広報ニュース

第60号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年12月12日)

BAEシステムズ労働組合ネットワークが戦略を策定

2016-11-28

 

ウェスタン・オーストラリア州マンドゥラーのグローバル・ネットワーク会議に集まったBAEシステムズの労働組合代表たち

ウェスタン・オーストラリア州マンドゥラーのグローバル・ネットワーク会議に集まったBAEシステムズの労働組合代表たち

  オーストラリア、チリ、イギリス、アメリカのBAEシステムズ労組が11月9~10日にウェスタン・オーストラリア州マンドゥラーで会合を開き、今後の協力のための戦略を策定した。

   BAEシステムズ(本社イギリス)は、グローバルな国防・航空宇宙・セキュリティー企業で、世界中で約8万2,500人の従業員を雇用している。同社は陸海空軍を対象とする広範囲の製品やサービスを提供し、先端エレクトロニクス、セキュリティー、情報技術、支援サービスを取り扱い、オーストラリア、インド、サウジアラビア、イギリス、アメリカを中心に活動している。

   BAE労働組合ネットワークは2014年11月、日本で開催されたインダストリオール・グローバルユニオン造船・船舶解撤世界会議で発足、それ以来8回の電話・テレビ会議を開催している。

   このネットワークの主要活動は以下のとおりである。

  • 情報の共有
  • 国境を越えた闘争との連帯
  • 協約を共有するための制度の確立
  • ネットワーク代議員の関与の拡大
  • グローバルな組合活動に対するBAEの支援の確保
  • 世界中のBAE施設で活動している多国籍請負業者のマッピング
  • 船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約の批准を求めるインダストリオール・キャンペーンの調整

   会合に参加した組合は、今後の協力に向けた戦略をめぐり議論し、作業計画を立案した。作業計画の一環として、オーストラリアとアメリカのBAEネットワーク労組は、BAEシステムズCEO英国労働組合フォーラムに参加する。年2回開催のこの行事のおかげで、労働組合は同社の業績や事業戦略に関する最新情報を受け取ることができる。

 

造船・船舶解撤労組が労働者の安全と雇用に焦点

2016-11-28

 

造船・船舶解撤部門の18組合から60人以上の代表がウェスタン・オーストラリア州で会合

造船・船舶解撤部門の18組合から60人以上の代表がウェスタン・オーストラリア州で会合

2016年11月7~8日にインダストリオール・グローバルユニオン造船アクション・グループ会合が開かれ、18組合から60人以上の参加者がウェスタン・オーストラリア州マンドゥラーに集まった。

   オーストラリア、バングラデシュ、ブラジル、チリ、デンマーク、フランス、インド、日本、韓国、オランダ、ノルウェー、シンガポール、イギリス、アメリカの組合から62人が参加し、以下の主要問題に取り組んだ。

  • 造船・船舶解撤産業の世界的傾向
  • 労働安全衛生(OHS)、組織化、不安定雇用との闘い
  • 持続可能な産業政策
  • 労働組合ネットワークの開発と連帯の強化
  • 将来の活動と後続の行動計画

  オーストラリアの加盟組織AMWUのアンドリュー・デットマー全国会長がホスト組合として参加者全員を歓迎し、ガーレット氏が伝統的なオーストラリア先住民の挨拶をした。デットマー会長は、特に船舶解撤労働者が日常的にアスベストにさらされているため、すべての形態のアスベストを禁止して職場から除去するまで運動することが重要だと主張した。

    V・V・ラネー副部会長が、11月1日にパキスタン・ガダニの船舶解撤場で発生した恐ろしい産業殺人に遺憾の意を表明し、代議員全員がこの災害の犠牲者に黙祷をささげた。ラネー副部会長は、船舶解撤産業の容認できない安全衛生条件と闘うために、行動を強化する必要があると指摘した。

    アイリーン・ヨー共同部会長が、石油・ガス価格の低迷でオフショア造船業が甚大な損害を被っていると報告し、この部門で持続可能な雇用を確保するために取り組まなければならないと述べた。

   工藤智司共同部会長がスカイプで発言し、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約の批准を求めるキャンペーンで世界的行動を強化するとともに、インダストリー4.0などの持続可能な産業政策を促進することが不可欠だと述べた。

