政策・制度課題/産業政策

政府に対する取り組み

最近の政府に対する取り組み

府省との政策懇談(2015年6~7月)財務省、国交省、公取委、環境省、文科省、経産省、厚労省、日銀、外務省、内閣府との政策懇談

 財務省、法務省、国交省、公取委、環境省、文科省、経産省、厚労省、日銀、外務省、内閣府を訪問し、政策懇談行う

金属労協2015年政策・制度課題重点取り組み項目について

6~7月、9府省・公取委・日銀に要請書を提出・政策懇談を実施

 金属労協は、2015年6月2日に財務省、8日に法務省、国交省、15日に公取委、16日に環境省、18日に文科省、24日に経産省、25日に厚労省、26日に日銀、30日に外務省、7月10日に内閣府を訪問し、金属労協「2015年政策・制度課題重点取り組み項目」であげた具体的課題である①ものづくり産業を支えるマクロ環境整備、②ものづくり産業を強化する「攻め」の産業政策、③ものづくり産業における「良質な雇用」の確立、④ものづくり産業の強化に向けたエネルギー・環境政策を柱とする政策の実現をめざして、政策懇談を実施した。各府省等のコメント概要は以下の通り。

①財務省との政策懇談

日  時:2015年6月2日(火)13:30~14:00

出席者:財務省:迫田英典 総括審議官、川本敦 大臣官房総合政策課課長補佐、星野大輝 大臣官房総合政策課財務事務官

    川本敦 大臣官房総合政策課課長補佐

   金属労協:浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長、横田国際局

内 容:*財政再建に向けた政府の無駄の根絶

    *租税特別措置の整理・恒久化

財務省コメント:

財務省との政策懇談で要請書を手渡す浅沼事務局長(右)

★財政健全化の手法は3つしかない。ひとつは経済再生、デフレ脱却による税収の自然増、2つめは歳出改革、3つめは歳入改革である。すべて必要であり、どれかだけで足りるということはない。

★歳出削減については、社会保障費のような大きな問題だけでなく、細かい点まで手をつける必要がある。国民の支持がなければ進まないことであり、行政事業レビューで国民に理解してもらうことは大切である。直接には内閣官房が担当しているが、財務省としてもどう情報発信していくか、中身を理解していただくように努力しなければならない。色々な事業が色々な目にさらされることで、良い意味の緊張感が生まれる。

★現在、金融緩和によって金利が低いが、デフレ脱却をすれば、当然、金利は上昇し、国債の利払費も増加することになる。その時に、財政再建の意思がないと(市場から)判断されると、金利の急騰を招くことになるので、(金融政策の足かせとならないように)財政再建をしっかりせよ、という金属労協の指摘は、そのとおりである。

★租税特別措置については、個別問題については発言できない。特別扱いする制度であるから特別措置ということである。

金属労協コメント:

*痛みが生じることについては、見える化することで理解を進めるのが第一歩である。税制の見直しを求めるにしても、無駄な支出はない、という国民の納得感が必要である。行政事業レビューは、その意味で効果が高い。

*行政事業レビューは、マスコミ報道も少なく、この仕組みがあることを知らない人も多い。いったん5千の事業をすべてチェックするということにすれば、報道も増えるし、大きな注目を浴びるのではないか。いったんすべてのチェックを行ったあとで、不断の見直しを行っていくようにすればよい。

 ②法務省との政策懇談

日  時:2015年6月8日(月)9:30~10:00

出席者:

 法 務 省 :重友和明 入国管理局入国在留課補佐官、荒井直樹 技能実習制度見直しPT第1係長、天野豪 技能実習制度見直しPT研修審査係主       任、船越大幹 入国管理局総務課連絡調整係

 金属労協:井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長

内 容:外国人技能実習制度の適正化

法務省コメント:

法務省との政策懇談で要請書を手渡す井上事務局次長(左)

★実習期間を3年から5年に延長した場合、現在の制度では家族帯同を認めていないため、長期間、単身で日本に滞在することになる。このため、人道的配慮を含めて、1カ月以上の一旦帰国を要件にしたのが、技能実習3号の「一旦帰国」の趣旨である。

★一旦帰国の期間を長くした場合、その間、母国で安定した仕事に就けない、不安定な状態になる懸念があるという意見があった。今後、制度設計の詳細を詰める中で検討したい。

★受け入れ人数枠は、現行の2倍程度までの範囲で、「適正な技能実習ができる範囲」としている。具体的にどう落とし込むのかは省令で検討している。

★日本人と「同等額以上」の賃金については、客観的合理的理由の説明責任を課すことになっている。

★実習計画を作成し、段階的にステップアップすることが実習には重要である。そのためには、同じ実習実施機関であることが大切であり、いつでもどこでもできるというのは適切でない。3号に移行できるのは優良機関のみなので、そこで移るのは問題ないと考えている。同じ職種で移れるように検討している。

