広報ニュース

第68号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年6月30日)

独ダイムラー労働者、将来の雇用を求めて闘争

2017-06-29

ウンターテュルクハイムのメルセデス・ベンツ工場

 ウンターテュルクハイムにあるメルセデス・ベンツの主要供給工場の従業員代表委員会は、2017年7月1日から超過労働をいっさい認めない。

 この決定は、電動モビリティーとウンターテュルクハイム工場の今後をめぐる経営陣との難しい交渉を経て下され、シンデルフィンゲンで生産されるメルセデス・ベンツSクラス車とEクラス車の将来の供給に混乱を引き起こした。

 今までのところ工場経営陣は、計画されているバッテリー工場はウンターテュルクハイム工場の下位施設とすべきではなく、ドイチェ・アキュモーティブ社に設立すべきだと主張している。アキュモーティブ社はカーメンツ(ザクセン州)に拠点を置くダイムラー子会社である。これは現在メルセデス・ベンツ車向けにエンジンやトランスミッション、車軸を生産しているウンターテュルクハイム工場の労働者約1万9,000人にとって、深刻な脅威となる。

 同社はすでにバッテリーの製造規模を拡大しており、労働者は、ダイムラーがエンジン部品と組立ラインの労働者が少なくてすむ電気自動車への支出を増やす中で、今後工場の注文が減るかもしれないと懸念している。

 すべてのメルセデス・ベンツ工場にとって、重要部品の生産場所の問題は将来のeモビリティーにとって非常に重要である。将来の電気自動車を既存の工場に組み入れるという基本的な誓約は、シンデルフィンゲン、ブレーメンおよびラシュタット工場の建設工事の必須条件だ、と従業員代表委員会代表は主張する。ウンターテュルクハイム工場についてはそのような約束がなされていないが、今度の変更で労働者は甚大な影響を受けるだろう。

 同時に、工場経営陣は特に、全従業員について労働時間口座の日数を年間3日減らしたがっている。この3日間は、個人所得に換算すれば従業員1人当たり年間650ユーロに相当し、従業員代表委員会は強く非難している。

 これまでのところ経営側は抵抗を示しており、この現場でバッテリー製造を維持するために必要な投資は多額すぎると主張している。これはウンターテュルクハイム工場の現在の場所など、いくつかの要因が原因である。バーデン・ビュルテンベルク州では、同社がカーメンツ地区にすでにバッテリー工場を構えているザクセン州より金属関税が高い。

 これに先立って、今年初めの電動モビリティー導入をめぐる交渉の際、工場経営陣は後部eATS(電気駆動システム)の生産も発表している。しかしその後、同社代表は、この案はもはや提示に含まれてないと発表した。

 メルセデス・ベンツ・ウンターテュルクハイム従業員代表委員会のウォルフガング・ニーケ委員長は次のように述べている。
 「ここネッカー谷における私たちの未来は、伝導機構の未来と密接に関係している。だから、明日の針路を今日定めることが重要であり、労働者と従業員代表委員会は、会社ができるだけ多くの寸法の電気駆動部品を生産することを期待している」

次のニュース »