   世界経済の減速に伴い、造船業は深刻な過剰設備に直面している。ここ数年、ほとんどすべての造船所で新規注文が激減しており、現行レベルの造船能力と雇用を維持できない状況にある。この過剰設備は市場を歪める慣行も招いており、最も効率的な造船業においてさえ大きな構造的問題を生み出しかねない。例えば、中国政府による国内造船所への補助金は、世界中の造船所に損害を与えていると考えられている。

   会合では、ブラジル、ノルウェー、韓国の造船労働者がここ数年大量のレイオフに直面している現状が報告された。韓国では、KMWUとその他7組合が団結して造船業労働組合連帯組織SITUを結成、使用者と政府による機構改革と闘い、雇用の確保を要求するとともに労働者の技能を維持しようとしている。

   この再編プロセスは海軍部門でも見られる。政府は海軍産業のコストを削減したり、労働集約的雇用の外部委託を試みたりしている。オーストラリアでは、AMWUが主導するDesign, Build, Maintain our Ships HereやSUBS=JOBSといったキャンペーンが、造船業の雇用を守るうえで効果を上げている。

    一方、船舶解撤産業は今後25年間に成長し続け、雇用は徐々に増加するだろう。南アジア(インド、バングラデシュ、パキスタン)では、基準と安全衛生を早急に改善する必要がある。この地域には世界の船舶解撤の76%以上が集中しており、危険な労働条件と不十分な環境保護が目立つ。

   バングラデシュとパキスタンの船舶解撤場では重大事故が相次いでいる。労働者の安全に最終的に責任を負う船舶解撤業者と船主は、これらの事故の犠牲者への補償金をまったくと言っていいほど払っていない。船舶解撤労働者のための公正な補償制度と適切な労働安全衛生が緊急に必要とされている。アクション・グループは、人の健康、安全および環境に対する不要なリスクの回避に役立つであろう香港条約の批准に関する世界的行動へのコミットメントを再確認した。

   労働組合ネットワークの結成も、グローバル・レベルで多国籍企業に対する組合の交渉力を高めるための主要戦略である。BAE労働組合ネットワークは2014年の発足以来発展している。フランスとオーストラリアの組合は、両国間の潜水艦契約に関しても協力を開始し、地球の両側の労働者が有利な契約を勝ち取れるようにしようと取り組んでいる。

   アクション・グループは、持続可能な産業開発に関する独自のビジョンを立案・実施する加盟組織の能力を強化する方法についても討議した。

   参加者は、2014年の世界会議で採択されたアクション・プランを絶えず改良し、2016~2018年に以下の活動に焦点を合わせることを約束した。

  • 労働安全衛生に関する活動を強化し、あらゆるレベルでより安全な職場を要求する。
  • 造船・船舶解撤産業の傾向と連帯行動に焦点を合わせる。
  • 強力な労働組合ネットワークの構築プロセスを開発・促進する。
  • すべての利害関係者と連携し、各国が船舶解撤労働者の安全と雇用を確保するために香港条約を迅速に批准するよう要求する。
  • 組合活動の全レベルで女性参画を拡大する。
  • 持続可能な産業政策を達成するために他の関連部門との共同作業を開発する。

   アクション・グループは、アスベスト禁止決議への支持も確認した。この決議は、SEABANの後援により11月初めにインドネシア・ジャカルタで開かれた組合とNGO、アスベスト関連団体の会合で採択されたものである。

   参加者は11月8日午後、ウェスタン・オーストラリア州ヘンダーソンにあるBAEシステムズの造船所を訪問した。同社は主にオーストラリア国防軍(ADF)の仕事を請け負っており、オーストラリアで3,500人の労働者を雇用している。参加者は造船所の活動と労使関係について学んだ。

 

 

フォルクスワーゲン、人員削減するも2025年まで雇用を保障

2016-11-25

  vw_2016-11-25 世界最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲン(VW)の経営陣は、VW従業員代表委員会との交渉後、2025年までに3万人の雇用を削減するが、解雇はしないと発表した。

   ドイツのインダストリオール加盟組織IGメタル、VW従業員代表委員会および経営陣が、VWの未来と新技術、効率的生産システムをめぐって数カ月にわたり討議した結果、当事者が「未来のための協定」と呼ぶ取り決めが結ばれた。