金属労協コメント:

*現在の国際情勢の下で、わが国が人権問題で批判を受けるようなことは、絶対に避ける必要がある。死亡・失踪・不正行為が激増している中で、期間延長、受け入れ人数枠拡大をすべきではない。

*1カ月の帰省で、人道的な配慮と言えるのか。最も働き盛りの時期を5年間も日本で過ごせば、帰国後の雇用が不安定になる。3年のあと、母国で当該職種に就き、さらに高度な技能を身に着けたいという人であれば、雇用は安定している。

*前回の見直しの際、厚労省の研究会では、企業単独型のみ再実習という方向性を示していた。

*人権の確保、賃金・労働条件の向上を図るためには、受け入れ企業が変更可能であるということが有効である。

*日本人と「同等額以上」の基準には、社内の賃金表ではなくて、公式の賃金統計を用いるべきである。日本人がいないのに賃金表だけがあって、それと比べて「同等額以上」であればよい、というのはおかしい。

③国土交通省との政策懇談

日  時:2015年6月8日(月)11:30~12:00

出席者 :

 国土交通省:大坪新一郎 海事局船舶産業課長、松本友宏 同専門官、池野史和 海事局総務課専門官

       池野史和 海事局総務課専門官

 金属労協:井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長、弥久末基幹労連事務局次長

内  容:*船舶解撤において安全確保と環境保全をめざす「シップリサイクル条約(香港条約)」早期批准・発効に向けた取り組みの推進

国土交通省コメント:

国土交通省との政策懇談でシップリサイクル条約推進のポスターを渡す井上金属労協事務局次長(中央)と弥久末基幹労連事務局次長(右)

★シップリサイクル条約については、金属労協と政府が同じ方向であることは喜ばしい。あとはどう進めるかが課題である。できるだけ早く批准したい、早期発効が望ましいと外務省も言っている。

★現在は、3カ国しか批准していない。条約発効の条件は、①国の数、②批准国の船の数、③批准国の解撤能力、の3点である。

★日本が率先して批准すべきとのことだが、現在は国内法制化の準備作業をしている。法の目的が、安全と環境の2つとなっているため、労働安全衛生と海上汚染防止がからんでくる。法をつくる技術としては難しいが、準備をしつつ、EU、中国、インドなどの批准が進んで、日本も批准するようにしたい。現在、3カ国が批准しているが、法の準備が間に合わず、4番目に批准というのは難しい。他国と対話を進め、発効の目途を立たせるのと、国内法整備と両面作戦でやるしかない。

金属労協コメント:

*金属労協だけでなく、われわれの加盟するインダストリオールとして、工藤造船・船舶解撤部会長の下、強力な取り組みを進めており、ポスターも作成している。本日の要請活動についても、インダストリオールに報告する。

④公正取引委員会との政策懇談

日  時:2015年6月15日(月)13:30~14:30

出席者 :

 公正取引委員会:鎌田明 経済取引局取引部企業取引課長、山田卓 経済取引局取引部取引企画課課長補佐

         山田卓 経済取引局取引部取引企画課課長補佐

 金属労協:井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長

内  容:*「優越的地位の濫用」行為の抑止・早期是正の体制強化、下請法における刑事罰の強化

公正取引委員会コメント:

公正取引委員会との政策懇談で要請書を手渡す井上事務局次長(左)

*独占禁止法違反に関する職権の行使については、情報が何もない中で一軒一軒ドアを叩くわけにはいかないが、クロに近い情報があれば動けるし、シロに近い情報であれば追加情報を待ったり、職権で情報を手繰ったりしている。職権を使って端緒を見つけてしっかり措置をとれというご指摘については、情報の確度に応じて、一生懸命こちらから動いてやっているし、今後きちんとやっていく。

*優越的地位濫用事件タスクフォースによる注意件数は、平成26年度は49件となった。年度にまたがる事案もあるので、数件の動きに拘らず、長いスパンで見てほしい。

*下請法における刑事罰の件については、まずは勧告という行政指導を行い、従わなければ独禁法に基づき調査し、ダメなら刑事罰、という手順を踏んでいる。下請法が行政指導にしているのは、取引が無くなると下請事業者に影響が出るので、取引の継続を前提にしているためである。親事業者に是正してもらう方が下請にとってもよいことである。独禁法上の排除措置命令に従わなければ、最後には刑事罰ということになるが、優越的地位の濫用案件では、まだ実績はない。

*買いたたきについては、問題があれば動くが、人が少ない中で、どれだけ情報を集められるかが重要である。匿名でも情報をいただければ動ける。公取委に800人程度いたが、40~50人が消費者庁に移った。人がいないと機能しない仕事であり、体制強化が必要である。

*声を上げにくい人の声を拾うことは大事である。中小の事業者が困らないように、下請法にしっかり取り組む。

金属労協コメント:

*業態的に小売業者はもの申し入れやすく、金属産業は力関係で、納入業者がもの申しにくいことは否めない。

*優越的地位濫用事件タスクフォースの注意件数について、数件の動きに拘り、2013年度は過去最高と宣伝しているのは公取委ではないか。2014年度に減少しているのが、行為が少なくなったのを反映しているのならよいが、政労使会議での経産省のデータなどを見ると、もちろんそうではないだろう。

*タスクフォースは50件程度しか注意しない、小売業やサービス業の取引だけが対象で、製造業には関わらない、というような、誤ったメッセージを与えているのではないか。

*公取委の体制が十分でないというのは承知している。そうであれば、やはり一罰百戒ということも必要なのではないか。

*公取委に対しては、十分な情報を持ち込まなければ動いてくれない、というような誤った認識が広がっているようだ。職権での調査については、真っ白な情報では動けないだろうが、白に近い情報であっても、職権で情報を手繰っていくというお話を伺った。私どもとして、この回答については、組織内外に幅広くお伝えしていく。金属労協が嘘をついた、と言われないよう、公取委の積極的な取り組みをお願いしたい。

*取引額の1%という課徴金が、どれだけ効果があるのかは、きわめて疑問である。社名の公表も、これだけ色々な不祥事があると効果が薄いのではないか。政労使会議でも取り上げられているように、適正な取引が確立されず、付加価値の適正な配分が行われていないことが、むしろ中小企業の活動を委縮させ、わが国の成長を損なっているのではないか。刑事罰で経済活動が委縮しないように、という公取委の心配は理解しがたい。

⑤環境省との政策懇談

日  時:2015年6月16日(火)11:00~12:00

出席者 :

 環境省:田中聡志 大臣官房審議官(地球環境局担当)、井上和也 地球環境局総務課課長補佐

     吉田勇輝 政策評価広報課

 金属労協:浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長

内  容:*国際的に責任を果たし得る温室効果ガス削減目標の提示

     *安定的かつ低廉な電力供給確保

     *再生可能エネルギー固定価格買取制度などの改善

環境省コメント:

環境省との政策懇談で要請書を手渡す浅沼事務局長(右)

*温室効果ガスの削減目標26%は、容易ではない。現在稼働している原発がない中で、原子力発電比率20~22%が前提になっている。原子力発電を動かせればよいが、国民の理解を得るには、安全対策の面ですんなりとはいかない。電力価格を引き下げるため、石炭火力も動かしているが、問題が大きい。3E+S(安定供給、コスト低減、環境負荷低減、安全性)といっているが、バランスが大事であり、価格だけでなく、全体を見るべきである。バランスの中で、全体の最適を求めていくことになる。議論しながらやっていくしかない。

*再生可能エネルギーは大事だが、急にやると無理が出てくる。長期的に、少しずつやるしかない。

*CCSは、ヨーロッパでもまだ実証事業の段階であり、安全にやるのは難しいのではないか。将来を見据えて実証事業をしているが、2100年までにCCSをものにしなければならない。バイオマスで吸わせて、CCSをかませてやるのがよいと言われている。

*JCM(二国間クレジット制度)の事業展開は増えている。相手国を含めて承認されているのは4件で、小規模のものが中心だが、これから広がりを持たせていきたい。

金属労協コメント:

*こんどの削減目標については、われわれとしてきちんと評価できる知見を持っているわけではないが、とにかく実効性確保のため、具体的な対策を進めて欲しい。

*金属産業は、原子力発電所を作っている産業であり、電力使用量の多い産業でもある。冷静な判断によって、バランスの取れたところに持っていきたい。

*原子力発電の比率を20~22%にするのであれば、当然40年を超えて稼働させることが必要になる。新世代発電システムの活用も不可欠である。

⑥文部科学省との政策懇談

日  時:2015年6月18日(木)13:30~14:30

会  場:文部科学省本省11階 省議室

出席者 :

 文部科学省:德久治彦 大臣官房総括審議官、錦泰司 施設部施設助成課課長補佐、尾白泰次 初中局児童生徒課産業教育振興室産業教育調査官、持       田雄一 初中局児童生徒課産業教育振興室教科調査官、山本剛 初中局初等中等教育企画課専門官、松下大海 初中局財務課給与予算総       括係長、岩澤大介 初中局教職員課認定係主任、丹羽雅也 大臣官房総務課法令審議室専門職、丹羽雅也 大臣官房総務課法令審議室専       門職

 金属労協:浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長、横田国際局、宮本政策委員(JAM産業・業      種グループ・グループ長)

内   容:*工業高校教育の強化

      *良質な保育環境の一刻も早い整備

文部科学省コメント:

文科省との政策懇談で要請書を手渡す浅沼事務局長

*工業高校の3年離職率については、工業高等学校校長会でデータを発信している。

*学校の設備をどの程度整備するか、目安を示している。設置者である都道府県や法人の判断であるが、国として交付金などで補助している。学科が多岐にわたり、地域の状況もさまざまなので、使い方は縛っていない。学校の設備は、都道府県の備品になるので、都道府県が把握している。校長会では綿密に調べている。

