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第85号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年11月30日)

サムスンは組合と協力して安全性向上を

2018-11-26

 サムスン電子は労働組合と協力して職場の安全性を高めなければならない、とインダストリオール・グローバルユニオンは言う。同社は先ごろ、韓国の工場で生死にかかわる病気にかかった労働者数百人への補償金の支払いに同意した。

 影響を受けた労働者を代表する韓国の権利擁護団体SHARPSによる11年の闘いを経て、サムスン電子は、1984年から同社の半導体・LCD工場で化学薬品にさらされた結果、肺癌や白血病など重大な職業病にかかった元労働者と現役労働者に正式に謝罪し、ようやく補償を申し出た。

 「同社が謝罪するまでに時間がかかりすぎた――11年は長すぎる。サムスンは従業員に労働組合の自由を与えていないことを謝罪すべきだ。職場の危険について知る権利と独立労働組合を持つ権利は、有意義な長期的予防システムの極めて重要な前提条件だ」とインダストリオールに加盟している韓国金属労組(KMWU)のスポークスパーソンは述べた。

 2007年、サムスン電子のチップ工場で働いたファン・ユミが白血病で亡くなり、同社の工場で労働者が危険にさらされていることについて警告を発するきっかけとなった。
 SHARPSはそれ以来、何百人ものサムスン労働者が、癌や血液疾患、肺疾患、流産をはじめ重大な職業病にかかっていることを立証してきた。サムスンは、これらの労働者(その多くが死亡)を無視し、責任を受け入れることも補償金を支払うことも拒否した。しかし2018年11月23日、キム・ギナム・サムスン社長は「病気で苦しんでいる労働者とその家族」に謝罪し、同社が「健康に対しての害を十分管理」していないことにも触れた。

 11月1日の補償発表後、ユミの父親ファン・サンギは次のように述べた。
「労働者への補償は重要だが、それ以上に重要なのは予防だ。労働安全衛生法の強化によって、すべての労働者と地域社会住民に知る権利と参加する権利――それによって労働者は自分たちが使っている化学物質が何かを知ることができる――を保障しなければならない」

 サムスンは改善するどころか、危険な仕事をサプライチェーンの下流や海外工場に移している、とKMWUは言う。KMWUは、法律を強化して多国籍企業にサプライチェーン全体の虐待に対する責任を負わせるよう求めている。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。
「サムスンは基本的労働組合権を尊重し、組合代表と協力しながら、すべてのサムスン電子施設で安全衛生を確保して労働者の権利を保障すべきだ。経営側は、組合が職場の安全性を高めるということを認識しなければならない」

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