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第85号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年11月30日)

テナリス/テルニウム会長の贈収賄事件告発で組合が闘争拡大

2018-11-28

テナリスとテルニウムの組合がメキシコで会合を開き、この多国籍鉄鋼メーカーで労働者の権利侵害に対抗する計画を立案

 世界中のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織が、億万長者のテナリス/テルニウム会長が贈収賄事件で告発されたことを受けて、両社労働者の権利侵害に対抗する計画を策定した。

 「協議会は、テナリスとテルニウムがブラジルで現在の権威主義的な政治環境に乗じて労働者に危害を加えることのないよう要求した」。11月26~27日にメキシコシティー郊外でテナリス・テルニウム労働者世界協議会が開かれ、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、コロンビア、グアテマラ、インドネシア、イタリア、メキシコ、ルーマニアおよびアメリカの組合が参加した。この会合で協議会は10周年を迎えた。

 ワルベルト・マルゴSINTRATUCAR会長が協議会出席者に、コロンビアにおけるテナリスの労働者攻撃に関する最新情報を提供した。テナリスはSINTRATUCAR幹部を脅したり、組合活動を不法に撮影したりし、労働組合員にとって世界一危険な国で場合によっては組合員の命を危険にさらしている。

 Sitraterniumは、グアテマラでテルニウムとの協議が遅々として進んでいない状況について説明した。2012年にSitraterniumが登録されたあと、テルニウムは同労組幹部数十人を解雇して交渉を拒否した。インダストリオールはUSWならびにSitraterniumとともに、2017年9月にOECDにテルニウムを提訴。同社は2018年3月にSitraterniumとの協議を開始した。

 METAROMの報告によると、テナリスは最近ルーマニアで同労組に対する圧力を強めている。テナリスが公正な賃金の提示を拒否したあと、METAROMは一連の抗議行動を組織し、この行動は全国メディアの注目を集めた。同労組は賃金協約を達成したが、多くの紛争が続いている。

 いずれもテチント傘下のテナリスとテルニウムは労働者の権利を侵害し、賃金紛争を引き起こし、2017年に15億米ドル以上の利益を上げていながら低賃金国に工場を移転すると脅しをかけている。

 会合2日目に、テナリス/テルニウム会長で多数株主のパオロ・ロッカが、アルゼンチンでの贈収賄事件の一環として告発された。ベネズエラによって国有化された事業単位への補償を急がせるために、経営幹部の1人が2009年から2012年にかけて政府当局者に現金を支払ったことをロッカが証言したあと、裁判官はロッカを告発した。ロッカは、自分はこの支払いに関与していないと主張している。

 テチントは、ブラジルの大規模な汚職摘発作戦でも名前が上がっており、本社の移転やオフショア会社の設立によって税金を逃れた過去がある。

 「労働者を虐待する企業は多くの場合あらゆる点で無責任であり、テナリスとテルニウムも例外ではない」とアダム・リー・インダストリオール素材金属担当部長は述べた。「テナリス/テルニウム労働者世界協議会は、両社が方針を変更し、全世界で組合との社会的な対話に入るよう要求する」

 参加組合は、株主と顧客にテナリス/テルニウムの反組合的慣行に関する懸念を提起して両社に圧力をかけ、社会的責任ある会社だという各社の主張に恥じない行動を取らせることを約束した。

 協議会はインダストリオール加盟組織ロス・ミネロスが主催したこの会合を、前週にアルゼンチン・ロサリオのテルニウム工場で重傷を負ったUOM組合員ガブリエル・パレルモに捧げた。参加組合は両社の事業で進行中の安全衛生問題について議論し、安全衛生の改善を世界協議会の主な優先事項にすることを決議した。

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