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第199号インダストリオール・ウェブサイトニュース

リベリアのアルセロール・ミッタルで組合が労働協約に署名し、労働者の給付が増加

2025-09-22

インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のリベリア統一労組(UWUL)は9月10日、アルセロール・ミッタル・リベリアと第6次労働協約を締結し、同国の鉱業部門の労働・生活条件改善に向けて重要な一歩を踏み出した。


この3年協約は労働者に大きな利益をもたらす内容で、同労組が交渉力を強めていることだけでなく、リベリアの労働運動の支援において国際連帯が重要な役割を果たしていることも反映している。協約が締結された今、採取産業に大きく依存しているリベリア経済は、企業収益性と公平な富の分配とのバランスを取るよう迫られている。

新しい労働協約にはアルセロール・ミッタル・リベリア労働者の14.5%の昇給が盛り込まれており、インフレ圧力によって近年実質賃金が目減りしていることを考えれば、これは特筆すべき業績である。リベリア統計局の推計によれば、リベリアの消費者物価指数は2024年に約10%上昇しており、今回の昇給は労働者の購買力を守る重要な緩衝材となっている。さらに、この協約は住宅手当の75%増額も確保し、手ごろな価格の住宅を入手しにくい状況が続いている鉱業地域の労働者にとって、最も差し迫った問題の1つに取り組んでいる。同社は労働者の住宅所有支援も約束している。

さらに、この労働協約は給与からの控除なしで15日の年次休暇を導入し、従業員のワーク・ライフ・バランスを大幅に改善している。5日の父親の育児休暇が盛り込まれていることは、男性優位の産業にあって家族への責任の重要性を認めた結果であり、リベリアの労働情勢における前進を示している。健康保険範囲も拡大され、労働者の扶養家族が含まれるようになった。世界保健機関によると保健医療へのアクセスが制限されているリベリアにおいて、これは重要なことである。協約は保険範囲の拡大によって労働者の家族の金銭的リスクを軽減しており、これも自己負担医療費が高い国にあって重要な要因である。

協定の成功は国際連帯に支えられている。UWULは、全米鉄鋼労組(USW)、オーストラリア鉱業・エネルギー労組(MEU)およびインダストリオールからの技術支援のおかげで交渉力を強化することができた。

60カ国以上で事業を展開する世界的な鉄鋼会社アルセロール・ミッタルは、リベリアの鉄鉱石部門で数千人を雇用している。この部門は同国経済の基礎であり、リベリア中央銀行によると2024年に輸出収入の65%を占めていた。

リベリアにとって、この協約は団体交渉が今なお未発達な他の産業に先例を示す。鉱業部門はおよそ1万5000人の労働者を直接雇用し、間接的にさらに数千人を支えており、労働者の権利をめぐる主な戦場となっている。

「アルセロール・ミッタル労働者が交渉チームを支援したことを称賛する」とデイブ・セネーUWUL書記長は言う。

「この労働協約は、アルセロール・ミッタル・リベリアの労働条件改善の重要な手段だ。UWULが労働者の生活を改善する協約を確保したことを称えたい」とインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所のポール・フランス・ヌデソミン所長は言う。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/more-benefits-for-arcelormittal-workers-in-liberia-as-union-signs-collective-agreement

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