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第69号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年7月31日)

インダストリオール、香港条約批准キャンペーンを強化

2017-07-28

バングラデシュ・チッタゴンで開催されたワークショップ

 インダストリオール・グローバルユニオンとその加盟組織は、2017年7月にバングラデシュとインドで続けて2回のワークショップを開き、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約の批准の重要性について討議した。

 2009年に採択された香港条約は、船舶の再生利用が人の健康や安全、環境に不要なリスクをもたらさないようにするための規則を定めている。インダストリオールと加盟組織は、各国政府による条約批准を要求するために積極的に関与している。

 7月17~18日にチッタゴンで開かれたインダストリオールのワークショップは、バングラデシュ金属労働者連盟、バングラデシュ金属・化学・衣料・裁縫労連、バングラデシュ労働研究所およびOSHE財団が共同で組織した。このワークショップには加盟組織のほか、国際海事機関や市民社会組織(CSO)、学会の代議員が大勢参加した。

 チッタゴンのワークショップには、バングラデシュのマジバル・ハク労働雇用大臣も参加し、次のように述べた。
 「工場設備検査省の当局者は、現行法に違反して労働者の生命を危険にさらしている解撤場所有者に対して厳しい措置を取るべきだ。私たちは他の関連部署と協議しながら、香港条約の批准・実施に向けた取り組みを促進していく」

 インダストリオール加盟組織のアラン・ソシヤ船舶再利用一般労組(ASSRGWA)は、7月20~21日にインドのバウナガールでワークショップを開いた。このワークショップには、船舶解撤労組、使用者連盟、政府当局、女性自営労働者連合、CSOの代表をはじめ、多くの利害関係者が参加した。

 参加者は船舶解撤場の安全衛生慣行を改善することの必要性を強調。労働者の間で香港条約に対する認識を促し、批准キャンペーンを推進することも決定した。地方政府当局者、使用者およびASSRGWAは、それに向けた具体的なプロセスを開発するために、定期的に社会的対話を行うことで合意した。

 松﨑寛インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は述べた。
 「今までのところ、6カ国しか香港条約を批准していない。条約を発効させるには、あと14の主要な造船・海運・船舶解撤国が批准する必要がある。船舶解撤産業では今も重大な死傷事故が発生している。船舶解撤場で安全かつ健康的な労働条件を確保するには、少なくとも南アジアの船舶解撤国が直ちに条約を批准・実施するために行動を起こさなければならない」

 南アジアは耐用年数を経た船の主要な行き先である。世界中の巨大な船舶がインドやパキスタン、バングラデシュの海岸に引き上げられ、労働者が船を解体して鋼製部品などの部品を回収、川下産業の経済活動を刺激している。南アジアの船舶解撤産業は世界で最も危険な産業の1つであり、労働者は命がけで働き、生活費を稼ぐ過程で重傷を負っている。

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