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第64号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年2月28日)

組合構築プロジェクトがインドで新規組合員組織化を推進

2017-02-22

 

持続可能な組合構築などを討議した組合構築プロジェクト会議(2017年2月、デリー)

インドのインダストリオール加盟組織は2014年以降、多くの不安定労働者を含む6万3,000人以上の新規組合員を組織化してきた。

 2014年から2016年にかけて、インダストリオール、ユニオン・トゥ・ユニオン、IFメタル、ユニオネン、SASKが支援するプロジェクトにより、鉄鋼・鉱業・エネルギー部門の加盟組織が4万3,062人、繊維・衣料・製靴・皮革部門の加盟組織が1万9,993人の新規組合員を組織化した。

 加盟組織は2017年2月のデリー会合で、持続可能な組合の構築、組合員への効果的なサービスの提供、グローバル枠組み協定(GFA)と組合ネットワークの利用をめぐる課題について討議した。

 アトレ・ホイエ・インダストリオール書記次長は、より多くの労働者を組合に加入させることが戦略的目的の達成に向けた主な目標だとして次のように述べた。「サプライチェーンで労働者を組織化し、組合の力と公正な社会を構築するために女性参画を促進することも重要だ」

 加盟組織は組織化にあたって構造的な課題に直面した。例えば、反労働者的な政治状況、労働法の変更、新組合登録の困難、海綿鉄工場の閉鎖、低価格鉄鋼の輸入、廃貨、抑圧的な管理などである。

 特に、不安定労働者の組織化が難しく、組合機構の持続可能性や組合費の徴収に大きな影響を及ぼしているという懸念もある。

 「これらのプロジェクトは、加盟組織の能力を高め、より強力で持続可能な組合を構築しようとする取り組みを支援するうえで、重要な手段になっている」とアプールヴァ・カイワール南アジア地域事務所所長は述べた。

 鉄鋼・鉱業・エネルギー部門プロジェクトは、アンドラプラデシュ、テランガナ、チャッティースガル、ジャールカンド、オーディシャー、マハラシュトラ各州で労働者を組織化するために、インド全国金属労連、インド全国鉱山労連、インド鉄鋼・金属・機械労連、Hind Khadan Mazdoor Federationを対象に実施された。

 多くの不安定労働者を組織化するとともに、企業プロジェクトに土地を提供した人々への適切な補償金を確保するために連帯支援を広げた。

女性の関与

 2016年には約2万人の労働者が、地域会合や工場ゲートでの会合、集会などさまざまな行事に参加した。これらの行事では女性参加者も増えた。

 インド・インダストリオール女性委員会のデビカ・シン議長が、部門における女性労働者のマッピング活動の結果を共有し、女性問題への取り組みにもっと関心を払うよう求め、次のように述べた。「この部門で働く女性労働者のほとんどが不安定労働者だ。多くの鉄鋼工場や鉱区で、女性労働者は低賃金、セクシャル・ハラスメント、女性用トイレの不足、労働安全衛生、託児施設の欠如などに直面している」

 繊維・衣料・製靴・皮革プロジェクトは、全国繊維・衣料・皮革労連、女性自営労働者連合、インド全国衣料・皮革労連、インド全国繊維労連、労働者イニシアティブ、インド繊維労連の活動を支援した。

 この活動はチェンナイ、コインバトール、バンガロール、コルカタとその郊外地区、デリー首都圏、カンプール、アーメダバード、ムンバイなどの製造業中心地で行われた。2016年には、7,000人以上の労働者が会合やワークショップに参加している。

 インダストリオール素材金属部門担当部長のアダム・リーが次のように述べた。「インドの加盟組織は多国籍企業で組合ネットワークとGFAを利用できる」「組合はいくつかの多国籍企業で国際的に力を持ち、この部門で効果的な連帯を広げることができる。インドの加盟組織は、これらの多国籍企業を確認して既存の組合の力を利用し、インドで組織化キャンペーンを支援していく必要がある」

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