広報ニュース

第60号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年10月17日)

ドイツとアメリカの組合が組織化めぐり討議

2016-10-13

 

IGメタルが主催した米独労働組合対話(ベルリン)

IGメタルが主催した米独労働組合対話(ベルリン)

ドイツとアメリカの組合員が今日ベルリンで会合を開き、協調的な組織化によって大西洋の両側で力を強化するために経験と計画を共有した。

 この米独労働組合対話にはインダストリオール関係者やジャーナリスト、学者も参加し、IGメタルが主催した。

 アメリカの労働組合であるAFL-CIOとサービス従業員国際組合の指導者は、米国の労働法が不十分であり、組合回避戦術によって新規組合員の勧誘が困難になっている実態を討議するとともに、Fight for $15のようなキャンペーンが成功を収め、低賃金労働者が大きな成果を上げていることも発表した。

 ドイツのエアバス従業員代表委員会に加わっているIGメタル幹部によると、ドイツではエアバス労働者の8割超が組合員であり、ドイツの経営陣と良好な社会的な対話を行っている。

 このIGメタル幹部は、従業員がIAMとともに組織化しようとしている米アラバマ州のエアバス航空機組立工場を訪問した際、米国の経営陣に「グローバル枠組み協定はアメリカには適用されない」、「アラバマに組合はいらない」、「アラバマのエアバス労働者との会談は許可しない」と言われた。同幹部は連帯の表明として労働者と話をした。

 IUE-CWA組合員のシーメンス従業員が、インダストリオールとグローバル枠組み協定を締結しているシーメンスの組織化に取り組むアメリカの組合による共同イニシアティブを、IGメタルが支援してくれていることに触れた。このイニシアティブの長期的な狙いはアメリカの全シーメンス施設の組織化だが、アメリカではドイツ企業においてさえ組合つぶしが広く見られるので簡単ではないだろう、とこの従業員は語った。

 ドイツ労働組合総連合のライナー・ホフマン会長が、ドイツ最高裁判所が今日、EUとカナダの貿易協定であるCETA案を非民主的とする法的な異議申し立てを棄却した件を取り上げた。ホフマン会長は、グローバル化には反対しないが、貿易協定は不平等を悪化させ、社会的基準を保護しておらず、投資家にあまりにも多くの権利を与えていると述べた。

 ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が、貿易協定は労働基準を守って民主的管理を確保する必要があると指摘した。書記次長は、インダストリオールが多国籍企業に対抗するために利用している国際レベルの手段についても論じた。

 この会合は、ドイツとアメリカのインダストリオール加盟組織、特にIGメタルとUAWの組織化面での連携強化を受けて開かれた。両組合は先ごろ、米国南部でドイツ系自動車会社の組織化に焦点を合わせる大西洋横断労働機関を設立した。その目的は、アメリカで組織化の成功を促進するとともに、ドイツで交渉力を維持することである。

「インダストリオールは組織化に取り組んでおり、ほとんどすべての活動に参加している」とウズカンは述べた。「私たちは、協力によって組織化を推進しようとするドイツとアメリカの加盟組織のイニシアティブを支持する」

 

« 前のニュース  次のニュース »