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第55号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年6月1~9日)

バングラデシュの船舶解撤場で一連の事故により労働者4人が死亡

2016-06-07

チッタゴンで船舶解撤場の死亡事故に抗議するバングラデシュ金属労働者連盟

チッタゴンで船舶解撤場の死亡事故に抗議するバングラデシュ金属労働者連盟

 バングラデシュのシタクンダ郡のセイコー・スチール船舶解撤場とラスカール船舶解撤場で事故が発生し、労働者4人が死亡、3人が負傷した。

 バングラデシュ政府が安全な労働条件を確保するために使用者の重過失に対して措置を講じていないため、船舶解撤場では労働者が死亡したり、重い障害を負ったりする事故が相次いでいる。

 2016年5月23日にセイコー・スチールの事故が発生し、船舶解撤労働者のルベル・メアが亡くなった。2016年5月29日にも同じ現場で、巨大な鋼板の落下によってムハマド・ラナ(30)が死亡し、その他4人の労働者が負傷した。5月31日、負傷した労働者の1人、アブダル・カリム(29)が病院で亡くなった。

 その他3人の入院した労働者、ザヒダル(25)、ベラル(45)、リポン(25)の容態は、本稿執筆時点で安定しているとの報告がある。

 バングラデシュのインダストリオール加盟組織からの報告によると、その後、2016年6月5日にもラスカール船舶解撤場の事故でムハマド・バブル(35)が命を落した。これらの最近の事故により、バングラデシュの船舶解撤場では2016年1~5月に合計10人の労働者が亡くなっている。政府の推定によると、2014年には船舶解撤労働者16人が、2015年にも少なくとも13人が死亡した。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、2016年6月6日のバングラデシュ首相宛書簡で打ち続く事故を非難し、次のように述べている。

 「労働者が生計を立てる過程で次々に亡くなっている中で、バングラデシュ政府が措置を講じていないため、船舶解撤場における労働者の安全に対する使用者の怠慢が見逃されています。これらの事故は防止可能であり、直ちになくさなければなりません」

 船舶解撤場の安全な労働条件に対する労働者の権利を支持するために、インダストリオールはバングラデシュ政府に対し、安全な労働条件の提供を怠った使用者、今回の場合はセイコー・スチール船舶解撤場とラスカール船舶解撤場の所有者に対して断固たる措置を取ることにより、強力なメッセージを送るよう要求している。政府は事故の犠牲者が適切な補償を受けられるようにしなければならない。

 この書簡は、監督メカニズムの強化に対するインダストリオールの要求を繰り返すとともに、政府に対し、断固たる態度を取り、新たに改訂された2015年バングラデシュ船舶リサイクル法を直ちに実施し、香港条約の批准に向けた措置を加速させるよう促した。

 船舶解撤場の事故に関するインダストリオールの最近の報告については下記を参照:2016年4月18日(http://www.industriall-union.org/another-worker-killed-at-bangladesh-shipbreaking-yard)および2016年4月1日(http://www.industriall-union.org/guards-open-fire-on-shipbreaking-workers-in-bangladesh

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