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第66号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年5月8日)

インダストリオール、4月28日にアスベスト反対デモ

2017-04-28

 

アピールするホフマン会長

 4月28日の国際死傷労働者記念日に、世界各地のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組合がスイスのジュネーブに集まり、アスベスト貿易の中止を求めてデモ行進した。

 年間10万人以上がアスベスト関連疾患で亡くなっている。毎年約200万トンのアスベストが採掘・販売され、ほとんどの輸出が発展途上世界向けである。

 現在インダストリオール加盟組織約100団体が執行委員会でジュネーブに集まっており、これにグローバル・ユニオンのBWIとUNIおよびオーストラリア労働組合協議会の代表も加わって、国連前でデモを実施した。労働組合は国連条約であるロッテルダム条約に対し、クリソタイル・アスベストを危険物質リストに載せてアスベスト貿易をやめさせるよう求めている。

 イェルク・ホフマン・インダストリオール会長は集会で次のように述べた。

「職場で亡くなったり負傷したりした労働者を悼む日である今日4月28日、私はアスベストが原因で死亡した数百万人の喪に服している。何百万人もの労働者とその家族、過去および現在にアスベスト鉱山やアスベスト工場周辺の地域社会にたまたま住んでいただけの人たちだ」

「アスベスト産業の嘘にだまされてはならない――あらゆる種類のアスベストに致死性がある。クリソタイルが不思議なことになぜか他の種類のアスベストとは異なるということはなく、口でそう言っても実際には同じだ。グローバルな労働運動は科学的側面を調べ、同志たちが亡くなっている現状を認識しており、あらゆる種類のアスベストの全面禁止を要求している」

 デモ隊はアスベスト曝露が原因で亡くなった人たちのために1分間の黙祷をささげたあと、国連から現在ロッテルダム条約の第8回締約国会議が開かれているジュネーブの会議センターまで練り歩いた。

 ロッテルダム条約は、リストの危険物を取引する場合は輸入国の事前通報同意を得たうえで、有害な特性を完全に開示するよう求めている。しかしクリソタイル・アスベストは、ロシアやカザフスタンなどアスベスト貿易から利益を得ているほんの一握りの国々によって、条約のリストへの追加を繰り返し妨害されている。

 インダストリオールは、ロッテルダム条約第22条を修正し、いかなる国も致命的な物質のリスト追加に拒否権を発動できないようにするというアフリカ12カ国グループの提案を支持している。その代わりに、投票権を持つ締約国の75%の多数で足りることとする。

 インダストリオール加盟組織はその後、執行委員会でアスベスト反対キャンペーンの段階的強化を承認した。この決議には次の条項が盛り込まれている。

  • ロッテルダム条約第22条の修正を支持し、アスベストを事前通報同意手続きの対象に加えるには全会一致が必要という条件を撤廃する。
  • あらゆる種類のアスベストとアスベスト含有物質のすべての採掘、製造、再利用および使用を可能な限り早く禁止するために、緊急の措置を取る。
  • すでに禁止が導入されているか否かに関係なく、すべての国々で、国際労働事務局と世界保健機関の指導に従ってアスベスト関連疾患の根絶に向けた国家アクション・プログラムを策定するために、緊急の措置を取る。

 

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