広報ニュース

第45号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年12月)

レポート:産業革命インダストリー4.0が進行中

2015-12-04

 

日本の工場の組立ラインで従業員と並んで働く人型ロボット 写真提供:ロイター/Issei Kato

日本の工場の組立ラインで従業員と並んで働く人型ロボット
写真提供:ロイター/Issei Kato

フォックスコンは2020年までに生産ライン労働者の30%をロボットに置き換える予定 写真提供:ロイター/Bobby Yip

フォックスコンは2020年までに生産ライン労働者の30%をロボットに置き換える予定
写真提供:ロイター/Bobby Yip

 製造業の世界はとてつもない転換を遂げようとしている。一説によれば、私たちは今、物の作り方を変える第4の産業革命を経験している。そして、労働者に対する影響は極めて大きいだろう。

 インダストリー4.0は2011年にドイツで初めて作られた用語で、第4の産業革命とみなされる製造業のコンピューター化を指す。

 18世紀末に起こった最初の産業革命では、水と蒸気で動く機械を利用した製造業が誕生。第2の産業革命は20世紀初めに起こり、電力によって量産ラインが稼働した。3番目の革命は1970年代以降、アナログ機械生産からデジタル電子技術への移行とともに起こった。

 第4の産業革命、すなわちインダストリー4.0は、スマート技術とリアルタイム・データを利用して生産性を高め、コストを削減する。

 スマート工場で、人間が関与しなくても機械や保管・生産システムによって複雑な作業を行い、情報を交換し、互いに指示を出し合うことができる。

 アンゲラ・メルケル・ドイツ首相は2015年1月にダボスの世界経済フォーラムで演説し、インダストリー4.0を「オンラインの世界と工業生産の世界の融合に速やかに対処する」方法と呼んだ。

 インダストリー4.0は、モノのインターネット――ITシステムと通信し、センサーで検出できる技術を埋め込まれた物――に大きく依存している。

 クラウド・コンピューティングも、何十億ものセンサーや機器、それらが生み出す情報やデータの流れをサポートするために不可欠である。

 データ分析の進歩により、強力なソフトウェアによって、製造システムから送られてくるこのすべての情報(ビッグデータ)をリアルタイムで分析できるようになっている。これは多国籍企業に非常に大きなメリットをもたらし、サプライチェーン全体で最新の生産関連情報を利用できるようにする。また、企業は予測の精度を高めることによって、より敏感に景気動向に対応し、よりうまく計画を立てることもできる。

 さらに、3D印刷の発展に伴って研究開発コストを大幅に削減し、生産施設がまったく必要とされなくなる可能性さえある。

労働者はどうなるのか?

 デジタル化が新規雇用を創出することは間違いないが、創出量は部門によって異なるだろう。そして、ロボットがますます高度化して機械が相互に管理し合うようになる中で、労働力は必要とされなくなっていくのだろうか。

「実際にどのような影響が出るのかはまだ分からない」と、先ごろトロントで開かれたインダストリオール自動車作業部会で、この話題について語ったドイツの加盟組織IGメタルのクリスタイン・ブルンクホルストは言う。「反復作業や困難な仕事がロボットに任せられるようになり、労働者にとって人間工学的改善があるかもしれないが、労働者はスマート工場について行くために新しい技能を速やかに伸ばす必要がある」

 自動車部門でスマート化しているのは生産方法だけではない――ネットに接続された自律走行車が自動車産業と運転そのものを再び変革するかもしれない。

「新技術の計画、構成および維持の分野では大量の新規熟練雇用が生まれる可能性があるが、低熟練労働者は割を食うだろう」とブルンクホルストは言う。

 スマート技術やスマートシステムは、労働者の行動や業績の幅広い管理・監視につながるおそれもある。スマート工場は個人の柔軟性に依存するところが大きく、不安定雇用が増えると予想される。

 IGメタルは現在、従業員代表委員会に迫り来る変化を認識させようとしており、労働者に対する影響を評価する研究を計画している。「現在のところ、これらの新技術は自動車業界で確立されているので、私たち労働組合は移行に影響を及ぼそうとしている」とブルンクホルストは言う。

 一方、120万人を雇用するiPhoneメーカーのフォックスコンは、5年後には生産ラインで働く労働者の30%をロボットに置き換えると発表した。

 松崎寛インダストリオールICT電機・電子担当部長は言う。「インダストリー4.0は想像を絶するスピードでさまざまな産業に浸透していくだろう。労働組合は、雇用や労働条件、労働者の権利に対する大きな影響に備え、公正な移行に向けた活動に集中しなければならない」

« 前のニュース  次のニュース »