   この協定には、早期退職に関する合意と2025年まで解雇しないという約束が盛り込まれている。雇用喪失は大量に上り、うち2万3,000人の雇用がドイツ事業で削減されるが、VWはデジタル化や電気自動車のような成長分野で9,000人の新規雇用を創出したいと考えている。

    ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車担当部長は言う。「3万人の雇用削減は大量だ。しかし、今から2025年まで労働者が解雇されることはない。今回の交渉結果は、高い組合組織率と適切に機能する社会的対話によって、組合と従業員代表委員会がどれだけの成果を達成できるかを示している」

 

鉄鋼危機の中、組合が「雇用を求めて闘う」と宣言

2016-11-24

 

世界100人の代表が集い素材金属産業の危機に対するアクションプログラムを立案

世界100人の代表が集い素材金属産業の危機に対するアクションプログラムを立案

素材金属産業で組織化している24カ国32組合から約100人の代議員がドイツのデュースブルクに集まり、この産業の危機に取り組むためのアクション・プランを立案した。

   ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長が、産業上重要なルール地域にあるデュースブルクが開催地に選ばれたことは重要であり、象徴的だと強調した。この鉄鋼中心地では鉄鋼業が衰退しており、公正な移行の途上にある。

   ソーレン・リンク市長が代議員を歓迎した。「鉄鋼業の火が消えることは決してないだろうと思っていたが、いま下火になっており、何千人もの雇用が失われた。私たちは革新と専心によって、この都市を転換することができた」

   2つの問題が会議に影を落した。ドナルド・トランプの米大統領選出と、中国のダンピングによる鉄鋼市場の過剰設備である。

   ヴァルター・サンチェスは次のように語った。「政治的な分裂とポピュリスト右派の台頭が見られる。トランプ勝利とブレグジットに、ブラジルではクーデターが起こり、フランスの次期選挙についても憂慮すべき兆候がある」「この脅威に立ち向かうために組合の力と団結を強化する必要がある」

   会議ではグローバルな鉄鋼危機に関する力強い宣言について議論した。鉄鋼業は世界第2位の産業であり、100年にわたって産業開発の原動力となってきた。その他多くの産業が鉄鋼業に依存しており、鉄鋼消費は増加すると予測される。

   それにもかかわらず、鉄鋼業は過去1世代で最悪の危機に陥っている。中国の鉄鋼生産は国家の支援を受けて15年間で5倍に増えた。中国経済が減速して内需が伸び悩んでいるため、余剰鉄鋼が世界市場でダンピングされ、市場を著しく歪めて鉄鋼業で持続可能性の危機を招いている。

   この宣言は世界機関と各国政府にダンピング防止戦略の策定を求めている。グローバルなルールに従って活動することを拒否している限り、中国に市場経済地位を与えてはならない。

   宣言は中国の労働者が景気後退の被害を受けていることにも留意し、中国に自由な労働組合を許可するよう求めている。不公正競争の下方スパイラルに巻き込まれるのではなく、インフラや訓練への大規模投資を行い、この産業が未来の需要を満たせるようにすることを求めている。

   全米鉄鋼労組のトーマス・コンウェイ共同部会長は次のように明言した。「中国系メーカーは国の支援を受けているので、原価より安く鉄鋼を販売することができる。これは市場を歪めている。根本的な過剰設備があり、その結果、数千人の雇用が失われている」

   どうすれば強力な組合が変化をもたらすことができるかをめぐる説得力のあるセッションの中で、イェルク・ホフマン・インダストリオール/IGメタル会長は、IGメタルがどのように素材金属部門の雇用を守っているかについて話した。

  会長は、よく組織化された強力な組合が有利な交渉上の立場を確保し、使用者と協力しながら部門の変化を管理できるようにすることの重要性を強調した。

   解決策は、革新とそれがもたらす生産性上昇を支持することである。組合は高度熟練労働者に新規雇用を提供するために、産業投資と職業訓練を求めて闘わなければならない。「強力な組合は政策に影響を及ぼし、この部門の未来を共同決定することができる」「革新が鍵だ。革新はまたとないチャンスであり、革新のためには有資格労働者が必要になる。職業訓練が非常に重要だ」「安定した堅実な組合組織が必要だ。前途に課題が待ち受けている」