*実習助手は、学校教育法で位置づけ、任用している。給与の格付は、地方公共団体が条例で定めている。認定講習は、都道府県、大学が開設している。開設者の判断で適正に行われるように促したい。

*工業高校の実習現場は、学校として安全衛生を徹底しているが、産業からの視点は違うかもしれない。地域の企業との対話を通じて、対応していく。教員研修センターで指導者養成事業を行い、安全衛生についてもカリキュラムに入れている。59名が参加しているが、各都道府県で実施するときは、指導、助言することを期待している。

*余裕教室の活用は有効な取り組みであり、財産手続きの簡素化をしている。2014年8月から有識者会議で留意事項の検討をしており、2015年9月には報告書をとりまとめる予定にしている。自治体の取り組みを支援したい。

金属労協コメント:

*技能オリンピックの出場資格は、U22である。工業高校で技能を身に着け、企業でさらに向上を図ることが必要である。

*校長会の3年離職率のデータは、全国のデータではないだろう。離職率の低さは産業の魅力になるので、全国の状況を公表していただきたい。

*長野県の例を見ると、理科と産業教育の設備整備の予算が、コンピューターを含めて2億7千万円、このうち産業教育設備は1,300万円程度だが、設備の更新要望は7億円に達している。2013年度に国の「地域の元気臨時交付金」で3億6千万円分の設備を更新したが、もともと古い機械を使っているので、すぐに更新要望は7億円に戻っている。これに対し、国庫支出金は5百万円にすぎない。国の再興戦略のひとつとして増額すべきである。

*工業高校の設備が目安に対してどうなのか、どのくらい古い機械を使っているのか、校長会がデータを持っているだけではなく、文科省として掌握し、必要な対応を行うべきである。

*実習助手については、各都道府県の名称の状況などを見ると、職務と名称・待遇のギャップに苦労していることが明らかである。シンプルに考えれば、実習助手を実習を担当する教諭になるためのステップと位置付ければよいのではないか。実習助手の方については、教員免許を持っているが教員採用試験に受からなかった人と、高卒・大卒を問わず、教員免許を持っていない人とに分かれると思うが、前者については、一定期間の実務経験により、教諭として2級に任用替えする、後者については、一定の実務経験のあと、認定講習により教員免許を付与し、教諭として2級に任用替えする、いずれの場合も、工業高校がブラック職場にならないよう、40代、50代ということではなく、30歳くらいの早い段階で任用替えする、ということではないか。

*JAMでは「熟練技能継承事業」を行ってきた。工業高校に派遣された高度熟練技能者からは、学校の安全意識が低いことや、学校がメンテナンスをしていないために機械が埃をかぶっているとの指摘がある。教員の技能レベルや知識の向上に取り組んでほしい。「熟練技能継承事業」で教員に研修を行ったところ、ぜひという声があったが、若年技能者人材育成支援等事業では、教員の指導ができないことになっている。ものづくりマイスター推進会議では、第1回会合には、厚労省だけでなく経産省、文科省が参加していた。関係府省が連携しながら教員の教育に取り組んでほしい。

*工業高校の実習は、職場と同じ行為であり、生徒が不慣れであることを考えれば、安全の確保に今まで以上に配慮していただきたい。

 ⑦経済産業省との政策懇談

日  時:2015年6月24日(水)13:30~14:30

出席者 :

 経産省:平井裕秀 経済産業政策局審議官、梶直弘 経済産業政策局産業人材政策室室長補佐、前田慶太 経済産業政策局企業行動課係長、高瀬識之     通商政策局経済連携課係長、川端尚志 産業技術環境局環境調和産業・技術室室長補佐、関根悠介 産業技術環境局環境経済室係長、横井勇     一 産業技術環境局地球環境連携室係長、菅野将史 製造産業局参事官室課長補佐、岡野泰久 製造産業局化学課係長、渡邊貴史 資源エネ     ルギー庁戦略企画室係長、田中健人 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課課長補佐、大森洋平 資源エネル     ギー庁資源・燃料部石炭課課長、家城太一 資源エネルギー庁電力ガス・事業部電力市場整備課係長、加藤眞伸 資源エネルギー庁電力・ガ     ス事業部電力需給・流通政策室室長補佐、村上豊 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課係長、山岸航 資源エネルギー庁電力・     ガス事業部原子力発電立地対策・広報室室長補佐、多田佳之 中小企業庁事業環境部取引課課長補佐、下野友也 経済産業政策局産業人材政     策室

