広報ニュース

第86号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年12月28日)

インダストリオール執行委員会、保護協約の撤廃を要求して組合民主主義を擁護

2018-12-03

2018年11月29~30日、インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会をメキシコシティーで開催した

 インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会は11月29~30日のメキシコシティー会合で、メキシコにおける保護協約の撤廃を要求するとともに、世界中で増加しているネオリベラル政権から組合民主主義を守るための対策を講じ、ジェンダーに基づく暴力との闘いの継続を約束した。

 執行委員会がアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール次期大統領就任のわずか48時間前にメキシコシティーで会合を開いたのは、偶然の一致ではない。

 「世界中で労働者の権利を侵害する抑圧的なネオリベラル政権が増えている中で、この新政権は新風を吹き込んでくれる」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は、世界の至る所から集まった組合指導者200人を前に開会の辞で述べた。

 サンチェスもイェルク・ホフマン・インダストリオール会長も、メキシコの新政権と組合民主主義の進展を歓迎した。2人はロス・ミネロス会長で執行委員のナポレオン・ゴメス・ウルティアが、12年の亡命生活を経てメキシコに帰国したことも祝福した。

 代議員は、メキシコで結社の自由を抑圧している保護協約の撤廃に向けて努力するよう新しい革新政権に要求するキャンペーンを開始した。

 執行委員は、自由で独立した組合を設立したために解雇されたメキシコ・サンルイスポトシのグッドイヤー工場労働者への支持を表明し、グッドイヤー労働者を支持して世界的なキャンペーンを実施することについても合意した。

 出席者は女性の受容に関する勧告もいくつか採択、各部門・ネットワークに対し、職場や組合で女性が直面している問題を分析する戦略を策定し、これらの問題に取り組むキャンペーンを開発するよう求めた。

 加えて執行委員は、シェルとグレンコアに対するインダストリオールのキャンペーンを支持し、両多国籍企業が世界中ですべての労働者の権利を尊重するよう要求した。

 南アフリカのゴールド・フィールズとスティルウォーター、アメリカのフォルクスワーゲン(VW)など、他の多国籍企業による労働者の権利の侵害に関する情報も提供された。

 グローバル枠組み協定は、締約企業において製造プロセスの全段階で労働者の権利と権益を保護するための重要な手段として承認された。しかしながら、各国の加盟組織から報告された多様な経験を踏まえて、各社の協定実施状況を監視するために措置を講じることで合意した。

 執行委員会は、公正な国際貿易・製造政策に関するアクション・プランも採択した。その狙いは、加盟組織が多国間貿易協定・条約に関する協議に、より深く関与できるよう支援することである。また、持続可能な雇用の創出を確保するために、気候変動に直面して公正な移行を実施することの必要性に関して、インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパが発表した声明も支持した。

 最後に、執行委員会は一連の決議を採択した。

  • コアウイラ州シウダードアクーニャにあるPKCグループのアルネセス・イ・アクセソリオス・デ・メヒコ工場で、CTMが組合代表選挙を暴力的に中断させたことを非難する。この工場ではロス・ミネロスが、労働協約の管理をめぐってCTMに異議を唱えている。
  • バングラデシュ政府に対し、アコードの機能を引き継ぐ能力のある管轄国家取締機関ができるまで、バングラデシュ協定が効力を維持するよう保証することを求める。
  • ハンガリー政府に対し、国内・国際レベルの中核的労働基準を厳守して行動するよう要求する。
  • VW経営陣に対し、VWが全国労働関係委員会の決定への異議申し立てを取り下げなければ、グローバル枠組み協定を一時停止するというインダストリオールの意向を通知する。

« 前のニュース  次のニュース »