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第72号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年10月31日)

北米の労働者、自分たちのニーズを考慮したNAFTA協定を求めて結集

2017-10-03

NAFTAに基づく労働者の権利擁護を訴えて行進するユニフォーのメンバー

 カナダの組合ユニフォーは、メキシコに労働基準を改善させ、カナダおよびアメリカとともに、平等な労働条件を確保する北米自由貿易協定(NAFTA)を何とか取り決めさせるべく努力を続けている。

 ユニフォーとさまざまな労働組合・社会組織が集会を開いてメキシコの労働者との連帯を表明し、NAFTAに基づく労働者の権利を擁護するとともに、先ごろの地震の被害者に同情の意を表した。

 組合側は、すべての関係国について尊厳ある労働条件を保証し、労働者の権利ならびに持続可能な開発に対する権利を尊重するNAFTAを求めている。メキシコの労働組合代表の出席が期待されていたが、9月19日にマグニチュード7.1の壊滅的な地震がメキシコを襲ったため、これは不可能になった。

 「NAFTA締結時には、賃金が上がってメキシコの労働者が貧困から解放されると言われたが、そうはならなかった。この困難な時期に支援を表明し、より繁栄する未来を構築するために手助けしたい」とユニフォーのジェリー・ディアス全国会長は、地震の犠牲者を追悼する1分間の沈黙のあとに述べた。

 メキシコのUNTとヌエバ・セントラル、その他の関連組合は公式声明を発表し、寄せられた連帯に感謝した。
 「関連3カ国の労働者・労働組合は団結して闘っており、仕事と生活をより不安定にしようとする試みを阻止し、3カ国間の不均衡を抑え、賃金の購買力を回復させるとともに、ディーセント・ワークの保障、地域全体における労働者の権利の尊重、各国の持続可能な開発に対する権利の承認を抜きにしてNAFTAが進展しないよう確保すべく取り組んでいる」

 ユニフォーとアメリカの加盟組織である全米自動車労組(UAW)は共同声明を発表、この協定の再交渉は調印3カ国の労働者に利益を与えなければならないと述べ、メキシコとアメリカ南部における労働法の柔軟化と低賃金の押しつけは労働者を犠牲にして企業利潤を増やすとして拒絶した。

 自動車産業は北米で200万人の雇用に直接責任を負っており、この協定はアメリカとカナダで数十万人の失業と数千工場の閉鎖を招いた、と関連組合は説明した。したがって、NAFTA再交渉が3カ国で成功を収めるには、特にメキシコで労働者の賃金上昇をもたらさなければならない。メキシコの学者アレックス・コバルビアスによる最近の研究によれば、自動車産業労働者の平均時給は2.3米ドルである。さらに組合側は、この協定が対メキシコ貿易赤字の縮小に役立ち、アメリカとカナダの労働組合がある工場で新しい製造業雇用を創出することを期待している。

 9月27日にカナダのオタワで第3回NAFTA交渉が終了した。第4回交渉は10月にワシントンで行われる。この貿易圏の国々は年内、メキシコ大統領選までに合意に達しようと努力する。しかし交渉は遅々として進まず、目に見える進展はない。

 インダストリオール・グローバルユニオンのフェルナンド・ロペス担当部長は次のように語った。
 「メキシコ、カナダおよびアメリカの労働者は、労働条件と結社の自由、団体交渉権を考慮しない協定に反対であり、悪い協定を結ぶくらいなら協定などないほうがいいと考えている。インダストリオール・グローバルユニオンを頼りにしてほしい!」

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