   ケマル・ウズカン書記次長が導入したグローバル枠組み協定に関するセッションでも、国際レベルで強力な交渉上の立場を確保することの重要性が強調された。「これらの協定は単なる協定書ではない。労働者の権利は越えてはならない一線だ。そして労働組合ネットワークの構築は、その力を国際レベルで確立する鍵になる」

   この会議では、行く手に待ち受ける課題に対応して団結を求めるアクション・プランと、不安定雇用と闘って公正な移行を求めるという約束が採択された。アクション・プランは労働組合ネットワークの強化にも触れており、素材金属部門に対し、鉱業部門とより緊密に協力して適用対象となるサプライチェーンを広げていくよう求めている。

   組合は、市場の歪みを招かない鉄鋼メーカーに関する公正なグローバル枠組みを求めて、国際機関に働きかけていく。

 インドSMEFIのトーマス・コンウェイとサンジョット・バダブカールが、今後4年間の共同部会長に選出された。

 会議の写真を見るにはフリッカー・ページを参照。

 

パキスタン・ガダニ火災事故の犠牲者に直ちに公正な補償を

2016-11-24

 パキスタン・ガダニ船舶解撤場の石油タンカー火災で作業員が死亡してから3週間以上が過ぎ、労働者と遺族は生存と適切な治療のために闘っている。

 

19歳の船舶解撤労働者クーダ・ブクス・ガダニは火災でひどい火傷を負い、足を骨折した。写真:インダストリオール/Amar Guriro

19歳の船舶解撤労働者クーダ・ブクス・ガダニは火災でひどい火傷を負い、足を骨折した。写真:インダストリオール/Amar Guriro

19歳のクーダ・ブクス・ガダニはこの災害でひどい火傷を負い、足を骨折した。「船の上で作業をしていたとき、突然爆発が起こり、あっという間に船が火に包まれた。左足が燃えているのを感じ、もう死ぬと思った。思い切って海に飛び込んだが、水深が浅すぎたので、30メートルほどの高さから飛び下りて右足の骨を折ってしまった。1時間ほど水に浸かって横たわっていたが、何人かの労働者がボートに乗ってやってきて救助され、病院に連れて行ってもらった。病院には大勢の労働者がいた」と彼は語った。

パキスタン・ガダニ船舶解撤場の大爆発で石油タンカーの船体に穴が開いた。

パキスタン・ガダニ船舶解撤場の大爆発で石油タンカーの船体に穴が開いた。

 クーダは当初カラチ市民病院に運ばれたが、その後退院してほしいと言われ、ハブ市の公立病院に移った。その病院には熱傷治療室がない。彼はハエや蚊から傷を保護するためにネットの中に横たわっている。病院には空調設備がなく、窓は開けっぱなしである。ただでさえ非常に貧しく、10人の家族を養うために父親を手助けしているクーダは、治療費の補助も受けていない。

 少なくとも26人が死亡し、50人が負傷、それ以上に多くの労働者が行方不明で、亡くなったと見られている。伝えられるところによれば、事故発生時、労働者たちがタンクの油を抜いていたときに、溶接トーチの火花が原因で大爆発が起こったという。船上の大火災は2日間にわたって猛威を振るい、救助隊は高熱のため船に近づくことができなかった。

 インダストリオール・グローバルユニオンの調査で、犠牲者の遺族が苦しんでいることも分かった。

 ムハンマド・ハッサンの18歳の息子サノーラは、この石油タンカー火災で焼死した。サノーラはガダニ船舶解撤場で働きながら8人家族を養っていた。「息子は唯一の稼ぎ手だった。息子が死んだあと、政府がまったく事故を調査しておらず、私たちに何の支援も提供してくれないことに憤りを感じている」とムハンマド・ハッサンは語った。「息子が死んで精神的に打ちのめされている」とサノーラの母親アジーマ・ハッサンは言う。「私は息子を仕事に送り出したのであって、死なせるために送り出したのではない。調査して火災の責任者を処罰すべきだ」

