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第91号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年5月31日)

男女賃金格差縮小のために組合が起こせる行動

2019-05-09

性別による賃金格差は、仕事の世界における男女不平等を示す最も大きな要因の1つである。組合は男女賃金格差の解消に重要な役割を果たす。

全世界の男女賃金格差は18.8%である。その原因は、一般に労働市場で賃金を決定する経験や教育、生産性、業績といった要因だけではない。

そうではなく、世界の賃金・男女平等に関するILOの2件の新研究によると、職業面で差別があり、産業や経済部門が男女別に分極化していることが、性別による賃金格差の大きな理由として際立っている。

女性は相変わらず、伝統的に男性優位の高賃金産業に占める割合が低い。最も需要のある高賃金職種はSTEM部門(科学・技術・工学・数学)の仕事だが、この部門の労働者に占める女性の割合はわずかである。

女性が遂行する仕事は過小評価され、低賃金であることが多い。これは、そのような仕事は伝統的に女性が家庭で行ってきた仕事を反映しているから、あるいは単に女性が同一労働に対して少ない賃金しか支払われていないからである。

小学校教育など徐々に女性が優位を占めるようになっている職業では、男女ともに給料が相対的に低下している。いったん女性中心と定義された職業は過小評価される。

2019年のILO報告書「男女平等に向けて大跳躍:より良い仕事の未来をすべての人に」によると、ヨーロッパの女性は、女性労働者優位の会社で働くと、男性優位の類似企業で働くよりも収入が14.7%減ると予想される。

この報告書は、デジタル経済では多くの女性が男性より低収入であることも示している。クラウドワーク(地理的に分散している大衆に開かれたデジタルプラットフォームによる仕事の外部委託)は、女性にとって落とし穴にしかならず、低賃金の断続的な仕事を提供する危険がある。

出産も性別による賃金格差の一因である。子どものいる女性の賃金は子どもがいない女性よりも少ない。これは職業生活の中断や労働時間の短縮に関連していることがあるが、より家族に優しい低賃金の仕事への就労や、母親のキャリアに不利益をもたらす企業レベルの画一的な採用・昇進決定に起因している場合もある。

性別による賃金格差を埋めるために組合は何ができるか?

性別による賃金格差の縮小における労働組合の役割に関するILO労働者活動局(ACTRAV)の報告によると、団体交渉プロセスが中央集権化されるほど賃金格差が小さくなる。多くの女性は組合組織率の低い部門で働いているため、労働協約の対象となる可能性が低い。

高所得国では、労働組合組織率が高いほど男女の賃金格差が小さい。

しかし、同一労働同一賃金は賃金交渉であまり取り上げられておらず、取り上げられている場合も、男性または女性だけのための措置によってではなく、主に賃金不平等全体に取り組むための措置によって討議されている。

「団体交渉は賃金を増やし、男女賃金格差を埋めることが証明されている。しかし、平等な賃金を勝ち取るには、組合の指導部や交渉の席にもっと多くの女性を参加させる必要がある。男女が団体交渉の利益を平等に享受できるようにするには、女性の参加・参画拡大が必要だ」
ジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長

ACTRAVとILOは、賃金格差を埋めるための組合行動に関する勧告を立案した。

性差別への取り組み

組合は、女性による労働市場と良質な雇用へのアクセスを制限し、性差別を助長しているジェンダー・ステレオタイプと社会規範に対抗しなければならない。交渉で取り組むべき問題は、女性の就職を妨げる障害に取り組む措置(男女のワーク・ライフ・バランスに関する政策など)、訓練・経歴開発の機会均等、有給育児休暇の改善、育児施設へのアクセス拡大、セクシャル・ハラスメントへの取り組みなどである。

具体的なジェンダー平等措置の要求

組合は、性別による賃金格差を埋めるために具体的な要求を打ち出すべきである。例えば、賃金・給与表の透明性向上、女性が優位を占める仕事の賃上げ、職務分類や賃金制度における性的偏見を避ける性差別のない職務評価、女性中心の職業や部門の再評価が挙げられる。

包括的な賃金決定の促進

労働組合と集団的賃金決定は、全体的な賃金不平等の縮小に貢献する。組合は、最低賃金と団体交渉の範囲を拡大し、女性が中心を占めるインフォーマル労働者や不安定労働者だけでなく、女性優位の部門も対象に含める方法を検討しなければならない。すべての労働者の最低賃金を生活賃金まで引き上げるためのキャンペーンは、女性の賃金の増額に役立つ。

サプライ・チェーンで働く女性の保護

規制が最も弱い傾向があり、競争圧力が最も強いグローバル・サプライチェーンの末端に女性が集中している現状も、性別による賃金格差を助長している。

多国籍企業とのグローバル枠組み協定は、労働条件改善に重要な役割を果たす可能性がある。例えば、インディテックス、H&Mおよびエイソスとのグローバル協定の一環として、トルコの衣料労働者を対象に実施されたインダストリオールのプログラムは、職場のジェンダー平等問題に対する認識の向上に役立った。ACTプロセスも、サプライチェーンにおける女性の給料の引き上げに重要な役割を果たすだろう。

女性の権利拡大

組合は、意思決定機関や交渉の場で女性参画を確保し、職場における女性の状況を好転させるべきである。組合指導部や団体交渉チームへの女性参画は、交渉結果が女性労働者に与える利益を拡大するうえで大きな効果がある。

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