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第87号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年1月31日)

ILO、仕事の未来報告書で人を最優先

2019-01-22

国際労働機関(ILO)は今日、スイス・ジュネーブの本部で画期的な報告書を発表し、仕事の未来のために人を中心に据えた政策課題を求めた。

ILO仕事の未来世界委員会による10項目の勧告の中には、すべての人に対する労働保障、誕生から高齢期までの社会的保護、生涯学習資格が盛り込まれている。

2017年10月に設置された同委員会の共同議長を務めているのは、シリル・ラマポーザ南アフリカ大統領とステファン・ロベーン・スウェーデン首相で、いずれもインダストリオール・グローバルユニオン加盟組合の元指導者である。

「勤労生活の質を高め、選択肢を広げ、ジェンダー・ギャップをなくし、グローバルな不平等による損害を是正する、無数の機会が目の前にある。だが、このいずれもひとりでに起こるわけではない。「断固たる行動がなければ、既存の不平等や不確実性が拡大する世界に迷い込んでしまうだろう」と報告書は強調している。

「輝かしい未来と仕事」報告書は、デジタル化や自動化、ロボット工学が仕事の世界を変える激動の時代に行きついている。報告書は、人間の主導による人工知能への取り組みを提案し、人々の能力、就労にかかわる機構、持続可能なディーセント・ワークへの投資の増加を要求している。

「労働者は生涯を通して技能を高める必要がある。政府、労働者、使用者および教育機関は生涯学習制度を確立しなければならない。この報告書は、そのための具体的な方法を示している」と南アフリカ大統領は発表式で述べた。

10項目の勧告には、次のようなものが含まれる。

  • 労働者の基本的権利を守り、十分な生活賃金を提供し、労働時間を制限し、安全で健康的な職場を提供する、すべての人に対する労働保障
  • 生涯を通して人々のニーズを支える、誕生から高齢期までの社会的保護の保障
  • 技能習得、再技能習得、技能向上を可能にする、すべての人に開かれた生涯学習資格
  • デジタル労働プラットフォームの国際的な統治システムなど、ディーセント・ワークの推進に向けた技術変化の管理
  • ケア経済、環境に優しい経済、農村経済への投資の増大
  • 変革を起こす測定可能な男女平等目標
  • 長期投資を奨励する事業優遇措置の再構築

報告書は各国政府に、公共政策を通して積極的に促進される公益としての社会的対話により、労使の共同代表を確保するよう求めている。「すべての労働者が結社の自由と団体交渉権を享受し、国家がそれらの権利を保障しなければならない」と報告書は述べている。

「これは社会的対話と人への投資、社会的保護、労働者の基本的権利の保護に基づき、公正で公平な仕事の世界のプラットフォームを構築する基礎を提供する強力な報告書だ」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は述べた。

「全加盟組織に対し、この報告書をめぐる討議に参加するとともに、自国の政府に圧力をかけ、公共政策、法律および規則によって報告書の勧告を採択させるよう呼びかける。報告書の勧告はソーシャル・パートナーの代表が参加する合意プロセスで策定されたものであるため、私たちは政府・使用者が勧告を全面的に支持することを期待している」

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