 ハシル・カーン・ビゼンジョ連邦港湾海運大臣は11月1日に火災現場を訪れ、犠牲者への援助を約束した。

 ガダニで労働者を代表しているインダストリオール加盟組織NTUFによると、政府は死亡した労働者に150万パキスタン・ルピー(1万4,000米ドル)、負傷した労働者に10万パキスタン・ルピー(950米ドル)の補償金を支払うと発表した。しかしNTUFはこの提示を拒絶し、死亡者300万パキスタン・ルピー(2万8,000米ドル)、負傷者50万パキスタン・ルピー(4,700米ドル)を要求している。

 その一方で、労働者の安全に最終的に責任を負う船舶解撤業者と船主は何も申し出ていない。パキスタン税務当局の推計によると、船舶1隻のリサイクルで平均450万米ドルの収入が得られる。パキスタンの船舶解撤産業は中国とトルコに次いで規模が大きい。

 爆発事故を受けて、政府はこの解撤場を閉鎖した。現場では合計約1万2,000人の労働者が働いているが、全員が未登録である。彼らも仕事を失って苦労している。

 ナシル・マンスールNTUF書記長は次のように語った。「そろそろ政府は解撤場における安全衛生基準実施の必要性を認識しなければならない。労働者を社会保障機関と老齢年金機関に登録し、労働組合結成を許可するとともに、団体交渉代表権者を民主的に選ぶ権利を認めることが非常に重要だ。政府は労働者代表と協議しながら、船舶の安全な再生利用のための香港条約とILO南アジア・ガイドラインに従って、船舶解体中止命令を直ちに撤回し、船舶解撤法を制定すべきだ」

 

 

パキスタンで解雇されたシュナイダーエレクトリック労働者が復職を要求

2016-11-23

 

NTUFは解雇されたシュナイダーエレクトリック労働者の即時復職を要求

NTUFは解雇されたシュナイダーエレクトリック労働者の即時復職を要求

パキスタンのシュナイダーエレクトリック労働者17人が賃上げを求めたところ、このフランス系企業は労働者を解雇した。インダストリオール加盟組織NTUFは、解雇された労働者の即時復職を要求している。

 全国労働組合連盟(NTUF)は11月22日にカラチで集会を開き、賃上げを要求した労働者17人の解雇についてシュナイダーエレクトリックに抗議した。

 全員が不安定労働者だが、シュナイダーで3~12年間働いていながら常用従業員になっていなかったため、これは国内法に直接違反している。

 労働者は常に失業の脅威にさらされ、各種の給付も支給されず、給料は113~151米ドルだった。

NTUFの要求は以下のとおり。

  • 解雇された労働者の即時復職
  • 不安定労働者の正規雇用化
  • 賃上げ
  • 契約制度の撤廃
  • 組合員に対する報復行為の中止

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は言う。「シュナイダーエレクトリックに対し、至急対応してNTUFと建設的な対話を行うよう求める」

 

キャタピラー労働者がジュネーブで集会

2016-11-18

 

ジュネーブの国連広場での集会でアピールするサンチェスIA書記長

ジュネーブの国連広場での集会でアピールするサンチェスIA書記長

今日、ヨーロッパ全土からキャタピラー労働者代表がジュネーブに結集し、ベルギーと北アイルランドの工場閉鎖計画に抗議した。

 ベルギー、北アイルランド、フランス、イタリア、ドイツから集まった約200人の金属労組代表は今日、荒れ模様の天気をものともせずジュネーブの国連広場にある国連ビル前で集会を開いたあと、キャタピラー本社に向かって行進した。

 組合代表たちは、9月にキャタピラーが発表した再建計画に抗議している。同社はベルギーのゴスリース工場と北アイルランドのモンクスタウン工場を閉鎖する予定である。

 この抗議はインダストリオール・ヨーロッパが組織した。

 約2,500人の雇用が直接影響を受け、さらに数千人が間接的に影響を受ける。今回のリストラはヨーロッパ全域の他の工場にも影響し、組合側は同社が欧州大陸の労働者に長期的に責任を持つかどうか懸念している。

