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第77号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年3月31日)

OECD鉄鋼会合で関税と過剰生産能力に焦点

2018-03-08

IAはOECD鉄鋼委員会で、過剰生産によって鉄鋼労働者が解雇されている現状に懸念を示した
グローバルフォーラムでは中東での生産増に伴って中核的労働基準が軽視されている状況を警告した

 2018年3月5~6日にパリで年2回のOECD鉄鋼委員会が開かれ、世界的な過剰生産能力とドナルド・トランプ米大統領による新関税実施案が議論の中心となった。

 トランプ大統領は委員会のほんの数日前に、アメリカの鉄鋼輸入に25%、アルミ輸入に10%の関税を課すと発表したが、詳細はまだ煮詰まっていない。

 この会合に参加した組合は、インダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ、コミュニティー、英ユナイト、仏CFE-CGC Siderurgieなどである。

 インダストリオールは今回の委員会で、過剰生産能力が原因で鉄鋼労働者が解雇されている現状について繰り返し懸念を表明した。インダストリオールは、新たに発表された関税に関して合意点を見いだすために、素材金属部門の加盟組織と協議している。

 2017年のOECD鉄鋼委員会で批判の的になったのは、世界的な鉄鋼の過剰生産能力における中国の役割だったが、今回の会合では、この問題に一方的措置で対処しようとするトランプの計画に批判が集まった。

 ブラジル、カナダ、中国、インド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ロシア、南アフリカ、韓国、トルコ、イギリス各国政府ならびに欧州委員会の代表は、鉄鋼貿易をめぐるセッションでトランプの関税計画に反対した。ヨーロッパとラテンアメリカの業界団体も反対を表明した。

 米政府代表は、トランプはまだ最終案を発表していないので対応しようがないと述べたが、過剰生産能力が根本問題だという他の参加者の意見に同意し、これまでに利用された措置はこの問題に適切に対処できていないと付け加えた。

 OECD鉄鋼委員会事務局の報告によると、現行水準の過剰生産能力を吸収するには、あと30年にわたって需要が伸びなければならない。中国政府は委員長に対し、世界の鉄鋼生産能力は2017年に1%減少するなど、最近わずかながら減っているが、主にアジアで減少していることを正式に認めるよう求めた。委員長は声明の中で、この減少は「絶対量では主としてアジアで見られる」が、他の地域も「相対的に重要」だと述べた。

 委員会は、世界的な過剰生産能力における国有企業の役割をめぐって議論し、国有企業が民間企業に比べて政府から不当に優遇されていることについて懸念を表明した。

 鉄鋼委員会の直後に、鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラムが開催された。このグローバル・フォーラムは、OECD鉄鋼委員会と協力して鉄鋼の過剰生産能力危機に立ち向かうため、2016年にG20が設置したものである。鉄鋼委員会とグローバル・フォーラムの両方が各国に対し、協力して鉄鋼部門向け国庫補助金に関する共通の理解を深め、関連情報を共有するよう促している。

 インダストリオールは、中東で鉄鋼生産が急増すると同時に中核的労働権が軽視されている状況は深く懸念されると警告し、先ごろイランの鉄鋼労働者10人が未払賃金に抗議したために逮捕された事件を指摘した。

 「私たちはOECD鉄鋼委員会に対し、過剰生産能力だけでなく労働者の基本的権利の侵害についても、中東諸国政府に懸念を提起するよう促す」とアダム・リー・インダストリオール素材金属担当部長は会合で述べた。

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