南アフリカのグリーン雇用とは?
2025-07-17
南アフリカはよりグリーンな経済の追求において重大な局面にあり、「グリーン雇用のマッピング、技能開発および公正なエネルギー転換」というタイトルの調査報告書の所見は、グリーン雇用の変革可能性を強調している。この報告は、的を絞ったアップスキリングと国際協力、政策によって、労働者の権利と生活を守る公正な移行を確保しなければならないと力説している。
全国鉱山労組(NUM)の研究部門であるサム・タンバニ研究所(SATRI)による調査報告書は、再生可能エネルギーバリューチェーンと重要移行鉱物(CTM)――リチウム、コバルト、ニッケルなど――における潜在的グリーン雇用を精査し、この変化で生じる機会と課題を詳しく検証している。
報告書によると、グリーン雇用の概念をめぐっては今も論争がある。南アフリカの鉱業・エネルギー部門の多くの労働者は、グリーン雇用を再生可能エネルギーとしか関連づけておらず、CTMの探査や選鉱、精製のような関連分野の機会を見落としている。だが、この報告は再生可能エネルギー、特に製造、建設、設置、運転、維持管理および研究開発において、大きな雇用創出の可能性を確認している。しかし、これらの役割は現地での付加価値と専門技能の学習に依存している。例えば、グリーンインフラやサービスの開発には工学的・技術的・科学的専門知識が重要であり、運営管理・監視技能はグリーンテクノロジーの効率的な採用を確保する。
この報告書は、労働組合の主な関心事が、9万人以上の労働者を雇用する石炭部門の失業をグリーン雇用が相殺できるかどうかであることを強調している。さらに、どれくらいの雇用が創出されるか、それらの雇用は石炭に依存している地域社会が失業のリスクにさらされているムプマランガのような地域で生まれるかという、南アフリカのエネルギー転換問題を概説している。炭鉱労働者はグリーンな役割のために新技能を習得できるか、組合結成のような苦労して得た権利は再生可能エネルギー部門で維持されるか? 明確な答えを出さなければ、組合は石炭から再生可能エネルギーへの移行がどのように労働者に利益をもたらすかを理解できない、と報告書は示唆している。
この報告書は、技能開発がグリーンな雇用機会を開放する鍵であると力説。不可欠な技能は、グリーンインフラを製造するための工学的・技術的専門知識、革新のための科学的知識、グリーン製品へのアクセスを促進する運営管理、再生可能エネルギー源の利用を最適化するための監視にある、と述べている。
これらの技能を習得するには、的を絞った訓練プログラムによって、労働者、特に石炭ベースの産業から移行している労働者に準備をさせる必要がある。CTMについては、雇用創出は現地の選鉱・精製にかかっており、そのためには国際的な技術・財政支援によって能力を構築する必要がある。
この移行は南アフリカのグリーンエコノミーの一部で優位を占めるインフォーマル労働者にも課題をもたらす、と報告書は主張する。南アフリカは32.9%の失業率と苦闘しており、15〜24歳の若者は60.7%、女性は35.7%とさらに高く、グリーン雇用の正規化が重要である。
ポール・ヌデソミン・インダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所所長は次のように述べた。
「私たちはグリーンエコノミーや再生可能エネルギーへの移行に関する労働組合の政治的な立場について知識を構築するために、研究組織やパートナーと協力し続けている。この報告書は労働者のための公正で包括的な移行に貢献する」
NUMはインダストリオール・グローバルユニオンに加盟しており、この研究はインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所とデンマーク労働者統一連盟(3F)によって支援された。