 キャタピラーの再建計画は日本、アメリカ、オーストラリア、ブラジルの工場にも影響を及ぼす。10月にブラジルでインダストリオール大会が開催された際、キャタピラー組合ネットワークの世界会議が開かれた。全米鉄鋼労組と全日本自動車産業労働組合総連合会は連帯メッセージを送り、ヨーロッパの組合との共闘を約束した。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は国連広場で次のように述べた。「世界中の組合員5,000万人の支援と連帯をお届けする。皆さんの暮らしと地域社会に対するこの攻撃にともに対抗し、ヨーロッパの産業空洞化との闘いにおいて皆さんを支援する」

 組合代表は本社でキャタピラー管理者と会談し、社会と産業に大損害をもたらす計画を阻止しようとした。

 組合は以下の共同要求を立案し、会社側に提出した。

  • リストラを中止するとともに、ヨーロッパで大いに必要とされている現場とノウハウを守ること。
  • ヨーロッパ全体でキャタピラー事業の未来を確保する長期産業戦略に取り組むこと。
  • キャタピラーの意思決定者と真の社会的対話を行い、再建プロセス全体の情報・協議に関する国内・欧州レベルの法律を尊重すること。
  • 持続可能で社会的責任のある経済開発の代案について議論・検討すること。

 

 

ゲルダウ・ブラジルの爆発事故で3人が死亡

2016-11-18

 11月14日にブラジルのオウロ・ブランコにあるゲルダウ工場で爆発事故が発生し、労働者3人が死亡、1人が負傷した。

 インダストリオール加盟組織CNTM/FSの組合員で下請業者に雇用される3人の労働者が保守作業を行っていたとき、爆発が起こった。

 下請業者はブラジルの全労働者の約27%を雇用している。インダストリオール加盟組織CUTの報告によると、直接雇用労働者と比べて、下請労働者は死亡事故や職業病の割合が高い。報告によれば、下請労働者の事故発生頻度は2倍で、直接雇用労働者の2.65%に対して5.95%である。

 ブラジルのいくつかのインダストリオール加盟組織は、上院で審議中の法案(PEC55)の承認を阻止するために何年も前から運動している。この法案が可決されれば、民間部門の使用者は思いどおりに仕事を下請けに出せるようになる。11月25日にPEC55をはじめとする改革に抗議するストが計画されている。

 多くの場合、不安定労働者は常用労働者と同じ組合に加入することができない。だが、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、アメリカ、ペルー、ウルグアイのゲルダウ労組は、不安定労働者の保護に最善を尽くすとともに、同社の反労働組合戦略と闘い、労働者の権利を擁護し、従業員代表委員会の承認を求めており、グローバル安全衛生協定を取り決めたいと考えている。

 インダストリオールのラテンアメリカ・カリブ海地域事務所のホルヘ・アルメイダ所長はこう述べている。「ブラジルは1995年に安全衛生に関するILO条約第155号を批准した。ILOは2005年、鉄鋼産業の安全衛生に関する一連の勧告を行い、各当事者の責任、義務および権利を定めた」

 インダストリオールはゲルダウに対し、労働者には職場の安全衛生に対する権利があると定めるブラジルの労働法と国際労働法に従うよう促す。

 このブラジル企業は、事故のあとに声明を発表して犠牲者の遺族に援助を提供し、事故の原因を調査していると述べた。

 

 

インダストリオール傘下の自動車労組、来る変化に対して準備

2016-11-17

 

IA自動車産業世界会議(ドイツ・ミュンヘン)

IA自動車産業世界会議(ドイツ・ミュンヘン)

今週ドイツのミュンヘンで開催されたインダストリオール・グローバルユニオン自動車産業世界会議に30カ国から約125人の労働組合員が集まり、自動車産業が前例のない変化に見舞われている中で新しいアクション・プランを策定した。

 世界のすべての主要自動車会社で労働者を代表している会議参加者は、二酸化炭素排出目標、電気自動車・自律走行車およびデジタル化が、どのように自動車産業に抜本的な影響を及ぼし、課題と機会の両方を生み出すかについての話を聞いた。

「自動車産業の歴史で初めて、企業は自社のビジネスモデルに疑議を唱える革命に否応なく引き込まれている」とヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車担当部長は述べた。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長が自動車部門の組合に対し、サプライチェーン全体で労働者を支援するために尽力するよう訴えた。「主要メーカーのインダストリオール労働組合ネットワークは強力だが、自動車産業サプライヤーの労働条件を改善するためにもっと努力しなければならない」