 金属労協:浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長、横田国際局

内   容:*TPPをはじめとするEPA、FTAの締結の加速

      *「優越的地位の濫用」行為の抑止・早期是正の体制強化、下請法における刑事罰の強化、「下請適正取引等推進のためのガイドライン」       の取り組み強化

      *CSR会計の普及・促進

      *「ものづくりカイゼン国民運動」の全国展開

      *租税特別措置の整理・恒久化

      *国際的に責任を果たし得る温室効果ガス削減目標の提示

      *安定的かつ低廉な電力供給確保

      *再生可能エネルギー固定価格買取制度などの改善

経産省コメント:

経産省との政策懇談で要請書を手渡す浅沼事務局長(右)

*アベノミクスのサイクルに入って、経済に火がつきつつある。デフレ脱却に向けてこの流れを持続的なものにしていくためには、労働者の生産性の向上に合わせた賃上げも含め、労働界との協働した取り組みが今後も必要である。経済産業省でも生産性向上に向けたさまざまな施策を講じているが、率直に言って決定打と言えるものがなく、今後も引き続きJCMからの提言をいただきたい。

*自由貿易の拡大、経済連携の推進は、日本の通商政策の柱である。TPPの交渉は最終局面にあり、他のEPAも含め、早期の妥結に向け全力を尽くしていく。交渉中は日本の畜産農家への打撃が懸念されていた日豪EPAについても、それほど大きな問題はなく、オーストラリア牛肉の価格が下がるなど、消費者にメリットがあると認識している。

*下請取引の適正化については、関係府省と連携しながら、親事業者と下請事業者間の望ましい取引を具体的に示した下請適正取引ガイドラインを策定するともに、業界団体などに向け説明会を開催している。アッセンブリーメーカーに対する「適正取引推進マニュアル」の推奨については、自動車産業だけでなく、産業機械・航空機産業のガイドラインにおいても、盛り込まれている。

*経済産業省が実施している「ものづくりカイゼン国民運動」に対しての金属労協の協力に感謝申し上げる。企業OBを各企業に講師として派遣するにあたり、すでに退職してしまった人材を見つけることは、なかなか困難であるため、事業の推進には組合の協力が必要である。来年度以降も予算要求を継続し、現在は地域限定的なこの運動を今後は全国的に展開していきたい。

*温室効果ガス削減目標については、世界全体での取り組みが重要である。本年12月に開催されるCOP21に向け、2020年以降の温室効果ガス削減目標の約束草案を事前に提出することになっている。日本の草案は、2013年度比で26%の削減となっており、この目標は先進国の中では最高水準で、国際的にも遜色ないレベルである。

*電力自由化が進んでいる諸外国では比較的安価に電力を供給できており、日本でも数年来、電力システム改革に取り組んでいる。先般、改正電気事業法が国会を通過し、電力自由化に向けて着実に前進している。

*原発については、昨年策定したエネルギー基本計画で、引き続き重要なベースロード電源であると位置づけられている。原子力規制委員会で新規制基準に適合すると認められた原発の再稼働を進めることが政府の方針である。

*中長期的な次世代発電システムの開発については、技術開発を進めるためのロードマップを策定し、太陽光をはじめとした次世代エネルギーの低コスト化に取り組んでいる。CCSについては、2020年頃の実用化をめざしている。

*固定価格買取制度は、指摘のとおり、太陽光に偏ることのない導入・再編を進め、国の負担を抑制していくことが重要である。

 金属労協コメント:

*JCMはTPP推進の立場であるが、国際労働運動の面でも、TPPは日本ではじめて中核的労働基準の入った貿易協定であるということで支持を得たいと考えている。TPPなどの自由貿易協定では、関税を撤廃すれば負け、維持すれば勝ちのような論調があるが、わが国の関税撤廃はわが国の消費者にとって利益になる面があり、政府としてもその点に留意すべきである。

*連合の上部団体のITUCより、交渉経緯が不透明であるということを理由として、TPP交渉を中止せよという方針が出ているが、日本においては連合と政府間での協議を通して、透明性が確保されていることから、この動きには同調していないことも付け加えておきたい。

*下請適正取引ガイドラインについては、業種ごとに記載のレベル感に違いがあるため、雛型を作成し、業種に関わらず、必ず記載する項目を決めるようにしてはどうか。

*ものづくりカイゼン国民運動は、厚労省の若年技能者人材育成支援等事業と並び、日本のものづくりを支える政策の核となるものと考えており、来年度以降も予算を拡充し、全国的な展開を図っていただきたい。

⑧厚生労働省との政策懇談

日  時:2015年6月25日(木)10:30~11:30

出席者 :

 厚生労働省:石井淳子 政策統括官(労働担当)、伊藤昭彦 労使関係担当参事官、渡辺正道 労使関係担当参事官室調査官、中山克美 労使関係担       当参事官室室長補佐、大比良祐子 大臣官房国際課課長補佐、秋山雅紀 職業安定局派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室室長       補佐、深見裕美 職業能力開発局能力評価課企画係長、山口久雄 職業能力開発局海外協力課外国人研修推進室職業能力開発指導官、中       島みどり 職業能力開発局海外協力課外国人研修推進室、重河真弓 雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課育児・介護休業推進室室長補       佐、伊藤明子 雇用均等・児童家庭局育成環境課課長補佐、里平倫行 雇用均等・児童家庭局保育課課長補佐、稲垣篤史 労使関係担当       参事官室第2係長、稲垣篤史 労使関係担当参事官室第2係長

