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第80号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年6月30日)

キャタピラー組合ネットワーク、日本の同志との連帯を表明

2018-06-28

キャタピラー・グローバル労組ネットワークが初めて日本(相模原)で、年次労働組合ネットワーク会議を開催した
相模原工場は2018年7月末で工場が閉鎖されるが、同社は海外でも1万5千人以上の雇用が削減されて手当は用意されていない

 キャタピラー・グローバル組合ネットワークは、2018年7月末に工場が閉鎖される日本の相模原で年次会合を開催し、組合を強化してキャタピラーをよりよい企業にするためにグローバルな連帯を確認した。

 6月25~26日に日米欧から30人以上の代議員が集まり、キャタピラーで年次労働組合ネットワーク会議を開いた。加えて、経験を交換するためにコマツユニオンからのゲストも出席した。

 このネットワークは今年初めて東京近郊の相模原で会合を開いた。相模原工場は2016年終わりの経営意思決定を受けて閉鎖される。その後、キャタピラーでは全世界で1万5,000人以上の雇用が削減されたが、配当は手付かずのままである。

 過去2年間に多くの工場が閉鎖され、大幅に縮小された工場もある。相模原工場は年末までに操業を停止し、取り壊されることになっている。幸い、キャタピラージャパン労働組合(基幹労連加盟組織)は余剰人員解雇を何とか最小限に抑え、多くの労働者を他社や明石工場に異動させた。それでも、工場閉鎖が労働者とその家族にとって悲痛な話であることに変わりはない。

 キャタピラー労組の武井英樹中央執行委員長は次のように述べた。
 「私とこの会議に参加した組合員にとって、他国の行動や問題について学べたことは実に有益な体験だった。このネットワークが成功を収め、世界中のキャタピラー労働者間の連帯を強化するよう願っている」

 日本基幹産業労働組合連合会(基幹労連)の神田健一中央執行委員長と全日本金属産業労働組合協議会(JCM)の浅沼弘一事務局長も会議で挨拶した。

 ネットワークと作業部会で議論の中心となったのは、悪しき決定と工場閉鎖を防ぐために会社側に対話の改善を要求するという案である。ネットワークはキャタピラーをよりよい会社にすることを目指しており、労使関係の改善によってこれを達成しようと努めている。

 コマツユニオン中央執行委員長も出席者に挨拶し、世界の他の地域と根本的に異なる日本式の社会的対話について説明した。

 マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長が、ほとんどの日本人の同僚が「キャタピラー」という英単語に「チョウの幼虫」という意味もあることを知らないことを念頭に置いて、会議を総括した。
 「将来、経営側が労働者と労働組合を敵ではなくパートナーとみなすようになれば、キャタピラーはもっと成功を収めることができるはずだ。労働組合ネットワークと参加組合員は常に公正な対話を受け入れる。これは労働者だけでなく企業のためにもなる。だから、貪欲なキャタピラーが本当に美しいチョウになるかもしれない」

 ネットワークは共同活動計画を採択した。参加者全員がネットワーク構築の続行を決意している。さまざまな労働組合・地域間の交流は、そのような多国籍企業で理解を深めるうえで極めて重要である。さらに、先ごろ経営側が人権についての議論を開始する旨発表しており、対話の改善につながると期待される。キャタピラー・グローバル組合ネットワークは、この対話に入る用意がある。

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