際労働機関(ILO)の代表が集まった。ワークショップ参加者は、結社の自由と団体交渉に関する組織的な権利侵害に取り組むことの緊急性を確認したが、リスク分析も広げ、OHSや労働条件、多様性といった他の分野も調べる予定である。

「社会的公正に基礎を置く権利に基づいた経済を作り上げなければならない」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は述べた。

「力を合わせて持続可能な部門を構築するには、健全で平等な労働条件が基本だ」

会合を主催したトルコメタルのウイサル・アルトゥンダーグ会長は次のように述べた。

「当組合はトルコの輸出主導型部門を中心に組織化されている。私たちの目的は、労働者の権利と事業利益との公正なバランスを保つことだ――しかし、賃金が下がり続けており、このバランスを維持するのが難しくなっている」

ダイムラー・トラックのフローレンス・ゲッケリッツが、トルコの告発者からの苦情によると、組合に加わろうとする労働者が障害に遭遇していると述べた。規則を守っていない可能性のある行動に関する情報は、非常に深刻に受け止められ、慎重に調べられている。一般に、このような事例は、労働権の課題に対処して紛争を防止するための確固たるメカニズムの必要性を強調している。

「トルコの企業で組織化できるようにするための具体的な行動が必要であり、この取り組みには私たちが労働者の権利を擁護できるようにする大きな可能性がある」とビルレシク・メタル・イスのウズカン・アタル会長は述べた。

現在、トルコの自動車サプライチェーンでは体系化された対話が明らかに欠如している。労働権に関する多くの問題は直接裁判に持ち込まれており、相互の関与によって紛争を解決できたはずのメカニズムを回避している。これを認識して、マルチステークホルダー・プラットフォームは、先手を打って紛争を阻止し、信頼を構築し、労働条件の持続的改善を促進する手段として、社会的対話を強化する方法を模索している。

「社会的対話は望ましいだけではなく不可欠だ」とILOのヤセル・ハッサンが述べた。

「企業・部門両レベルの対話は、信頼を構築し、職場紛争を減らし、国際労働基準の遵守を確保することができる」

EU諸国(特にドイツ)は主な輸出先の1つなので、トルコのサプライヤーは人権デュー・ディリジェンス(HRDD)に関する法律に従わなければならない。労働者・労働組合の権利は、この法律の対象となる。同法は適切なリスク分析・苦情処理制度を要求しているだけでなく、ステークホルダーに権利侵害の根本原因に取り組むよう奨励している。

ワークショップでは、欧州連合の企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)の影響を調べた。この指令は企業に対し、サプライチェーン全体で人権への影響を確認して対処するよう命じている。

ドイツ労働総同盟(DGB)のミリアム=レナ・ホーンが、効果的な実施と説明責任を確保するために、労働組合を含むステークホルダーをデュー・ディリジェンス・プロセスに関与させることの重要性を強調した。

「CSDDDはサプライチェーンの関連ステークホルダーとの協議を想定しており、これは労働組合の関与を強化する」とミリアム=レナ・ホーンは述べた。

参加者は、紛争防止、紛争解決、統治に重点を置く3つのテーマ別グループで活動した。各グループは改善すべき主要分野を確認した。例えば、透明な苦情処理制度の確立、HRDD訓練の強化、合意した措置の実施を監督する明確な統治機構の開発などである。

ステークホルダーは、対話の継続と会合で概説された戦略の実施への力強い意思を表明した。この対話は今後数カ月にわたって続き、ロードマップを運用可能にして年末までに具体的な進展を達成するために作業部会を設置する。

ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長が、これまでの進展を強調した。

「共通のロードマップができた。だが今後の措置は、組合権を改めて強く要求することから始めて、善意を永続的な構造変化に変えなければならない。このマルチステークホルダー・イニシアティブにより、ケース・バイ・ケースの対応から脱却して組織的な労働権の課題に取り組み、トルコの自動車サプライチェーンで労働者の権利、労働条件、その他すべてのHRDD分野の持続可能な解決策を生み出すようにするチャンスがある」

ドイツの部門対話について

2020年にドイツ政府が開始した自動車部門対話には、自動車メーカー、サプライヤー、組合、NGO、人権機関が参加し、サプライチェーンの人権デュー・ディリジェンス(HRDD)を促進している。このイニシアティブは、5年にわたって実際的な指針を発表し、部門全体で協力関係を育んできた。政府の資金供給は終わろうとしているが、自動車会社、IGメタル、インダストリオール、NGOなどの参加者は、今ではメンバーが自ら資金を供給している国連グローバル・コンパクト・ドイツでの自発的な活動継続に同意した。

【原文記事URL】
Implementing human rights due diligence in Türkiye’s auto supply chains | IndustriALL

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