 金属労協: 海老ヶ瀬副議長・政策委員長(全電線委員長)、浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局       部長、横田国際局

内   容:*工業高校卒業者の3年離職率の公表など、工業高校の魅力の積極的な情報発信

      *「若年技能者人材育成支援等事業」の活発化

      *ILO基本8条約のうち、未批准の2条約の早期批准

      *事業所内保育施設に対する支援拡充など、良質な保育環境の整備

      *外国人技能実習制度の人権の改善と本来の趣旨・目的を前進させる見直し

厚生労働省コメント:

厚労省との政策懇談で要請書を石井政策統括官に手渡す海老ケ瀬政策委員長(中央)

*3年離職の状況は、毎年11月にハローワークの求職者データから産業別に発表している。出身学科は登録していないので、集計もしていない。

*ILO条約は、目的、内容、意義を検討して、国内法制との整合性について検討し、判断している。昭和28年の閣議決定で、条約を批准する場合は、批准より先に立法するように定められている。105号条約(強制労働廃止)は、国家公務員が政治的見解を表明することで、懲役刑を科せられることが障害となっている。111号条約(差別禁止)は、労働基準法で募集採用の差別禁止が「性別」のみなので、立法措置が不十分である。

*事業所内保育施設の助成金については、自社の離職防止、人材確保の観点から、保育施設を設置している事業主を支援している。3歳以上児の取り扱いがまさに焦点であることについては、承知している。金属労協として状況の掌握をなさるのであれば、ぜひ情報提供をいただきたい。

*余裕教室の活用は、厚生労働省として保育所整備の補助をしているし、文科省でも財産処分手続きの簡素化をしている。実情を評価しながら活用を進めている。

*放課後児童クラブに関しては、「放課後児童クラブ運営指針」を策定し、2015年4月より適用している。体制強化というよりも、各自治体が条例で基準を策定しているので、それを遵守させることで質の確保に取り組んでいる。

*外国人技能実習制度は、国際協力の趣旨を徹底するよう法案を作成し、国会に諮っている。成立後、法務省とともに、運用の徹底に取り組む。

金属労協コメント:

*工業高校出身であるということは、就職活動において重要な情報であり、求職者が工業高校出身であれば、それがわかるようにすべきである。

*2条約の批准に向けて何も前進していない。今日のお話で、結局批准ができないのは、厚労省が必要な対応をしていないからということがはっきりした。厚労省が何もしていないのに、他の府省が法整備をしてくれるはずがない。

*子ども・子育て支援新制度は稼動したばかりだが、今後、事業所内保育施設における3歳以上児の状況について、組織内の情報を収集し、必要な改善要望をしていくつもりであるので、よろしくお願いしたい。3割の定員割れがある幼稚園に行ってもらえばよい、という従来の発想のままでは、うまくいかないのではないか。

*厚労省はやっているというが、全国3万の小中学校のうち保育所設置が112カ所では、あまりにも少ない。

*最近の傾向を見ると、放課後児童クラブで父母会・保護者会の運営によるものが減少しており、当然の流れであると思うので、ぜひ支援していただきたい。

*いま外交関係が非常に厳しい中で、日本は人権問題で批判を招くことがあってはならない。2013年度には、死亡・失踪・不正行為が激増しているが、こうした中で期間延長、受け入れ人数枠の拡大を行うべきではない。従業員51名の企業の場合、現行では技能実習生は最大18名だが、新制度では60名になるのではないか。適切な生活指導、技能指導は不可能である。

⑨日本銀行との政策懇談

日  時:2015年6月26日(金)14:00~15:00

出席者 :

 日本銀行:原田泰 審議委員、内田眞一 企画局長、田中英敬 政策委員会室審議委員原田泰スタッフ企画役、益田清和 政策委員会室国会渉外企画      役 (窓口)益田清和 政策委員会室国会渉外企画役

 金属労協:浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長

内  容:*デフレ脱却と為替相場の安定

     *消費者物価上昇率2%と人手不足を前提とした経済システム構築

日本銀行コメント:

*賃上げは、消費税を別にすれば物価上昇をカバーできている。パイは間違いなく広がっている。賃金が下がっている人はいないが、差が出ていることが不満になっている。とはいえ、大手の賃金が上がらないと全体が上がらない。人手不足感があるので、需給を反映して、派遣、アルバイト等、非正規労働者の賃金が上がっている。中小も去年よりは上がっている。2年続けて賃上げしたので、来年もお願いしたい。

