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第196号インダストリオール・ウェブサイトニュース

サザンコーンのリチウム――グローバル・サプライチェーンの緊張と機会

2025-07-17

アルゼンチンとチリのリチウム鉱業に関する研究で、エネルギー転換の戦略的産業における労働組合と企業、政府の複雑な関係が明らかになった。この報告書は、バッテリーサプライチェーンに関するFES−インダストリオール・プロジェクトの一環として作成され、統治と労働条件、人権デュー・ディリジェンスに関する課題を強調している。


報告発表の場で、アルゼンチンとチリのリチウム鉱業部門の状況をめぐる議論が行われた。両国は、電気自動車・クリーン技術用バッテリーの製造に不可欠なリチウムの埋蔵量が豊富な重要地域、リチウム・トライアングルに属している。この研究は、労働組合協力の強化と社会・環境基準の改善を目的として、労働者と企業、政府の関係を調べている。

報告書は、両国が主要な輸出先でもあるオーストラリアと中国に世界市場シェアを奪われているにもかかわらず、国内でのリチウム生産を増やしている一方で、下流の工業化プロセスはまだ揺籃期にあることを強調している。アルゼンチンでは統治枠組みが分裂し、連邦政府の管理下に置かれているが、チリはより集権的なモデルに移行しており、国の存在感が強まっている。

雇用面では、労働強度が低く、外部委託と賃金不平等が目立つが、総雇用量と女性参画は拡大している。労働組合代表は強力だが、これまで以上に不安定化・断片化している契約に関連する困難によって妨げられている。

人権デュー・ディリジェンス方針の実施は限定的で、主に自主基準に基づいている。しかし、ヨーロッパにおける厳しい規制の導入は、企業に対する圧力を強めてサプライチェーン全体で遵守を改善する機会とみなされている。

この研究はアルゼンチンとチリの4人の研究者が実施したもので、目的はインダストリオール加盟組織に、成長しているが大きな労働・環境課題を抱えている部門で、キープレーヤーと政治圧力の対象を確認する手段を提供することだった。

この発表には、AOMA(アルゼンチン)とIndustrial Chile Constrametの代表が、インダストリオール代表のローラ・カーター・ラテンアメリカ地域事務所所長代理、ゲオルク・ロイテルト自動車産業担当部長、ダイアナ・ジュンケラ・エネルギーと公正な移行担当部長とともに参加し、次のように述べた。

「この調査報告書により、加盟組織はバッテリーサプライチェーン全体で、特にリチウム鉱業で、より多くの労働者を組織化できるようにしてくれる重要な情報と手段を入手できる。加盟組織が直面している課題を理解することは、彼らを支援できるようにするために不可欠だ。加盟組織はこの情報を自分のものにして、労働組合活動で戦略的に利用できるようになる」

【原文記事URL】
Lithium in the Southern Cone: Tensions and opportunities in the global supply chain | IndustriALL

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