新着情報(定期協議)

JCMと中国金属工会との交流会議

2013年11月30日

JCMと中国金属工会との交流会議

「両国の政治・経済・労働情勢」をテーマに報告、議論行う

2013年11月22日、名古屋

JCMと中国金属工会との交流会議(2013年11月22日、名古屋)

金属労協(JCM)は20131122日に中国金属工会との交流会議をキャッスルプラザ(名古屋)において開催した。

 今回の会議にはJCMからは西原議長はじめ、相原・有野・眞中・澤田・海老ヶ瀬各副議長、若松事務局長、平川事務局次長(国際担当)らが参加、中国からは団長である張 波・中国機械冶金建材工会主席をはじめ、中国機械夜勤建材工会の劉・ハルビン電機工場有限責任公司工会主席、朱・上海市機械電気工会主席、中国国防郵電工会の菫・大連船舶重工集団有限責任公司工会副主席、顧・国防科学技術部部長、邱・中華全国総工会国際部アジア太平洋処副処長が出席した。

 なお、中国金属工会という組織は存在しないが、中華全国総工会の下部組織であり、金属産業関係を組織化している中国機械冶金建材工会および中国国防郵電工会をJCMでは総称して中国金属工会と呼ぶこととしている。それぞれ、中国機械冶金建材工会は製造設備、自動車、鉄鋼、非鉄金属、金、建築材料、中国国防郵電工会は原子力、宇宙、航空、兵器、造船の業界を組織化している。

張団長(右)と西原議長

 会議は両組織の代表の挨拶で始まったが、張団長はその挨拶のなかで、2013年3月の習近平政権の成立について触れ、習総書記が就任直後に中華全国総工会を訪問したことや中華全国総工会代表大会の開会式に習総書記や李克強総理が出席したことなどから、習政権の工会に対する期待は大きいとし、工会もその期待に応えるよう努力していると述べた。また、中華全国総工会や各産別工会の国際交流活動について、欧米各国の金属労組やナショナル・センター、国際労働組織の幹部との交流、台湾の労働組合との協力関係の構築などに触れた。

その後、「両国の政治・経済・労働情勢」をテーマに双方から報告し、議論を行った。

以下、中国からの報告内容を中心に記載する。

○政治状況および工会の状況

冒頭の団長挨拶にもあったように、習政権の工会への期待が極めて高く、その期待に応えていかなければならない。習政権のスローガンである中華民族の偉大なる復興を目指す「チャイナドリーム」の実現に向けて、中国的特色のある社会主義労働組合の発展の道を歩み、ややゆとりのある社会の構築を主要なミッションとして取り組んでいく。

○工会の重点的な取り組み

上記のミッションを果たすため、労働者の資質・技能を高める、労働の意義の宣伝活動、団体交渉の推進、工会による労働者へのサービス提供の強化、労働者からの工会に対する信頼性の向上を重点的な取り組みとしている。

○労働情勢

三つの主体が中国労働者の新しい特徴になりつつある。一つ目は企業で働く従業員が労働者の主体となっていること、二つ目は私企業の従業員が主体となっていること、三つ目は農民工が産業労働者の主体となっていること。

JCM側出席者

左から若松事務局長、西原議長、張団長

中国金属工会側出席者

○経済、産業状況

世界経済が回復力を欠いている中、中国の経済社会全般は安定的に発展を続けているが、冶金、造船といった産業では生産設備の過剰等によって厳しい局面にある。また、自動車産業では、生産台数も増え国産ブランドは大きく成長したが、自主開発能力は依然として低い等の課題がある。

質疑応答では、「中国国内での台湾系EMS企業の組織化」「チャイナドリームの解釈」「日本の団体交渉と労使協議」等について意見交換が行われた。

次回の開催

最後にこの定期交流の意義を確認し合い、次回の開催についても確認した。中国金属工会との交流会議は20146月に中国で開催の予定である。会議翌日、中国金属工会代表一行は、名古屋地元のトヨタ自動車元町工場を見学、見学後、全トヨタ労連との懇談も行った。