*CPIがほぼゼロになっているのは、消費税の影響で需要が伸びなかったことが大きい。賃上げが消費税率引き上げに追いつかない、年金の調整など、消費者に不利なことが重なったので、ものを買える状況でなかった。4月にいったん値上げしたが、需要がなく下げてしまったというのもある。昨年夏以降、原油価格が半値になったので、今から夏までが物価上昇が一番低く、その後は原油価格の影響が消え、来年度後半には物価が2%程度に上昇するのではないか。夏場は電気料金が下がるので、ゼロか小さいマイナスになるかどうかである。今年度前半はほぼゼロだが、後半は急激に上がってくる。それが春闘に間に合うかどうかは微妙であるが、後半上がってくることについては、反論しにくいだろう。

*国債はたくさんあるので、市中から買えないことはありえない。国債を担保に使っているというが、何百兆もあるわけではない。所詮、価格次第であり、われわれは金利を下げるために買っているので、買うのが難しくなるということは、ちょっと買えば金利が下がるということであり、むしろ効果が高まることを意味している。心配していないし、順調に買えている。

*為替の変動は、欧州、ギリシャや、アメリカの利上げが要因であり、急に円高になる要因はない。アメリカ経済にとって、今くらいのドル高は問題ない。

*雇用と人手不足については、言われるとおりである。データの関係で昨年度のマイナス成長はあそこまで低くなく、実際はゼロ成長くらいだったのではないか。人手が逼迫して、稼働率は悪くない。マイナス成長なら人手不足になるわけがない。

*意外と早く人手不足にぶつかった。人手不足の経済では、人が貴重になる。人手不足が色々な壁を取り払う契機になる。景気が良くなれば、別の企業に移ることによって雇用を守ることもできる。それに伴って生産性も上昇する。そういう環境になりつつある。

*中長期的に財政の健全性を守ることは重要である。発行額と同額を買っているので財政ファイナンスと見られる可能性もあるが、政府を助けるためでなく、2%の安定的な物価上昇のために取り組んでいるのであって、財政ファイナンスを目的としていないところが重要である。年間80兆円は、デフレを脱却したらやめる。2%になればやる理由はなくなるので、ゆっくりやめる。

*消費者物価上昇率2%をインデックス化して欲しい。外国では、2%を前提として賃金も公共料金もプリセットされている。まだ2%ができていないので、すぐというわけではないが、そうした状況になっていけば、ずいぶん風景は変わってくる。

金属労協コメント:

*直近の物価上昇はゼロに近いが、賃金が上がるという方向感は継続していきたい。

*われわれは、量的・質的金融緩和が財政ファイナンスであるとはまったく思っていない。しかしながら、そのようなことを言うエコノミストがいるので、しっかり情報発信をお願いしたい。

⑩外務省との政策懇談

日  時:2015年6月30日(火)14:00~15:00

出席者 :

 外 務 省:田島浩志 経済局政策課長、広瀬真一 経済局政策課課長補佐、大久保眞彦 国際協力局専門機関室外務事務官

     (窓口)広瀬真一 経済局政策課課長補佐

 金属労協:井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長、横田国際局

内  容:*TPPをはじめとするEPA、FTAの締結の加速

     *グローバルな経済活動下での中核的労働基準確立に向けた取り組み

     *船舶解撤において安全確保と環境保全をめざす「シップリサイクル条約(香港条約)」早期批准・発効に向けた取り組みの推進

外務省コメント:

外務省との政策懇談でシップリサイクル条約のポスターを手渡す井上次長(中央)と浅井局次長(右)

★TPPは、アメリカの交渉権限の問題が解決し、これから早期妥結に向け、大詰めの交渉を進めることになる。包括的で高いレベルの自由化をめざすのがTPPの趣旨であり、精力的に進めていく。

★スピード感を持って、8つのEPA交渉を進めている。国内関係者の意見を聞きながら進めていく。日EUのEPAは、スピードのみならず、質を重視して取り組んでいる。可能であれば2015年の大筋合意をめざして、交渉を加速したい。

★ILOの基本条約の関係では、批准にあたっては、国内法との整合性確保が必要となっている。105号、111号は、検討事項が残っていると聞いている。引き続き検討するというのが政府の立場である。

★在外公館に対する日系企業からの相談は、年間4万件以上に達している。企業が現地で活動する上で、中核的労働基準を守ることが重要であり、大使館から最新情勢の紹介をするとともに、企業の支援依頼に対応できるようにしている。

★シップリサイクル条約は、日本主導の条約であり、関係府省と連携して締結できるように真剣に検討している。船舶解撤は途上国を中心に行われているが、劣悪な労働条件が指摘されている。早期締結が望ましいと考えている。

 金属労協コメント:

