香港条約、発効から半年後も未実施
2025-12-08

船舶解撤は世界で最も危険な仕事と言われることが多く、インダストリオールは、この産業を浄化する最も実用的な第一歩として、香港条約の批准を求めて長い間キャンペーンを展開してきた。加盟組織の支援を受け、条約を促進するために力を合わせて政府と船主、融資者、その他の業界関係者に圧力をかけ続けた。これらの努力もむなしく、しかも正式に批准されたにもかかわらず、実際に条約を完全実施している主要な船舶リサイクル国は1つもない。
インダストリオールは、より安全かつクリーンで公正な船舶リサイクルを長期にわたって支持し、香港条約を書類上の作業にとどまらないものにするために何年も運動してきた。2025年6月に香港条約が発効したとき、インダストリオールは、これが全世界の船舶解撤部門にとって「大きな試練であると同時に最も大きな機会」であることを強調した。
インドは新しい船舶リサイクル法をまだ公示していない。この法律を実施しなければ、インドは、解撤場が香港条約の要件を満たすことを認証するために、極めて重要な船舶リサイクル許可証(DASR)を発行することができない。これは条約に準拠した解撤場に船を送りたいと考える船主にとって深刻な問題である。
しかし、インドには確固たる船舶リサイクル手続きがあり、ほとんどの解撤場が香港条約の基準を満たし、解撤場所有者は正しい手続きに従っている。有力な組合があり、社会的対話が活発に行われ、事故の件数と深刻度が大幅に低下している。
バングラデシュの状況はまちまちで、政府は所轄官庁として船舶リサイクル委員会を設置し、DASRを発行している。つまり、バングラデシュに船を送る船主は、書類上は条約に準拠している。
さらにバングラデシュは最近、第155号条約など3つのILO条約を新たに批准した。同条約は労働者に危険な作業を拒否する権利を与え、職場における合同安全衛生委員会の設置を支持している。
しかし、多くの解撤場所有者は香港条約に従って船を解体していないため、今年は30件の事故が発生して4人が死亡、多数の重傷者が出ている。政府には新しい規制を実施する能力も政治的意志もないようである。
パキスタンはまだ改善の余地が大いにあり、ガダニ解撤場周辺地域には適切なインフラがない。連邦政府は今年の予算で4200万米ドルの投資額を発表したが、これはまだ改善をもたらしていない。一方、最初に改良された3つの解撤場はグリーン証書を取得している。
「肝心な点は、香港条約には敵がいること。つまり、この条約は船舶リサイクルの浄化には不十分な文書だと常に主張していた人々だ。香港条約を機能させるのは、この条約を擁護したすべての人の責任だ。労働者の生活と環境を保護できなければ香港条約は少しも役に立たず、一から出直しになる。香港条約を成功させることは万人の利益になる」とウォルトン・パントランド・インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は言う。
【原文記事URL】
Six months after entry into force, the HKC still is not being implemented | IndustriALL