 会議の共通テーマは自動車部門における不安定雇用の横行である。FTM-CGTのリチャード・ジェンティルが、フランスには臨時労働者が80%を占める工場がいくつかあり、ルノーだけで9,000人の臨時労働者がいると報告した。

 自動車産業で4万人の労働者を代表しているカナダ・ユニフォーのジェリー・ディアス会長が、不安定雇用と国際競争、増益重視の方針が労働者全員の生活の質を低下させていると指摘した。

 マレーシアNUTEAIWのサンムガム・セルバラニが、NUTEAIWはマレーシアの自動車産業で最も搾取されている不安定労働者と移民労働者の組織化にあたって大きな課題に直面していると述べた。

 インダストリオールは大会から、サプライチェーンを活動の中核に据えるよう命じられている、とケマル・ウズカン書記次長が参加者に語った。「組合は自動車サプライヤーで組合活動を支援し、サプライチェーンの組織化を強化することをもっと重視する必要がある」

 イェルク・ホフマン・インダストリオール会長が、自動車需要はまだ伸びており、世界中で毎年1億台が売れているが、実質的な雇用保障はないと述べた。

「労働者と事業所が互いに競い合わされている。労働条件に対する圧力が強い。同時に、自動車産業の大規模な構造変化によって成長が側面から攻撃されている」

 ホフマン会長によると、ドイツでは電気自動車が急速に普及しており、内燃機関生産部門で4万人の雇用が脅かされている。

「新しい組合戦略によって、この状況に対応する必要がある。デリーと北京で悪化している汚染を見れば分かるように、ほかに選択肢はなく、自動車産業は環境的に持続可能である必要がある。この過程における移行は、労働者にとって公正な移行でなければならない」

 ブラジルでの大会決議を受けて、米国チャタヌーガのフォルクスワーゲンで働く熟練労働者のためのUAW声明は、フォルクスワーゲン世界従業員代表委員会とドイツの加盟組織IGメタルに対し、フォルクスワーゲンに圧力をかけて労働者との団体交渉に入らせるよう促した。

 参加者は部門のアクション・プランを全会一致で承認した。次のような活動が盛り込まれている。

  • ハイレベル組合会合を招集し、北米の新しい組織化方法について討議する。
  • 特にサプライヤーで自動車サプライチェーンに関する戦略を策定する。
  • 不安定労働者を組織化するための取り組みを強化する。

 アクション・プランは、自動車産業における気候変動とデジタル化の影響への特別な注意を求め、自動車労働者の持続可能な産業関連雇用の文脈で公正な移行を要求するインダストリオールの方針を支持している。

「このアクション・プランは、私たちが自動車部門で直面している課題、特に不安定雇用とサプライチェーンの問題に取り組むうえで、詳細かつ明確な道筋を示している」

「ますます世界の自動車製造業の中心になりつつあるアジアで、メーカーとの協約を強化してネットワークを構築していきたいと考えている」とレンゼは述べた。

会議の写真を見るにはフリッカー・ページを参照。

 

 

労働者の権利求める韓国ゼネストを支援!

2016-11-17

 

韓国ゼネスト支援をアピールする連帯パネルの輪

韓国ゼネスト支援をアピールする連帯パネルの輪

労働権に対する政府の攻撃と闘っている韓国の組合は、11月30日に労働者の権利を求めてゼネストを決行する。インダストリオールは、組合の闘いを支援するために世界行動デーを呼びかけている。

