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第81号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年7月31日)

インドのゲルダウ鉄鋼工場で労働者6人が死亡

2018-07-13

インドのゲルダウ鉄鋼工場のガス漏れ事故で、労働者6名が死亡して3名が治療を受けている
この地域では事故に対して大規模な抗議行動が起こったが、労働組合がないために犠牲者の補償内容は不透明なままである

 7月12日にアンドラプラデシュ州アナンタプル地区タディパトリのゲルダウ鉄鋼工場でガス漏れ事故が発生し、労働者6人が死亡、3人が治療を受けている。

 ゲルダウ鉄鋼工場の毒ガス漏出事故は7月12日午後5時ごろに起こった。労働者たちがトンネルを掃除していたとき、何人かが意識を失い、同僚を助けに行った2人の労働者も倒れた。その後、ガス漏れの影響を受けた全員が病院に運ばれた。病院に向かう途中で2人が死亡、その他4人も病院で亡くなった。3人の労働者が治療中と言われている。

 死亡事故の犠牲者はK Manoj Kumar(24)、B Ranganath(21)、SM Wasim Basha(26)、K Siva Maddileti(26)、K Yugandhar(37)、G Guruvaiah(45)であることが確認された。亡くなった6人のうち常用労働者は2人だけで、残りの4人は契約労働者と見習工である。犠牲者の多くが最近結婚したばかりで、幼い子どもを残して逝った者もいる。

 地方政府当局が事故を調査しており、近日中に報告が発表されると予想される。初期の報告によると、修理作業後の再加熱にガスを使っていたとき、トンネル内で一酸化炭素が漏出したという。地方当局は、業務経験に基づいて犠牲者に補償金が支払われると発表したようである。犠牲者のうち4人は不安定労働者なので、どんな補償を受けるかははっきりしないままである。

 タディパトリのゲルダウ工場で政府当局が適切な安全対策と定期的な安全検査を実施していれば、事故は回避できていただろう。この事故を受けて地域で大規模な抗議行動が起こり、犠牲者と遺族への適切な補償と事故の責任者の処罰を要求した。現在この工場には労働組合がない。数年前に組合を結成しようとする動きがあったが、失敗に終わった。

 ゲルダウは世界有数の鉄鋼メーカーで、安全衛生実績は芳しくない。2017年には、ゲルダウのブラジル・オウロブランコ工場で1年以内に10人の労働者が死亡している。2018年5月のゲルダウ労働者世界協議会で、組合代表は会社側の反組合的な慣行をはじめ、ゲルダウ労働者が直面する多数の問題を強調した。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう語った。

「ゲルダウは世界中の工場で安全衛生対策を改善しなければならない。回避可能な死亡事故がゲルダウ労働者の命を奪い続けている現状は容認できない。私たちは最愛の人を失った遺族と連帯し、ゲルダウ経営陣が犠牲者の遺族に適切な補償を支払うよう要求する。ゲルダウはインドの工場で労働者による組合の結成を妨げようとしてはならない。ゲルダウは労働者世界協議会と協力し、世界中で安全衛生問題に取り組まなければならない」

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