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第65号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年3月30日)

インダストリオール、鉄鋼業の公正な世界的再編を

2017-03-27

 

欧州で世界の鉄鋼産業の公正かつ持続可能な再編求めてアピール行動

インダストリオールは先週パリのOECD鉄鋼委員会で、労働者が鉄鋼業の再編にあたって発言権を持ち、違法な商慣行の代償を払わされないようにすることを要求した。

   中国の鉄鋼生産は国家の支援を受けて15年間で5倍に増えた。中国経済が減速して内需が伸び悩んでいるため、余剰鉄鋼が世界市場でダンピングされ、労働者と労働組合、地域社会に損害を与えている。

 中国は先ごろ、鉄鋼の過剰生産能力を減らしているところだと主張した。中国の主張は疑問視されているので依然として過剰設備の危険があり、他の国々も過剰設備を増やす同様の違法な慣行を採択するかもしれない。

「OECD鉄鋼委員会は、市場を歪める鉄鋼政策が過剰生産能力をもたらしている国々で、生産能力の削減を奨励することに焦点を当てるべきだ。市場歪曲的な政策に起因する新たな過剰生産能力の増大の防止も重視しなければならない」とアダム・リー・インダストリオール素材金属担当部長は委員会で述べた。

 インダストリオールは鉄鋼委員会で、労働者と組合が再編プロセスにおいて発言権を持つことの重要性を主張した。

 ヨーロッパでは社会的対話が、再編が労働者に及ぼす影響の緩和に役立っている。ブラジルや韓国、アメリカのような国々では、労働者の意見をほとんど聞かずに再編が実施されていたり、社会的対話によって労働者への影響を最小限に抑えられるようにするための支援を政府が提供していなかったりする。

鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム

 先週、鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラムが開催された。このグローバル・フォーラムは、OECD鉄鋼委員会と協力して鉄鋼の過剰生産能力危機に立ち向かうため、2016年にG20が設置したものである。インダストリオールは、組合にグローバル・フォーラム参加を勧め、世界の鉄鋼業再編にあたって労働者が発言権を持てるようにするという要求を繰り返した。

 OECD鉄鋼委員会には、OECD当局者とともに政府、企業および組合代表も参加した。組合側参加者には、インダストリオール、全米鉄鋼労組、インダストリオール・ヨーロッパ、OECD労働組合諮問委員会が含まれていた。中国はグローバル・フォーラムに出席したが、OECD鉄鋼委員会への参加は辞退した。

 インダストリオールは中国の鉄鋼労働者との連帯を表明するとともに、中国に対し、独立した民主的労働組合の活動を許可し、再編が中国の鉄鋼労働者に与える影響を最小限に抑える政策を採用するよう求めた。

 「インダストリオールは、OECD鉄鋼委員会ならびにグローバル・フォーラムと協力しながら、世界の鉄鋼業の公正かつ持続可能な再編において労働者が有意義な発言権を持てるようにしたいと熱望している」とリー担当部長は付け加えた。

 

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