 韓国の組合は労働権に対する政府の弾圧と闘っている。朴政権は、警察による労働組合事務所の強制捜査と平和的な労働組合員数百人の逮捕を監督した。

 朴大統領は韓国の労働法を変更し、適正手続きなしで解雇できるようにしたり、上級従業員の賃金を削減したり、外部委託を増やしたりできるようにしようとしている。

 朴政権は、韓国の主要企業が反労働者的政策への支持やその他の情実と引き換えに、大統領の同盟者が管理する財団に賄賂を払った最近の汚職事件にかかわっている。

 先ごろソウルで行われた韓国人100万人の行進を含む進行中の反撃の一環として、韓国の組合は11月30日のゼネストを指示した。

 世界行動デーに参加し、これから11月30日まで以下の行動によって韓国の組合を支援してほしい。

  • 抗議文を送る。貴組合のレターヘッドを入れ、最初の文に組合名を挿入し、署名して書簡の冒頭に記載のメールアドレスに送付する。
  • 連帯パネル(右側のリンク)を持って自分の写真を撮り、ハッシュタグ#KoreaGeneralStrikeをつけてインターネットで公開し、press@industriall-union.orgに送って共有する。
  • 韓国大使館・領事館または反労働者的な腐敗した韓国企業(現代、LG、ポスコ、サムスンなど)で行動を起こす。大使館、領事館または経営陣に抗議文を手渡すこともできるだろう。必ず行動の写真かビデオをpress@industriall-union.orgに送り、共有してほしい。

 このほど連帯ミッションで韓国を訪問したヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は言う。「世界行動デーへの参加によってこのゼネストを支援し、韓国政府にグローバルな連帯の強さを見せつけてもらいたい」

 

トルコで組合結成の試みを理由に解雇

2016-11-16

 

トルコのGunsan Elektrikで抗議する労働者

トルコのGunsan Elektrikで抗議する労働者

シュナイダーエレクトリックがトルコに所有するGunsan Elektrikで、組合結成を試みたために7人の労働者が11月13日に解雇された。

 インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織ビルレシク・メタル・イスは、トルコのいくつかのシュナイダー工場に組合員がいる。

 同労組はGunsan Elektrik工場で組合員を組織化したのち、職場組合を結成するために、トルコ労働省に過半数証明書と呼ばれる文書を申請した。

 経営側はそのことを知ると、組織化活動を主導した7人の労働者を出し抜けに解雇するという挙に出た。反組合的慣行は続いており、経営側は労働者を1人ずつ呼び出し、組合に加入しているかどうか確認している。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は、同社による組合問題への干渉、不当解雇、労働者に対する嫌がらせを直ちにやめなければならないと言う。

「シュナイダーエレクトリックに対し、介入してGunsan Elektrikに労働者7人の復職、組合を選ぶ労働者の権利の尊重、ビルレシク・メタル・イスとの誠実かつ建設的な対話の実施を求めるよう促す」

 

 

ジョージアの金属工場で強力な労働協約を締結

2016-11-16

 インダストリオール加盟組織の努力のおかげで、ジョージアのゼスタフォニ合金鉄工場で新しい3カ年労働協約が締結された。この協約は70項目から成り、労働安全衛生と組合権の保護に多大な注意を払っている。

 11月2日、ジョージアン・マンガンのウラジミール・ロジンスキ取締役、ジョージア労働組合連合のイラクリ・ペトリアシュビリ会長、インダストリオール加盟組織ジョージア冶金・鉱山・化学産業労組のタマズ・ドラベリーゼ会長が労働協約に署名した。

 新しい労働協約は3年間有効で、次のような印象的な給付パッケージを定めている。

  • 週40時間の標準労働時間
  • 残業手当1.3倍、休日労働手当1.25倍、夜間労働手当(22:00-06:00)1.2倍
  • 年次有給休暇を24日から27日に増加
  • 経営側は労働組合機関で選出された労働者に対し、組合活動参加のために3日の追加休暇を毎年提供。うち2日は会社負担、1日は組合が負担する。
  • 使用者は従業員に医療保険を提供。組合代表は保険会社の選択に参加できる。
  • 会社側は労働組合が計画する作業研究プログラムやスポーツ・文化活動に多額の資金援助を提供。

 この労働協約は、労使双方による約束の実施状況を監視・管理するメカニズムを盛り込んでいる。

 2016年6月に団体交渉が始まり、当初は多くの問題をめぐって重大な意見の不一致があった。しかし双方が積極的な態度で臨んだ結果、最終的に協約締結に至った。

 タマズ・ドラベリーゼは次のように述べている。「ゼスタフォニの歴史で、労使が社会的対話と社会的パートナーシップの原則に基づく労働協約の締結にこぎつけたのは今回が初めてだ。労使双方は、この協約があらゆるレベルで信頼と尊重の雰囲気を作り出すよう確保する」