総合労働条件の改善

最低賃金連絡会議

金属労協は毎年1月、加盟5産別の中央・地方の最低賃金担当者が一堂に集い、会議では1年間の産業別最賃の取り組みを総括する共に、次年度の取り組み方針について論議、全国の最低賃金担当者から意見・要望を聞いて確認します。

最近の最低賃金連絡会議

「2019年最低賃金連絡会議」ひらく(2019年1月23日、大田区産業プラザPiO)

2019年度特定最低賃金の取り組み方針を確認
加盟5産別から最低賃金担当者ら約280名が出席

金属労協(JCM)は、2019年1月23日午後、東京・大田区の「大田区産業プラザPiO」で、加盟5産別の中央・地方の最低賃金担当者ら約280名出席の下、金属労協2019年最低賃金連絡会議を開催し、2019年度特定最低賃金の取り組み方針などを確認した。

野中孝泰労働政策委員長挨拶(要旨)

*IoT、ビッグデータ、AI、ロボティクスの技術革新が、今後、加速度的に進んでいくものと考えている。これらを、日本経済成長の原動力にしていかなければならない。「日本の他国が真似できないものづくり力+異なる産業」によって、新たなサービスを生み出し、第4次産業革命を日本のものづくり産業の活性化につなげなければならない。
*2018年度の特定最低賃金の金額改正は、9割が前年の引き上げ額を上回った。平均21円を月160時間とすると3,360円となり、ベアを大きく上回る引き上げによって、金属産業の賃金の底上げに貢献できた。ここにお集まりの皆さんの日頃のお取り組みの賜物である。一方、地域別最低賃金をいったん下回った最低賃金は27件であり、昨年から4件増えている。このうち12件が使用者側の反対により金額改正できないという状況にある。
*経団連「経労委報告」では、特定最低賃金はもういらないという前提で論理展開がされている。労働組合として、申出要件を満たした上で手続きを行っているにもかかわらず、真摯に審議に応じようとしない態度は、断じて認めることはできない。
*特定最低賃金は、地域別最低賃金に対して優位性を持つべきである。ものづくり産業は日本を支える基幹産業であり、常に高い生産性を生み出す産業である。労働時間当たりの付加価値と雇用者報酬をみると、金属産業の労働時間当たりの付加価値は全産業平均を30%上回っているが、労働時間当たりの雇用者報酬は15%程度しか上回っていない。金属産業の特定最低賃金は、今後も高くあり続けるべきである。第4次産業革命は、日本の強いものづくり産業が支えるからであり、新たな時代のものづくり産業に対応できうる優秀な人材確保が必要だからである。
*特定最低賃金の意義・役割を共有して、取り組みの強化をしていきたい。第一に、企業の枠を超え、広く産業全体の賃金の底上げ・格差是正に役割を果たしており、同一価値労働同一賃金を基本とした均等・均衡待遇の実現のために、重要性が増している。第二に、当該産業労使の意思を尊重する制度であり、審議を通じて、地域の産業や人材のあり方などについて話し合うことで、地域の産業の健全な発展につながる制度である。こうした認識に立ち、労使でしっかり論議を深めるべきである。
*本日の最低賃金連絡会議をスタートとして、2019年度の特定最低賃金の取り組みが本格化する。まずは、春季生活闘争で、企業内最低賃金協定の締結拡大と水準引き上げにしっかり取り組み、その成果を、特定最低賃金を通じて、未組織労働者・非正規労働者に波及すべく、産別本部・地方組織、連合、金属労協の連携を強化しながら、取り組んでいくことをお願い申し上げる。

最低賃金を取りまく動向と課題

 冨田珠代連合総合労働局長からは、「最低賃金をとりまく動向と課題」と題して、連合「2019年最低賃金取り組み方針」、2018年度の最低賃金の取り組み報告、経団連「経労委報告」における経営側の主張のポイントについて報告をいただいた。

 

 

 

「2019年度特定最低賃金の取り組み方針」の確認

 続いて、浅沼弘一事務局長から「2019年度特定最低賃金の取り組み方針」を報告し、全体討論を行った。

→ 2019年度特定最低賃金の取り組み方針(PDF)

 

 

 


全体討議主な意見

*金属産業における「今後の特定最低賃金のあり方」、とりわけ「あるべき特定最低賃金の絶対水準」に関する金属労協台での議論を、ぜひ前に進めていただきたい。特定最低賃金に係る労使の話し合いの場を、「前年度の引き上げ額±α」や「地域別最賃の引き上げ額±α」といった話に留まらず、当該産業・当該地域における人材確保や公正競争確保に向けた課題について、互いの理解を真に深め合う場にしていくべく、「あるべき特定最低賃金の絶対水準」についての議論を組織内でも深めていきたい。

*特定最低賃金が効力を十分に発揮するためには、制度が存続していることはもちろんのこと、①特定最低賃金と地域別最低賃金とは期待されている役割が異なること、②特定最低賃金が設定されている産業であること、③特定最低賃金が設定されている地域であることなどを広く周知し、特定最低賃金に対する理解を広げることも重要だと考える。金属労協としても引き続き周知・理解を広げる取り組みを行っていただけることを希望する。

*特定最低賃金は、基幹的労働者の最低賃金であり、地域別最低賃金とは意を異にしている。金属産業で働く仲間の生み出す価値を担保すると共に、当該産業の公正競争に資する「あるべき水準」が求められており、外国人労働者の受け入れが決まった今、その重要性は増している。連合大阪が行った「特定(産業別)最低賃金」のあり方研究会報告なども参考に、今後に向けて、「基幹労働者、適用労働者とは何か」、「あるべき水準」はどうあるべきかといった議論と考え方の整理を進めていく必要がある。

*特定最低賃金を取り巻く状況に鑑みれば、現行の取り組みに加え、基幹的労働者のあり方など、新たな方策についても検討が必要と認識しており、今後、議論を進めていきたい。金属労協においては、賃上げの結果が確実に特定最低賃金の水準改定に反映されるよう、強力な指導性の発揮をお願いする。

*地域別最低賃金が大きく上昇していく状況の中における「優位性」を確保するための新たなロジックの確立や指標が必要な時期にある。『地域別最低賃金に対して「少なくとも10%以上上回る水準」を確保する』との考え方の10%以上という数字の根拠をより明確にしていく必要もある。審議を進めていくうえでは、引き続き、「都道府県別 特定最低賃金決定状況」など全国のタイムリーな審議状況を情報共有いただきたい。

等の意見をいただいた。

 意見に対して、中央最低賃金審議会委員の小原氏(電機連合)、平野氏(JAM)、伊藤氏(基幹労連)、中賃委員で連合総合労働局長の冨田氏より、「地域で起きた問題が伝播しないように情報共有して取り組んでいきたい」「現状をしっかり取り組みつつ、将来展望の議論も必要」「産別ごとに各業種をどうするのか議論し、それを金属労協に持ち込むことが大事」「金属労協の議論に期待する」等のコメントをいただいた。
最後に、浅沼事務局長より、幅広い視野で議論し、我々が動かなければならないとのコメントを行い、今後とも連携を強化して取り組んでいくことを確認した。

以 上

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