*金属労協は国内、そして海外で、労使参加の下、海外の日系企業において、中核的労働基準に抵触する労使紛争が起きないよう、セミナー、ワークショップを開催している。最近は組織内の企業でのそうした紛争が減ってきているように感じられるが、その成果ではないかと思っている。一方、国内に労働組合のない企業、そもそも国内には拠点のない企業での労使紛争が増えている。こうしたところは現地の人事マネージャーやコンサルタント、弁護士に任せ切りで、問題が深刻化・長期化しやすい。どの労使紛争もパターンは同じなので、在外公館から情報発信していただければ、効果がある。

*われわれの上部団体であるインダストリオールでは、金属労協副議長が造船・船舶解撤部会長を務めており、担当部長も2010年に日本から派遣している。かつてひどい状態にあった解撤現場でも、組合の組織化などの取り組みにより、状況は少しずつ改善している。そうした取り組みをぜひご理解いただきたい。

*日本が主導して採択された条約だからこそ、発効を待つのではなく、世界に先駆けて批准して欲しい。いまは3カ国だが、今のうちに日本も批准すれば、日本の宣伝にもなる。インドや中国の後塵を拝してはならない。

⑪内閣府との政策懇談

日  時:2015年7月10日(金)11:00~12:00

出席者 :

 内 閣 府:前川守 政策統括官(経済財政運営担当)、新原浩朗 経済財政運営担当審議官、川辺英一郎 参事官(総括担当)、黒田岳士 参事官      (経済対策・金融担当)、須藤治 参事官(産業・雇用担当)、澤田康広 政策統括官(経済財政運営担当)付参事官(総括担当)付

      (窓口)澤田康広 政策統括官(経済財政運営担当)付参事官(総括担当)付

 金属労協:浅沼事務局長、井上事務局次長/政策企画局長、浅井政策企画局次長、諏訪政策企画局部長、横田国際局

内  容:*デフレ脱却と為替相場の安定

     *消費者物価上昇率2%と人手不足を前提とした経済システム構築

     *財政再建に向けた政府の無駄の根絶

     *労使対等の下で、勤労者への適正な配分を促し、従業員のモチベーションを高める労働法制の確立

内閣府コメント:

内閣府との政策懇談で要請書を手渡す浅沼事務局長(右)

*「経済財政運営と改革の基本方針2015」は、財政健全化に焦点をあてた。経済再生と同時に財政健全化を進めていく。

*日銀の金融コントロールの操作目標に対する実績の評価は、毎月の指標では弊害があるため、四半期で見た方がよい。金融政策は、中長期を見て実施している。年14回開催していた金融政策決定会合も、来年から年8回に見直す。

*三重野総裁の当時は、バブルの悪影響が残っていたため、経済の過熱を押さえる観点から、景気の抑制によって人手不足の解消を図るという考えが示されたのではないか。現在では杞憂だと思う。

*人が財産であるということを強く打ち出している。社会で役に立つ人材を育成する観点から、基礎学力があって、自分で考えられる人材の育成に力を入れている。高専卒・短大卒については、即戦力となる、中堅管理職を担う人材を地域に供給していきたい。大学は3つに区分して職業的な教育を行っていく。

*「行政事業レビュー」は、全事業対象なので、個別施策を見るのに役立っているが、削減額は1年で4,000億円であり、これで歳出削減を満たそうとしても限界がある。歳出拡大は、社会保障が原因である。医療などはキャップが効かない支出であり、このため病気にならないための施策を進めている。地方自治体では、先駆的に予防事業を実施し、効果をあげているので、それを全国展開し、支出を削減していく。

*PFIであっても無駄なことをやらないのは当然のことだが、PFIの導入は海外と大きな差があるので、せめてこのくらいという額を目標とした。

金属労協コメント:

*人材育成については、工業高校の強化もお願いしたい。現場では、技術はわかるが、それをサービス、ものにつなげられる技術者が不足している。

*金融の操作については、単月では特殊事情が働くというのは、十分承知している。傾向的にどう動いているかということが重要である。

*かつて日銀の三重野総裁は、人口の高齢化・若年人口の減少による人手不足に対し、金融政策をもって総需要を管理するとの考えを示していた。杞憂であれば結構なことである。

*歳出改革で社会保障が焦点というのは、十分承知している。そのような大きな分野だけでなく、小さな部分ごとの削減も必要であり、とくに小さな部分の削減をきちんとやっていることを国民に示すことは、消費税率再引き上げに理解を得るためにも、きわめて重要である。行政事業レビューシートは、骨太方針で触れているエビデンスをまさに整理したものであり、この仕組みを活用すればよい。

*われわれは民間委託やPFIの促進を支持しているが、地方自治体の姿勢次第では、公務員がやれば安く済むのに、民間委託でかえって費用が大きくなってしまったりする。PFIについては、金額で目標設定するのはおかしい。公共事業のうちでPFIの比率を増やすというのなら理解できるが、PFIだからいいだろうということで、無駄な公共事業が行われては困る。

以 上

その他の政府に対する取り組み

一覧